丸の内2026開催レポート:5/3明治安田ヴィレッジ 1F アトリウム

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2026
LFJエリアコンサート@丸の内
5/3 明治安田ヴィレッジ 1F アトリウム

やわらかな光に包まれた明治安田ヴィレッジ1Fアトリウムにて、5月3日の公演が行われました。前半は、フランクのピアノ五重奏曲を中心に、ピアノと弦楽四重奏が重なり合い、緊張感と豊かな響きが交錯する室内楽の魅力を描き出しました。続くプログラムでは、リコーダー四重奏やピアノデュオによる多彩な編成が登場し、それぞれの個性が光る演奏が展開。さらに、Disklavierを用いた新たな表現も加わり、音楽の広がりと可能性を感じさせる一日となりました。


12:00-12:30
フランク:ピアノ五重奏曲

出演:仁宮花歌(p)、カルテット風雅~落合真子(vl)、小西 健太郎(vl)、川邉 宗一郎(va)、松谷 壮一郎(vc)

明るい昼下がり、明治安田ヴィレッジでのコンサートは、仁宮花歌さんによるメンデルスゾーン「春の歌」の踊り心あふれる旋律で幕を開けました。その後登場したカルテット風雅によるベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第6番」は、気心の知れた仲間たちと語り合うようであり、また挑みかけるようでもある演奏でした。最後の仁宮花歌さんとカルテット風雅によるフランクの「ピアノ五重奏曲」は、がらりと雰囲気を変え、奥行きのあるふくよかな響き。それぞれが主役となり、紡がれる音が交差していく様を目の当たりにした、贅沢な時間となりました。

~演奏者のコメント~
♪落合真子さん:本当にたくさんの皆様に聴いていただけて、ピアノの仁宮花歌さんとも素敵なセッションができて楽しかったです。
♪小西健太郎さん:たくさんのお客さまにお越しいただき、温かい雰囲気で聴いていただけたので、僕たちものびのびと弾くことができ、楽しかったです。
♪川邉宗一郎さん:広い会場で素晴らしいピアニストの方と一緒に演奏でき、5人それぞれの音が集まって一体となったフランクは、とても楽しかったです。
♪松谷壮一郎さん:普段のホールとは違った良さがあると感じました。ベートーヴェンとフランク、それぞれの魅力を皆様に楽しんでいただけていたら嬉しいです。
♪仁宮花歌さん:とてもたくさんの方に聴いていただき、響きの良い空間で演奏できて、とても楽しかったです。

(レポート◎森山智子)

プログラム
メンデルスゾーン:春の歌 Op.62-6
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 Op.18-6 より第1楽章
フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 より 第1楽章
13:25-13:55
リコーダー四重奏

出演:Ensemble Reco+(中村栄宏、大塚照道、桐畑奈央、宮里あや / rec)

穏やかな午後のアトリウムでは、Ensemble Reco+ (アンサンブル リコピウ)の皆様によるリコーダー四重奏の公演が行われました。小学校や中学校で習うソプラノリコーダーやアルトリコーダーに加えて、テノールリコーダー、バスリコーダー、グレートバスリコーダーと様々な種類のリコーダーの紹介もあり、足を止めて演奏に耳を傾けるお客さまの姿も見られました。プログラムは、バッハのコラール前奏曲「バビロンの流れのほとりに」、ヘンデルの「水上の音楽」と続き、リコーダーと発音方法が共通するというオルガンのために作曲された、バッハの「オルガン協奏曲」で、公演は幕を下ろしました。透明度の高いリコーダーのハーモニーが、吹き抜けのアトリウム静謐な空気に包まれました。

~演奏者のコメント~
♪中村栄宏さん:思った以上に多くのお客様に聴いていただけて、本当に音楽が好きで聴きにきて下さった方が多いんだなと感じながら、雰囲気よく演奏させていただけました。
♪桐畑奈央さん:あまりこういう響きの場所で演奏する機会がないので新鮮でした。ホールとは違った雰囲気で、曲が変わるごとに、お客さんの表情も変わっていくのが見られて嬉しかったです。

(レポート◎小原遥夏)

