インタビューVol.10:小暮幸恵先生(草加市立松原小学校音楽主任)

学校クラスコンサートインタビュー
Vol.10:小暮幸恵先生(草加市立松原小学校音楽主任)

2025年12月17日に稲沢朋華さんの学校クラスコンサート(レポート)を開催してくださった草加市立松原小学校の音楽主任・小暮幸恵先生は、前任校の草加市立新栄小学校からあわせて9年間、ピティナ学校クラスコンサートをご依頼くださっています。いつもクラスコンサートの最初と最後に子どもたちへされるお話からも、先生の日頃からの熱心なご指導の様子、クラスコンサートを学校の音楽の授業に最大限に生かそうとしてくださっていることがわかります。そんな小暮先生へ、お話を伺いました。

前任校から継続して9年間、学校クラスコンサートをご依頼くださっておりますが、どのような理由からでしょうか?

子どもたちの「聴く耳」を育てたいからです。毎年4年生になるタイミングで、木管楽器との共演でピティナの学校クラスコンサートをご依頼することが多いです。4年生の学習内容にちょうど合う、ということも理由ですが、「繊細な音色を子供たちに聴いてほしい」という想いが大きいです。これまでに、クラリネットやオーボエ、フルートの方などに来ていただきました。

どうやったら音が出る?の子どものアイディアを一つ一つやってみる大成雅志さん(2024)

クラスコンサートのよい所はどこでしょうか?

少人数で音楽室で開催してくださるところです。この人数と近さだからこその価値があると思います。間近で繊細な音色が聴けること、そしてピアニストの息遣いからオーボエの方が顔を真っ赤にして息を吹き込む様子まで、じかに感じることができると、子どもたちの見る目も変わります。私は子どもたちに「演奏者は命をかけて演奏しているから、一音たりとも逃さず受け取り、真剣に聴くのだよ」と伝えています。

演奏者にすぐに話しかけられる近さで(森永冬香さん/2024)

そのご指導のおかげで、子どもたちは奏者の意図も敏感に察知し、反応していたようですね。奏者の問いかけに対しても、積極的に色々な意見やアイディアを出してくれて、ちゃんとその理由も伝えることもできていて、素晴らしいと思いました。

クラスコンサートでは、演奏者がただ一方的に演奏や解説を押し付けるのではなく、児童がどう感じたか、なんでそう思ったか、何に疑問を持ったのか、などに丁寧に耳を傾け、児童の感想に寄り添って自分の言葉で対話をしてくれるところもよいと思っています。

「ヴァイオリンの中身ってどうなってるの?」の疑問に、近寄ってのぞかせてあげる髙倉理紗子さん(2025)

今日の稲沢さんの「お菓子の世界」のクイズもまさにそうでしたね。「答えはこれでした」で終わるのではなく、子どもが出した答えに対しても、どの部分を聞いてそう思ったのかを聞いてくれて、「確かにここはこんな感じだね」と受け入れてくれたり。「みんなが思ったイメージは、みんな正解」と言ってくださったのがうれしかったと思います。

子どものイメージを聞いて「この部分のことかな?」と弾いてみせる稲沢朋華さん(2025)

普段の音楽の授業ではどのようなことを心掛けられていますか?

草加市の小学校では、3年生から音楽の専任として受け持ちます。音楽は学校で終わりではなくて、卒業してもずっとその子の人生にかかわってくるので、「音楽は分からない」「歌うのは苦手」と思ったまま、ずっと引きずってほしくないんです。音を取るのが苦手な子にも根気強く横で歌ってあげると、そのうち周りの音が聞こえてきて音が取れるようになってきます。そのように、卒業後までを見据えた指導を心がけています。

小暮先生の授業では、始まりと終わりに歌声で挨拶をするのが特徴的ですね。

「きれいな声」を大切にしているので、これは前任校からずっとやっています。もう子どもたちは習慣になっているので、音楽の授業では必ずやってくれます。

だから校歌共演の歌もきれいだったのですね。黒板にもたくさん音楽の言葉が貼ってありますね

音楽を表現する言葉をたくさん知って欲しいと思っています。いつも授業で音楽のイメージを言う時も、ただ「すごい」とかじゃなく、こういう言葉を示して、どうだったかを表してもらえるようにしています。

歌も、高学年になるとユニゾンからハーモニーへと学習が進み、より「お互いの音を聴くこと」が必要となってきます。そういう意味で、4年生という時期に学校クラスコンサートで「聴く」ことに意識を向けることは、鑑賞教育だけではなく、歌唱教育にも一役買っていると思います。

どうもありがとうございました。

(2025年12月17日取材 聞き手◎岡山真奈・二子千草)

草加松原小学校での学校クラスコンサートレポート
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