丸の内2025 開催レポート:5/3 東京ビルTOKIA

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2025
開催レポート:5/3 東京ビルTOKIA

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025 LFJエリアコンサート@丸の内は、東京ビルTOKIAで幕を開けました!ほのカルテットによる弦楽四重奏、ショパンコンクールから帰国したばかりの神原雅治さん、おなじみのエロイカ木管五重奏団が飾り、豊かな響きがガレリアの空間に響き渡りました。


弦楽四重奏~ほのカルテット
出演:岸本萌乃加(vn)林周雅(vn)長田建志(va)蟹江慶行(vc)
当日の様子

TOKIAガレリアにほのカルテットの皆さんが登場。ジミーヘンドリックスの「パープルヘイズ」から力強く始まりました。凛々しく力強いアンサンブルに、胸が高鳴ります。

今回のコンサートはさまざまなテイストの楽曲が詰め込まれたプログラム。古典派のハイドン、そしてロシア五人組の一人であるボロディンの弦楽四重奏へ楽曲が移ると、会場の雰囲気はがらりと変わり、じっくりとその瑞々しくやわらかに響く音色に耳を傾けます。

楽しいM Cとメンバー紹介をはさんだ後は、オーストラリアの民族音楽「ワルチング・マチルダ」、エリック・サティの「ジムノペティ」と爽やかな演奏が会場を彩り、ラストのロックテイストのアトムハーツで会場のボルテージは最高潮に達し、割れんばかりの拍手でアンコールへ。閉店の音楽でおなじみの「蛍の光」とともに、和やかに終演しました。

多彩な音色で会場を魅了したほのカルテットの演奏は、8月1日にサントリーホールのブルーローズで行われる定期演奏会でまた聴くことができるみたいです!聴けば心が弾むこと間違いなし。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

~林周雅さん(2ndヴァイオリン)のコメント~

普段は演奏ではなく通っているビルで、自分の演奏が出来たこと感動しました。こういったたくさんの人に見ていただける機会も多くはないので、とても楽しかったです。8月1日にリサイタルがあるので、良かったら来てください!

当日の様子
当日の様子
当日の様子
当日の様子
プログラム
ハイドン:弦楽四重奏曲第49番ニ長調op.50-6《蛙》より第四楽章
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調より第一楽章
シュテファンコンツ:ワルチング・マチルダ
E.サティ:ジムノペディ第1番(シュテファンコンツ編曲)
吉松隆:アトムハーツ
(アンコール テディボーア:マックモーツァルト)
ショパン ふたつの故郷のメモワール ~ロン・ティボー国際コンクール入賞記念~
出演:神原雅治(p)
当日の様子

多くの人が集まった会場に、語りかけるような旋律から始まったマズルカが響き渡りました。

今年3月、パリで行われたロン・ティボー国際コンクールにて第4位に入賞された神原雅治さんが登場。ロン・ティボー国際コンクール、そして現在行われているショパン国際ピアノコンクールの予備予選で披露された楽曲から組まれたオールショパンプログラムを披露されました。

時に寂しさに溺れるような、けれど時に明るく朗らかな印象も残すショパンの音楽を、神原さんは緻密に拾い上げ、私たちに届けてくれます。まっすぐにピアノに向かい端正な音で紡いでいく神原さんの演奏を、一音も聴き逃すまいと会場の誰もが息を詰めて見つめていました。

プログラムが全て終了すると、この時間をずっと抱き留めていたいという想いとともに、万雷の拍手が鳴り止みませんでした。

~神原雅治さんのコメント~

開けた場所での演奏は、ホールで弾くのとはまた違った感覚ですごく気持ちよく、新鮮な気持ちでした。こういった場でショパンだけのプログラムを演奏するのは初めてでしたが、楽しんで演奏出来たかなと思います。

当日の様子
当日の様子
当日の様子
当日の様子
プログラム
【オール・ショパン・プログラム】
マズルカ イ短調 Op.59-1
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」
エロイカ木管五重奏団
出演:齋藤光晴(Fl)大成雅志(Cl)最上峰行(Ob)井上直哉(Fg)大森啓史(Hr)
当日の様子

2005年のLFJが始まった時から毎年出続けているというエロイカ木管五重奏団の時間は、プーランクの「ノヴェレッテ」の端正で明るい演奏で始まりました。トークでは、昔は楽譜が風で飛び、屋根のないかんかん照りの屋外で演奏したという思い出話が飛び出す場面も。

続いてベートーヴェンの「運命」をプーランクの手によっておしゃれにアレンジされたという「ベートーヴェン風ボサノヴァ」。目玉の楽器紹介は木管五重奏の5つの楽器について、演奏も交えつつ5人が順番に紹介するコーナー。楽器だけでなく奏者それぞれの個性も存分に客席に伝わっている様子でした。

指揮者コーナーでは「指揮したい人ー」という声かけに勢いよく返事をした客席のお子様が挑戦!熱心な指導の甲斐もあり素敵なドラえもんのテーマの演奏になりました。

最後はヨハン・シュトラウス2世の「常勤曲」を演奏しながら退場(!?)戻ってきて終幕という楽しい時間でした。

~エロイカ木管五重奏団のコメント~

LFJは、若手だった頃からずっと参加していて、これだけ長く声をかけ続けてくださること大変嬉しく思っています。一時はリモートも流行りましたが、またお客様の前で演奏出来ていることも本当に嬉しいです。(フルート:斎藤光晴さん)

当日の様子
当日の様子
プログラム
<楽器紹介>
<1分間指揮者コーナー>
プーランク:ノヴェレッテ
ベートーヴェン風ボサノヴァ
熊蜂の飛行
常動曲

恒例の楽器紹介に加えて1分間指揮者コーナーも開催!

文:森山智子・小原遥夏/写真:春日知明

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