丸の内2025 開催レポート:5/3 新丸ビル3Fアトリウム
新緑の陽光が降り注ぐ新丸ビル3Fアトリウムの初日公演は、duo LEPUS (デュオ・レプス)の連弾、鶴澤奏さんとエロイカ木管五重奏団によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番で幕を開けました。

幼馴染2人で去年の11月に結成されたというデュオ・レプスの時間はチャイコフスキーのバレエ音楽「眠れる森の美女」より『ワルツ』の優雅な演奏で始まりました。
トークではピアノを一台で歌手にも、弦楽器にも、オーケストラにもなれる楽器と紹介。続いて2人の十八番だというモーツァルトのオペラ「魔笛」より『パパゲーノ!」の演奏は手を交差する、さっと引くだけでなく立ち上がったり中腰だったりと驚きのアクロバティックさ。幼い頃一緒に弾いた思い出の曲だというガルシチャ「子猫とねずみ」、内田勝人「海賊船」はかわいいおとぎ話の世界に引き込まれていくよう。
小学生ゲストとの6手連弾では3人で身体の動きが同調してく様子が印象的でした。
最後のガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」の豪華で心踊るような演奏で締めくくるまで終始2人で同じ空気を作り上げていくコンサートでした。
~duo LEPUSよりコメント~
LFJに2人一緒に出るのは初めてだったのですが、本当に沢山のお客様が集まってくださり拍手をいただいて、すごく楽しい時間でした。今日の2人の衣装は、レプスがうさぎ座という意味なので、白がうさぎのカラーと思い選びました!




プログラム
モーツァルト:オペラ「魔笛」より「パパゲーノ!」(G.アンダーソン編)
ガルシチャ:子猫とねずみ
内田勝人:海賊船
ラフマニノフ :6手連弾のための「ワルツ」★
ラヴェル:マ・メール・ロワより
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
<★子ども参加企画あり>

翳りを見せ始めた新丸ビルのアトリウムに、大人気のエロイカ木管五重奏団の皆さんと、ピアニストの鶴澤奏さんが登場。
エロイカ五重奏団による恒例の楽器紹介コーナーから始まり、1分間の指揮者体験コーナーでは、なんと50年振りに式を振るというお客様が立候補!ドラえもんの曲に合わせて、堂々と五重奏団との共演を楽しんでおられました。
そして鶴澤さんのピアノが加わり、西島麻子さんによる木管五重奏版のベートーヴェンのコンチェルトを披露。やわらかくも芯のあるピアノの煌めきと、それぞれの楽器の個性が光る爽やかなアンサンブルが美しい調和を生み、まるで対話をしているかのような演奏が、吹き抜けのアトリウムをすがすがしく包み込みました。
~鶴澤さんのコメント~
コンサートホールとは違って生活音がある中での演奏でしたが、お客さんが作り上げてくださったあたたかい空気の中で弾けたので、逆にやりやすかったです。エロイカ木管五重奏団の皆様も素晴らしい演奏で支えてくださって、すごく楽しかったです。
~西島麻子さん(編曲者)のコメント~
今回はピアノのパートはそのままに、オーケストラのパートのみを編曲しています。オーケストラのパートを五人の楽器で編成し直すということは、いわゆる翻訳をする作業です。オーケストラのことも木管五重奏のことも理解し、その上で音を置き換えていく作業というのがありました。演奏する人も楽しく、そして聴いてくださるお客様に納得していただけるような形に近づけるようにと思って作業を続け、今日を迎えました。




プログラム
<楽器紹介>
<1分間指揮者コーナー>
文:森山知子・小原遥夏/写真:春日知明