丸の内2026開催レポート:5/5新丸ビル3Fアトリウム

新緑のまぶしい新丸ビル3Fアトリウムでは、2025ピティナ特級グランプリの稲沢朋華さんが出演。ゲストの有吉亮治さんと師弟連弾も披露しました。2公演目には3名の若手ピアニストたちが三者三様の色彩感をアトリウムに漂わせました。
出演:稲沢朋華(p)、ゲスト:有吉亮治(p)
昼下がりのアトリウムに、ひそやかに鳴ったピアノ。2025年ピティナ特級グランプリの稲沢朋華さんのコンサートは、内省的な切なさと感情的な激しさが入り混じるベートーヴェンのピアノソナタ「月光」から始まりました。ひとつひとつの音を丁寧に紡いで作り上げられる稲沢さんの世界は、会場を静寂へと導きます。
続くプログラムはショパンのスケルツォ第2番。ショパンが描いた劇的な音楽の表情をしっかりと掴みながらも、光り輝く道を探し求めるかのように前へ前へと進み続ける稲沢さんの演奏に、その場にいた誰もが耳を傾けて聴き入ります。
ラストは稲沢さんが現在師事する有吉亮治先生をゲストに迎え、ドビュッシーの小曲集を連弾。繊細に鳴る稲沢さんの音を、有吉先生がしっかりと掬い上げるという息のあった演奏は、勿忘草色の空のもとで、高く高く立ち昇り、アトリウムを包み込みました。
~演奏者のコメント~
♪稲沢朋華さん(p):ラ・フォル・ジュルネは、音楽で人がつながる瞬間がいっぱいある、本当に素晴らしい機会だと思っています。演奏出来るだけでも光栄なことですが、今回は尊敬する有吉先生とご一緒させていただけて、人生の宝物として、私の生きるエネルギーになりました。
(レポート◎小原遥夏)
プログラム
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
ドビュッシー:小組曲(連弾/共演:有吉亮治)
出演:宮本真璃(p)、石山和暉(p)、山﨑里奈(p)
5月の抜けるような青空の下、はじけるモーツァルトがコンサートの始まりの合図でした。午後の新丸ビルには3名の若きピアニストたちが集合。
山﨑里奈さんの2曲めはドビュッシー。少しオリエンタルな香りのするピアノが神秘的で、水面に透明水彩を垂らしたステンドグラスのような朧な色彩感がとても素敵でした。
石山和暉さんのシマノフスキは花の蜜が宝石になったようなきらめき。2曲めのショパンエチュードも、そんな石山さんの持つ音色とよくお似合いでした。続く『夕べの歌』の少しマットな質感も心地よく響きました。
最後の演奏は宮本真璃さん。メンデルスゾーンの無言歌集から、ゆったりと優しい『甘い思い出』、朗らかな『狩人の歌』、そして妖しい美しさの『オンディーヌ』に、可憐で上品な『リラの花』、それぞれ性格の違う4曲を見事に弾き分けました。
~演奏者のコメント~
♪山﨑里奈さん(p):モーツァルトのソナタは会話するようなイメージで、遊びごころが伝わるようにと思いながら、そしてドビュッシーは、揺れる水面に反射する光や色彩変化をイメージして演奏しました。
♪石山和暉さん(p):シマノフスキは風や波、夕方の湖のほとりで木々が揺れるような揺らぎを意識しました。メトネルは初めて弾いた曲です。ショパンエチュードは高い吹き抜けに抜けていくのがとても気持ちよかったです。
シマノフスキとメトネルは良い曲が他にもあるので、ぜひ聴いてほしいです。
♪宮本真璃さん(p):無言歌は歌っているような呼吸を大切にし、『甘い思い出』は自身のふるさと島根ののどかな風景を、『狩人の歌』はフレンチホルンの響きを思い浮かべながら演奏しました。
ドビュッシーは水の精霊のこの上ない美しさや、複雑な心理描写を気にかけ、リラは無言花ではないけれど、歌うような流れへの心配りと、花が風に揺れるようなイメージを持っています。
(レポート◎寿すばる)
プログラム
モーツァルト:ピアノソナタ第3番 KV 281 第1楽章
ドビュッシー:エチュード「4度のために」
シマノフスキ:4つのエチュード 第1番 Op.4-1
ショパン:エチュード Op.10-1
メトネル:「夕べの歌」
ドビュッシー:「オンディーヌ」
ラフマニノフ:リラの花 Op.21-5
メンデルスゾーン:「甘い思い出」「狩人の歌」










