レポ:12/5 草加市立松原小(北村明日人pf・志村樺奈ob/動画あり)

草加市立松原小学校
日時:2023年12月5日(火)
会場:音楽室
参加人数:4年生 75名
出演:北村明日人(ピアノ)・志村樺奈(オーボエ)
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草加市立松原小学校を訪れたのは、ピアニストの北村明日人さんと、オーボエの志村樺奈さん。ちょうど木管楽器の学習中で、クラリネットとフルートを勉強したばかりという4年生を対象にクラスコンサートが行われました。

まずはオーボエとピアノのデュオで「ガブリエルのオーボエ」と「風笛」を演奏。音楽室に澄んだ音が響き、ワイワイと話していた子ども達もすっと音楽に耳を傾けていました。

志村さんは様々なものを見せながらオーボエの楽器の解説をしてくれました。

「オーボエ」って何語だと思いますか?と尋ねると「日本語!」「中国語!」「イタリア語!」「フランス語!」と声が飛びます。「正解!実はフランス語なんです。オー(haut)は「高い」という意味で、「ボワ(bois)」が「木」。オーボエってよく「大笛」って間違えられるのだけど、どちらかと言うと「高木」ですね。」と志村さん。

「実はオーボエはこの部分が取り外せるのですが、「リード」と言って、オーボエの心臓みたいなとても大事なところです。これがないとオーボエは音が出ませんが、逆にリードだけでも音が出るんですよ。」と吹いてみると、先ほどの曲の音と違う音が出てびっくりする子ども達。

「これ、実は手作りするんです。」と、原材料の葦(あし)を見せながら、薄いリードになるまでを解説してくれました。「吹く所、見えますか?1ミリくらいしかないんです。」と子ども達に見せます。1枚のリードを作るのに2週間くらいかかること、使える期間が短いことにも驚きの声があがっていました。

続いてはピアノ。北村さんがベートーヴェンの「月光」の第3楽章を弾き始めると、和やかな雰囲気が一転、真剣な面持ちで聴き入る子ども達でした。

「ピアノはオーボエと同じで主には木と金属で作られているのですが、この88個の鍵盤以外にも、実は1万個ほどの部品で作られているんです。」と言うと、「えーっ!?ほんとだ、うつってる!」と、開いたピアノの屋根に映った内部を指さす子も。「この中に実は動物のものも入っているんですが」と言うと「馬?牛?トラ?羊?」と手が挙がります。「そう、実は羊の毛をぎゅっと固くしたものが入っていて、それが弦を叩いて音を出しているんです。」と北村さん。

最後に弾く曲はモーツァルトにオーボエ協奏曲。「この曲は、オーボエが1人で主役で吹いて、その後ろに何十人ものオーケストラが伴奏のように支える曲なんですよ。」と紹介。子ども達は楽器に触らないという約束のもと、オーボエやピアノの周り、ピアノの下にももぐりこみながら演奏を間近で見たり聴いたりしていました。

子ども達に囲まれて松原小の校歌を一緒に演奏し、クラスコンサートは終了しましたが、囲んだ子ども達からは質問が絶えません。子ども達の質問やリクエストに答えながら、楽器を分解したり、オーボエの音域をピアノで表したり、ハンマーの動きを見せたりと、和やかな時間が続きました。

音楽の先生より

音楽の学習では、子ども達に「音色」にこだわりを持ってほしいと思い授業を進めています。鑑賞の授業ではCDを聴いて学習していえ、機械を通してしまいますので、実際の音色とは違います。強い音でも耳が痛くなることもなく、でも体には響くという体験をすることができました。

ほとんどの児童がオーボエの音色を実際に聴いたことがなかったので、貴重な経験になりました。ピアノ演奏で指が速く動いているのを見ている児童のびっくりしている様子が印象的でした。

今回のコンサートは、生の音色が聴けたので、一生の心の宝になると思います。今後も小学生の感受性が強い時期に、このような生の音を聴かせる演奏会が続くことを期待します。ありがとうございました。

担任の先生より

オーボエの音色の美しさに感動しました。ピアノのアップライトとグランドピアノの音の出し方が違うことなど、子どもとともに勉強になりました。間近で演奏を見ることができたので、子ども達が喜んでいました。

児童の皆さんの感想より(抜粋)

  • 僕はこの学校クラスコンサートでいろいろなことを知りました。それは、ピアノの部品の数、ピアノの音数、オーボエの歴史、オーボエのリードの穴の大きさなどです。楽器について今まで以上に詳しくなりたい‼と思える演奏でした。
  • 志村さんのオーボエが、口でくわえる「リード」が1mmの大きさと知って、びっくりしました。そんなに小さいのに志村さんのオーボエの音色がとてもきれいでした。ピアノとオーボエのゆったりとした優雅な音が教室の雰囲気を明るくしてくれているような気がしました。
  • つい感動して泣いてしまいました。明日人さんはピアノの指がやわらかくて、樺奈さんは吹き方がやさしくてすごかったです。
  • すてきなピアノとオーボエの演奏をありがとうございました。ピアノの強弱に負けないオーボエの演奏に心が引き込まれました。
  • ピアノは羊の毛を使っていることを初めて知りました。そして「ピアノ」は本当の名前ではないことにおどろきました。
  • ピアノとオーボエの組み合わせはとてもきれいで、ずっと聞いていられるような音でした。曲以外にもピアノとオーボエの仕組みを知ったり、オーボエの木が絶滅危惧種だということも知れて、とても勉強になりました。
  • 明日人さんのピアノソロのピアノ・ソナタ第14番「月光」第3楽章が、とてもすごい迫力で、強弱が激しい曲だと思いました。
  • 初めて聞いたオーボエの音色は、とてもきれいでした。オーボエの歴史を教えてくださりありがとうございます。もう一度聞いてみたかったです。
  • お二人とも違う楽器なのに息がぴったりで、すごかったです。いろいろな曲があってびっくりしました。
学校クラスコンサート
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