丸の内2026開催レポート:5/3東京ビルTOKIA

東京ビルTOKIAガレリアでは、人の行き交う開かれた空間の中で、音楽が自然と日常に溶け込むひとときが広がりました。ピアノ三重奏、弦楽四重奏、そしてピアノデュオと、多彩な編成による演奏が次々と展開され、ロマン派から民族的色彩豊かな作品まで、時代や地域を越えて流れる“音の大河”が描かれました。立ち止まって耳を傾ける人々の気配とともに、音楽が空間にやわらかく広がっていく一日となりました。
出演:野口千代光(vl)、海野幹雄(vc)、黒田亜樹(p)
東京ビルTOKIAガレリアにて、野口千代光さん(vl)、海野幹雄さん(vc)、黒田亜樹さん(p)によるミニコンサートが開幕。「放浪の歌、音楽の大河へ」と題した今回のコンサートのプログラムは、ハイドンのピアノ三重奏曲 Hob.XV:25「ジプシー風」、そしてベートーヴェンのピアノ三重奏曲 変ロ長調 Op.11「街の歌」と、ラ・フォル・ジュルネ初日の賑わいを映し出すような2曲。立ち見のお客さまも多く見られる中、様々な場所で活躍される三人の演奏が会場をめぐり、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、そして行き交う人々の足音や、天井から差し込む陽の光が折り重なり、あたたかで豊かな空間が生まれました。
~演奏者のコメント~
♪黒田亜樹さん:この時間を楽しみに来てくれた方々が聴いてくれているという感じで、非常に楽しめました。みなさんのおかげで時間を忘れて弾けました。天井が高く、自然の光が入ってきて、ヨーロッパの教会みたいに自分たちの音が聴こえてきました。
♪野口千代光さん:お互いの信頼関係もあり、チャレンジ出来た本番でした。これをきっかけに演奏会に行ってくれる人が増えていったらいいなと思います。
♪海野幹雄さん:みんな集中して聴いてくれていた感じがします。音楽が定着していて、良いことだなと感じました。
(レポート◎小原遥夏)
プログラム
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 変ロ長調 Op.11「街の歌」
出演:落合真子(vl)、小西健太郎(vl)、川邉宗一郎(va)、松谷壮一郎(vc)
2001年生まれの4人によって結成された「カルテット風雅」による演奏。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番で幕を開けると、会場は重厚かつ温かな響きに包み込まれました。続いて、バルトークの弦楽四重奏曲第5番。バルトークの故郷ハンガリーにもドナウ川などが流れていることから、今年のLFJのテーマ「大河」にちなんで選曲したとのこと。4人それぞれの旋律が互いに絡み合い、力強いリズムによって激しさを増し、迫力がありました。最後は、交響曲第3番(通称「ライン」)の作曲者としても知られる、シューマンの弦楽四重奏曲第1番。情緒豊かな第3楽章から一転して、切れ味鋭い第4楽章へと駆け抜けていきます。終始、一つひとつの音、そして音の余韻までもが織り成す緻密なアンサンブル。聴衆も彼らの演奏の世界観に引き込まれていきました。
~演奏者のコメント~
♪松谷宗一郎さん:この会場は午前中に演奏した会場(明治安田ヴィレッジ)とはまた違ってホールに近い響きがして、今回も楽しく演奏させていただきました。また大勢の方々にご来場いただき、とても良い経験になりました。ありがとうございました。
(レポート◎飯島帆風)
プログラム
バルトーク:弦楽四重奏曲第5番 Sz.102 より第5楽章
シューマン:弦楽四重奏曲第1番 イ短調 Op.41-1 より第3・4楽章
出演:木村友梨香(p)、東海林茉奈(p)
赤と青のドレスに身を包み、東海林茉奈さん、木村友梨香さんの2人が登場。東海林さんはポーランド、木村さんはドイツに留学経験があり、留学中に互いの家を訪ねたこともある仲だそうです。
最初に東海林さん。誰でも知っているショパンの3曲、「ノクターン第20番(遺作)」は一音一音にこだわり抜き、「子犬のワルツ」は軽やかで躍動感にあふれ、「英雄ポロネーズ」は堅固でずしりと響くような演奏でした。
続く木村さんは、リストの「バラード第2番」。1曲の中で、深い響きから始まり、やさしさ、明朗さ、静謐さ、壮大さといった多彩な表情を味わわせてくれました。
最後は2人による連弾で、ショパンやリストと同時代の作曲家であるブラームスの「ハンガリー舞曲」。終始、お客さまに楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってくる演奏で、東京ビル TOKIAでのコンサートは締めくくられました。
~演奏者のコメント~
♪東海林茉奈さん:オープンスペースという、いつもと違う雰囲気の中で演奏させていただきました。これをきっかけに、音楽を身近に感じていただけたら嬉しいです。
♪木村友梨香さん:LFJには10年ほど前に出演させていただきましたが、今回久しぶりに多くのお客様の前で演奏することができ、とても楽しかったです。
(レポート◎森山智子)
プログラム
ショパン:ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作
ショパン:子犬のワルツ Op.64-1
ショパン:英雄ポロネーズ Op.53
リスト:バラード第2番 ロ短調 S.171
ほか
