インタビューVol.4:山縣美季さん&最上峰行さん
2022年11月21日に草加市立新栄小学校を訪れてくださったピアニストの山縣美季さんとオーボエ奏者の最上峰行さん。初めての学校クラスコンサートに向かう山縣さんと、演奏家としてもアウトリーチの経験者としてもベテランの最上さんに、お話を伺いました。
学校クラスコンサートデビューとなりましたが、どのような心持ちで向かわれましたか?
今回が私にとって初めての学校クラスコンサートということで、直前までどうなることか…ととても不安に思っていました。しかし、今回共演してくださった最上さんに、さまざまなアドバイスをいただき、私が伝えたいことを伝えるための努力をしようと覚悟を決めることができました。
選曲や構成、お話の内容など、どのようなことを意識されたのでしょうか
ピアノの魅力、音楽の魅力、そして何かに夢中になることの魅力などを最大限伝えるための方法を意識しました。
例えば選曲は、素晴らしい最上さんのオーボエと、私のピアノで、音楽の魅力が最大限伝わるものにしました。コンサートの後に残る印象がそればかりになってしまわないように、子どもたちに馴染みのあるアニメ音楽などは敢えて入れず、クラシックを中心に組みました。実際の演奏においても、普段のコンサートと同じような、それ以上の覚悟を持ち、よい音楽を届けよう届けようと意識していました。この1回のコンサートが、何かのきっかけになればよいな、したいなと思い取り組んできました。
実際に行かれてみて、いかがでしたか
コンサート当日は、子どもたちはみんなとても興味を持って聴いてくれて、目を輝かせながら反応したり、質問したりしてくれました。そのおかげで、最初に感じていた緊張はあっという間に消え去り、あたたかな学校クラスコンサートをお届けできたのではないかと思います。
ピアノを習っているお子さんは少なかったですし、音楽に馴染みのあるお子さんも多くはないと思います。それでも、後日子どもたちからもらったメッセージからは、あの日の音楽に心が動いていたことが伝わってきて、私自身、音楽の可能性を改めて感じるきっかけとなりました。
これからも、音楽をたくさんの人に届けていきたいと思います。何より、尊敬する音楽家、最上峰行さんと、かけがえのない学校クラスコンサートを経験することができ、幸せでした。ありがとうございました!
山縣美季
最上さんにとって、学校クラスコンサートはどのような存在ですか?
学校に出向き、チョークの粉の薫りがする教室で、子どもたちのすぐ近くで音楽を伝えていく学校クラスコンサートは僕自身が音楽家として生きてきた中でも大切に思っている活動の一つです。伺う度にそれぞれの学校の雰囲気があり、景色があり、音楽があります。
子どもたちに音楽を通して一番伝えたいことは何でしょうか
音楽は一人でも出来ると勘違いしてしまいがちですが、絶対に一人ではできません。例えばピアノソロでさえも、曲を作った人、ピアノを作った人等、沢山の人が関わっています。
学校のクラスも沢山の人が関わって、色んな係や役割があり、それぞれが支え合って助け合って成り立っていますが、音楽もアンサンブルも一緒です。更に言えばそれが社会であって、歴史であって、人間の素晴らしさだとも思います。
その大切な事に気付き、認識もらえるように音楽と話を通して伝えていきたいと常々思っています。
今回も素晴らしいピアニストの山縣美季さんと御一緒出来ました。僕のような中堅の音楽家にとっては若くて素晴らしい音楽家との出会いもとてつもない喜びです。そしてそこで生まれる音楽を通して共演者にも色々な経験を伝えていけるのも楽しみの一つです。
我々大人が社会を作っていて、その将来を子供達が担っているわけですが、音楽を通して考える事、想像する事、思いやる事、助け合う事など、現代の大人達がともすると忘れがちだけれどもとても大切な事を伝えていく事が、音楽家にとって大切な役割だと思います。
その入り口に学校クラスコンサートがあると思っていますし、そうあって欲しいと切に願ってます。
最上峰行
★お2人の出演された草加市立新栄小学校クラスコンサート(2022)の動画つきレポート、学校の先生や児童の皆さんの感想は近日公開中!★