丸の内2026開催レポート:5/3丸ビルマルキューブ

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2026
LFJエリアコンサート@丸の内
5/3 丸ビルマルキューブ

開放的な空間が広がる丸ビルマルキューブにて、5月3日の初日公演が行われました。オーケストラによる躍動感あふれる演奏と、ピアノ協奏曲を中心としたプログラムが展開され、豊かな響きが会場を満たしました。ソリストとオーケストラが呼応し合いながら生み出される音楽は、会場に大きなうねりをもたらし、世代や時代を越えて響き合うひとときとなりました。


11:00-11:40
独奏とオーケストラの祭典

出演:梅村知世(p)、大河内雅彦(cond)、Orchestra Canvas Tokyo(orch)

リハーサルの熱気が残る会場に、待ちわびた観客が次々と席を埋めていきます。幕開けを飾ったのは、グリーグの『トロルドハウゲンの婚礼の日』。愛妻との銀婚式のために書かれたこの祝祭的な一曲を奏でるのは、平均年齢27歳という気鋭のオーケストラ「Orchestra Canvas Tokyo」。大河内雅彦さんの指揮のもと、ノルウェーの豊かな自然と家族への深い愛情が、まるで妖精(トロル)が息づいているかのように生き生きと響き渡りました。

続いて、華やかな総奏で幕を開けたベートーヴェンの『交響曲第7番』第1楽章。長い導入部を経て、フルートが軽やかに主題を奏でると、音楽は一気に躍動し始めます。各楽器が鮮やかに変奏を重ね、雪崩を打つようなクライマックスへ。オーケストラならではの醍醐味を存分に堪能させてくれました。

そして、ピアニストの梅村知世さんがステージへ。披露されたのは、シューマンの『ピアノ協奏曲』第1楽章です。現在、シューマンゆかりのライン川沿いの街に拠点を置く梅村さんにとって、本作は長年温めてきた大切なレパートリー。胸を締め付けるような旋律や、嘆きを含んだ第一主題が、色彩豊かなピアノとオーケストラの対話によって刻々と表情を変えていきます。あとに続く物語を予感させる、余韻に満ちた幕切れでした。

終演後、大河内さんと梅村さんにお話を伺うことができました。大河内さんは初共演となった若々しいオーケストラとの対話を楽しまれた様子。また梅村さんは、今回あえてピアノをオーケストラの後方に配置したことで「管楽器との掛け合いが非常にスムーズだった」と語ってくださいました。2020年に産声を上げたこの新しいオーケストラの、これからの歩みがますます楽しみです。

(レポート◎山平昌子)

プログラム
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op.92より第1楽章
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54より第1楽章
15:50-16:30
独奏とオーケストラの祭典

出演:赤松林太郎(p)、小久保陽平(cond)、東大フィル・グラデュエイト・オーケストラ(orch)

この時間のマルキューブは、LFJ初参加の東大フィル・グラデュエイト・オーケストラが揃いの白いTシャツでお客様をお出迎え。前面に大きく「20260503」とデザインされ、この日のためだけの特別な装いとのこと。

小久保陽平さんのタクトがタクトが振り下ろされると『バルカロール(舟歌)』の流麗なハーモニーが響き渡りました。ひとつひとつの音が丁寧に奏でられ、団員の音楽愛を感じ胸が熱くなりました。

『天国と地獄』序曲は、美しさの中に皮肉な不穏さの入り混じるワルツや、生演奏ならではの大迫力に圧倒されっぱなしでした。フィナーレでは聴き慣れたメロディが。賑やかなカンカンに心が躍り、体も踊り出してしまいそうなほど!

最後はソリストにLFJ10年目の赤松林太郎さんをお迎えし、オッフェンバックの故郷ドイツの作曲家、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。
第2楽章は気品と慈愛に満ち、第3楽章はあふれるパッションがほとばしりました。音が鳴り止んだ瞬間、若きベートーヴェンを思わせるフレッシュな演奏に客席から大きな拍手が!

今年のテーマ『大河-レ・フルーヴ-』に相応しく、音楽という大きな流れの中で時代や世代を超えた曲と人とが集った、そんな尊い時間でした。

~演奏者のコメント~
♪赤松林太郎さん:オーケストラが右側から聴こえる配置は初めてでした。室内楽の感覚で(動きや視線などより)より音で伝えるようにしてみました。合わせの時間も少ない中、皆さんの理解が早いので上手くコミュニケーションが取れたと思います。

(レポート◎寿すばる)

プログラム
オッフェンバック:「ホフマン物語」よりバルカロール
オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 Op.15 第2・3楽章

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