プログラム
J.S.バッハ:コラール前奏曲《バビロンの流れのほとりに》 BWV 653
G.F.ヘンデル:《水上の音楽》第1組曲 HWV 348 より エール、ブーレ、ホーンパイプ
J.S.バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 BWV 596
16:05-16:35
デュオで巡る、ヨーロッパの大河

出演:ピアノデュオ ドゥオール DUOR(藤井隆史&白水芳枝)

眩い日差しに包まれたアトリウムに登場したのは、ピアノデュオ「ドゥオール」のお二人です。「デュオで巡る、ヨーロッパの大河」というタイトル通り、音楽と共にヨーロッパの大河を巡るプログラム。旅のしおりのような楽曲解説を交えながら、シュトラウス2世による「美しく青きドナウ」、そしてスメタナによる「モルダウ」から見えてくる様々な景色を、色とりどり音の瞬きが描いていき、会場に集まったたくさんのお客さまを旅路へと誘いました。万雷の拍手によって幕を下ろした旅路ですが、音楽があればいつでも飛んで行けてしまうのでしょう。

~演奏者のコメント~
♪藤井隆史さん:立ち見の方もたくさんいらっしゃって、ものすごい熱気でした。本当に感謝です。
♪白水芳枝さん:すごく良い響きがしました。お客さまも集中して聴いてくださって、とても弾きやすかったです。海や川の流れを意識して弾きましたが、会場が賑やかでざわざわとしていて、より水の質感を感じて演奏できたかなと思います。

(レポート◎小原遥夏)

プログラム
J.シュトラウス2世=ツェグレディ=ヴィルバック:美しき青きドナウ
メタナ: モルダウ(連作交響詩「わが祖国」より)
17:30-18:00
ピティナ・ミニコンサート✕Disklavier 若きピアニストによる、響きの探究

出演:稲積陽菜(p)

明治安田ヴィレッジの初日ラストは、特別な趣向を凝らしたミニコンサート。
国内外で活動するピアニストであり、現在は慶應義塾大学大学院にて音楽神経科学の研究に励む、稲積陽菜さんが登場です。

三方を囲む客席に笑顔で挨拶した稲積さんは、座るとほぼ同時に美しい姿勢としなやかな腕を鍵盤に向かわせ、『ボロディン風に』のエキゾチズムを甘美に奏でました。

ここで稲積さんがマイクを持って今回使用のピアノについて説明。ご自身も研究に携わっているYAMAHAのDisklavierは、打鍵や離鍵などを数値として記録でき、自分の演奏を聴いたり、ひとりで連弾もできるとお話してくださいました。

その機能を使っての『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ』。きらめく音の粒が色とりどりの宝石あふれる大河となって会場中に流れていくようでした。
ポロネーズの前に本来ある管弦楽パートをDisklavierがひとりでに奏でると客席から小さく感嘆の吐息が。

弾き終わりには、いま弾いたばかりの冒頭をDisklavierの自動演奏として再現、さらに、少しオーバー気味に、と弾き直した冒頭をまたDisklavierで再現というとてもわかりやすい解説実演タイムが用意されていました。

『こんぺい糖の精の踊り』では、途中をDisklavierに任せて小さなキーボードを手に持ち歩き、自身はチェレスタの音色を加えるという楽しい演出も。

そして『スペインの踊り』は丁々発止の稲積陽菜×稲積陽菜(Disklavier)!

未来を感じる演奏に、満場の客席は笑顔でいっぱい。歓声と拍手が鳴りやみませんでした。

♪稲積陽菜さんより
Disklavierを知らない方にも魅力を伝えられるようにいろいろ企画したので、上手く伝わって楽しんでいただけていたら嬉しいです。

♪YAMAHA一瀬さんより
稲積さんはDisklavierの機能を高いレベルで把握し使いこなしています。今回のように企画やアイデアを出して演出まで考えて提案してくださったり、とても安心感と信頼感のある、相性抜群のピアニストさんです。

(レポート◎寿すばる)

プログラム
ラヴェル:ボロディン風に
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》より「こんぺい糖の精の踊り」
フォーレ:ドリー組曲より「スペインの踊り」

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