丸の内2026開催レポート:5/5丸ビルマルキューブ

LFJ丸の内エリアコンサートの最終日、丸ビルマルキューブでは3公演が行われました。 午前は木田慎太郎さんと山﨑亮汰さんによる水と光をテーマにしたピアノデュオ、午後はエロイカ木管五重奏団と内匠慧さんによるトゥイレの六重奏、そして夕暮れ時にはほのカルテットと金﨑瑞希さんがシューマンのピアノ五重奏曲で大団円を飾りました。
出演:山﨑亮汰(p)、木田慎太郎(p)
風薫るさわやかな午前の丸ビルマルキューブに、ピアニストの木田慎太郎さんと山﨑亮汰さんの演奏が響きました。
木田さんによるシューベルト=リストの12の歌より第2番「水の上で歌う」から公演はスタート。揺れ動く水面のように新緑から漏れる陽光が煌めく中で、端正なピアノが穏やかに鳴り、ざわめきが流れる会場に静寂をもたらします。
パルムグレンの3つのピアノ曲 より「月の光」、アルベニスのスペイン組曲 第1集より「アストゥリアス(伝説)」と続いたプログラムの中で、木田さんのピアノは多彩な情景が描きました。
後半に登場した山﨑さんは、パデレフスキ「ミセラネア」より 第1曲「伝説」、そしてリストの「ノルマ」の回想を披露。寄せては返す波のように様々な表情を見せた山﨑さんのピアノは、深く、けれども天井高く響き、その場にいた誰もが一心に耳を傾けていました。
~演奏者のコメント~
♪木田慎太郎さん(p):開放的な空間で演奏するのは初めてでしたが、たくさんの方が集中して聴いてくださって、とても幸せな気分です。
♪山﨑亮汰さん(p):マルキューブで演奏したのは10年ぶりくらいです。本日が2回目となりましたが、この開放的な空間で、気持ちよく演奏することができました。
(レポート◎小原遥夏)
プログラム
シューベルト=リスト:「水の上で歌う」
パルムグレン:「月の光」
アルベニス:「アストゥリアス(伝説)」
パデレフスキ:第1曲「伝説」
リスト:「ノルマ」の回想
出演:内匠慧(p)、エロイカ木管五重奏~斎藤光晴(fl)、大成雅志(cl)、阿部友紀(ob)、井上直哉(fg)、大森啓史(hr)
LFJ丸の内おなじみのエロイカ木管五重奏団の皆さまが、今年も丸ビルマルキューブに! ソリストの内匠慧さんは、国内外でのリサイタルやオーケストラとの共演、春日井広報大使として市のPRや地域の後進育成と、多岐にわたって活動中です。
恒例の楽しい楽器紹介でお客様との距離も近くなり、ホルンの柔らかな調べと共に叙情的な音世界の幕開けです。
6つの楽器が代わる代わるにモチーフを繋いでいき、自然豊かな田園風景の中を散策するようなリラックスした空気に。
第2楽章の静かな対話も美しく、繊細なピアノは竪琴を思わせる親密な距離感。第3楽章は軽快なフレージングのガヴォット。少しコミカル、シニカルでもあり、チェレスタのようなピアノも謎めきを添えます。
最終章は更にリズミカルで熱い掛け合いが繰り広げられ、終わりに向かうにつれ客席の集中力も高まっていくのを肌で感じました。最後は万雷の拍手喝采!
~演奏者のコメント~
♪斎藤光晴さん(fl):ホルンが活躍するとても良い曲です。リヒャルトシュトラウスやブラームスなど時代の天才たちの中で埋もれてしまったが、魅力的な曲なのでもっと広まってほしいです。
♪大成雅志さん(cl):この曲はメロディーがひとりで完成しないのが魅力です。リレーしたり分業したりがとても楽しいです。
♪阿部友紀さん(ob):第3楽章のガヴォットが好きです。オーボエの冒頭が遊んでいるようで、弾いていて楽しいです。
♪井上直哉さん(fg):この編成の曲はあまり多くないので、トゥイレがこの編成を書いてくれて嬉しいです。よくぞ書いてくれたと。選曲する話し合いになると必ず挙がると言っていいくらい重要な曲です。
♪大森啓史さん(hr):冒頭のホルンはもちろん大切なところですが、全体のメロディーが良いんです。埋もれさせておくには勿体ない名曲です。
♪内匠慧さん(p):この曲を今回のことで初めて知りました。世の中にはまだこんなに素敵な曲があったのかという恥ずかしくも嬉しい出会いに感謝します。
ロマン派後期でありながら古典のような趣もあり、とても美しいですね。また、美しいだけでなく、なぜこうしたのだろうと感じる部分も多く、裏と表、分かりやすく表出していない部分に潜ませたモチーフなどに芸術の意味を考えさせられる面も興味深いです。
(レポート◎寿すばる)
プログラム
楽器紹介
出演:金﨑瑞希(p)、ほのカルテット~岸本萌乃加(vn)、林周雅(vn)、長田健志(va)、蟹江慶行(vc)
2026年のLFJ丸の内エリアコンサートも今日が最終日。ラストを飾ったのは、ほのカルテットの皆さんです。ソリストは東京音楽大学大学院に在学中のピアニスト金﨑瑞希さんが務めます。
はじめに金﨑さんのプレトーク的MCがあり、作曲者のシューマンが紆余曲折の末に幸せな結婚生活を始めたばかり、という、曲の背景をお話してくださりました。
曲が始まると、冒頭からの華やかな祝祭感に、マルキューブが音の花で埋め尽くされそうなほど。
どこまでも高く遠く伸びてゆく岸本さんのヴァイオリンと、林さん、長田さん、蟹江さんが掛け合い、甘くも凛々しい金﨑さんのピアノがシューマンの妻でありピアニストのクララと重なって見えてもくるようです。
葬送行進曲を想起すると言われる第2楽章では、ピアノが悲愴な焦燥感で駆り立て、ヴィオラが前面に出て豊かな響きで歌い上げる場面も。オーケストラのコンサートではあまり目立つことの少ないヴィオラの聴きどころです。
そして第3楽章の疾走感を華麗に走り抜けると、壮麗かつ穏やかな大団円の第4楽章に突入、そのまま圧巻のフィナーレへ!
30分近い大曲ですが、楽しい時間はあっという間でした。会場の熱気が大きな拍手となり、まさに締めくくりに相応しいコンサートとなりました。
~演奏者のコメント~
♪金﨑瑞希さん(p):合わせが始まる前は、初めてのLFJと初めての曲に初めての共演、という、初めて尽くしの緊張で不安でしたが、ほのカルテットの皆さんが明るく接してくださって安心して演奏することができました。
オープンな空間だからこそ、お客様もとてもあたたかく、楽しい経験になりました。
♪ほのカルテットの皆さん:金﨑さんとは今回初共演でしたが、初めてご一緒したとは思えないくらいやりやすく、シューマンも初めて弾いたとは思えないくらい金﨑さんに馴染んでいて、とても楽しく充実した共演でした。
(レポート◎寿すばる)















