渡辺真生さん、福本健さん(Dカテゴリー2位) グランミューズ部門入賞者インタビュー
Dカテゴリーで2位を受賞された、渡辺真生さん、福本健さんペアにインタビューをしました。お二人とも愛媛県伊予市出身で、小さいころからコンペティションに数多く出場され、連弾の経験も重ねてこられました。息の合った二人の演奏に、期待が高まります!
【渡辺真生プロフィール】
愛媛県伊予市出身。7歳からピアノを始める。愛媛県立松山南高等学校3年。伊藤州美子氏に師事。ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会にて、2014年連弾初級入選、2015年C級入選、2016年連弾中級Aベスト13賞・連弾中級B入選、2017年2台ピアノ初級第3位・連弾上級ベスト8賞・連弾中級A入選、2018年連弾上級ベスト9賞、2019年連弾上級銅賞、2021年連弾上級銀賞・連弾中級Bベスト10賞、2022年グランミューズ部門Dカテゴリー第2位・連弾上級銀賞。中学1年時の競技中の事故で左指の感覚を失う。現在も左指の麻痺と痺れと付き合いながら、リハビリも兼ねてマイペースに楽しくピアノライフを継続中。
【福本健プロフィール】
愛媛県伊予市出身。4歳からピアノを始める。愛媛大学医学部医学科卒業。伊藤州美子氏に師事。ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会にて、C級入選、連弾中級B・上級ベスト賞、連弾上級銅賞。グランミューズ部門Yカテゴリー第1位、B1カテゴリー第3位、A1カテゴリー全国大会入選。2022年Dカテゴリー第2位。第7回全日本バッハコンクール全国大会、大学・大学院部門金賞・ベーレンライター賞受賞。
- ラヴェル:《スペイン狂詩曲》より 第4曲「祭り」
- カプースチン:シンフォニエッタ Op.49 第1楽章
コンペティションでのご入賞、おめでとうございます!少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。
【渡辺真生】
福本さんはお仕事で多忙な中、私自身も学業と部活動で練習時間が十分に確保できない中でのDカテゴリーへの初参加でしたが、全国決勝大会の舞台で演奏させていただけたことがとにかく幸せでした!
【福本健】
予選・本選を通して1番良い演奏ができ、自分達らしい演奏の良さが審査員や聴衆の方々に伝わったようで嬉しかったです。
コンペティション出場の動機を教えていただけますか?
【渡辺真生】
私は7歳からピアノを始め、目標を持っていろいろな曲を弾いてみようということでA1級から毎年コンペティションに参加しています。小学校4年生の時から、連弾をする機会もいただき、その楽しさにハマり、今も続けています。途中、事故で一時期左指の感覚を失い、ピアノを弾けない時期がありました。今も思いどおりに動かない左指のリハビリも兼ねて、以前とは違う目標や思いを持ってコンペティションに参加しています。ペアの福本さんとは小学5年生の時から一緒に連弾をさせていただいていて、事故後はコンペティションへの参加は諦めていましたが、一緒に連弾を続けてみようと声を掛けていただき、いろいろと助けていただきながら、今も続けています。
【福本健】
小さい頃は本選や全国大会に行けば旅行ができるからという不純な動機でした(笑)。現在は、何かイベントがないと本当に練習をしなくなるため、楽しめる範囲でなるべく毎年出るようにしています。
連弾は弾いていて楽しいことと相方からのお誘いもあり、今年はソロだけでなくDカテゴリーにも出ることを決めました。
コンペティションで演奏された曲の選曲理由を教えていただけますでしょうか?
【渡辺真生/福本健】
弾いていて楽しいことと、華やかな曲調でふたりの魅力が引き出せる曲だと感じたため、この曲を選びました。
レッスンには通われていますか?
【渡辺真生】
中学・高校と学業と部活動との両立もあり、なかなかレッスンに通うことが難しく、概ね自主練習で曲作りをしています。ソロも連弾もコンクールや演奏会前にレッスンをお願いして、アドバイスをいただきます。
【福本健】
基本的には、ほぼ自力で練習して、曲作りをします。連弾に関しては相方と相方母の3人で、ワイワイ言いながら、試行錯誤しながら曲作りをしています。ソロ・連弾ともにコンクールや演奏会の直前に数回、先生にレッスンをお願いしています。
お仕事、学業ではどんなことをされていますか?
【渡辺真生】
来年度から、大学生になります。県外の大学へ進学しますが、引き続きマイペースにピアノライフを続ける予定です。
【福本健】
現在研修医2年目の医師ですが、来年からは目の神秘的な世界感に惹かれて、眼科に進むことに決めました。
ピアノ以外にご興味があることは何ですか?
【渡辺真生】
基本的に身体を動かすのが大好きです。中学・高校と運動部に所属していました。4月からは大学生になりますが、やはり運動部に所属しようかと思っています。
【福本健】
隙を見ては好きな旅行に出かけています。一人旅もすることがあり、勇気を出してアメリカに一人でホームステイにも行きました。英語はあまり喋れませんが、意外と何とかなりました(笑)。今年はコロナの情勢が落ち着いていれば、そろそろ外国に行きたいなと思っています。
学生時代は高校・大学ともに弓道部で活動していました。手が痛くなってピアノに支障が出ることも多少ありましたが、いい思い出になりました。
他にはパンが好きで、休みの日にはパン屋によく行っています。愛媛のパン屋は大体知っています(笑)。
普段はどれくらいピアノを練習されていますか?頻度、場所、時間などお聞かせください。
【渡辺真生】
目標がないと練習しませんので、コンクールやコンサートの予定を入れるようにしています。部活動も高校3年の夏までしていましたので、コンクールに向けての練習は常に短期集中型で、果たして本番に間に合うのかどうかということもしばしばです…。連弾はふたりでの練習がとても楽しく、また、刺激にもなります。いろいろな方と連弾をさせていただくことは、その都度初心に立ち返るためたいへんですが、自分の曲の幅も広がり、とても勉強になります。同時に3名の方と連弾をしていたこともありましたが、短時間で密度の濃い練習をすることやスイッチの切り替えは上手くなったと思います(笑)。
【福本健】
恥ずかしながら、練習量はかなり少ない方だと思います。普段は気が向いたら練習をする程度で、本番1~2週間前に「そろそろやらなければ…」と、動き始めるような感じで、完全に短期集中型です。それでも1日1時間も練習することは本番直前以外あまりありません。今年はソロも出ていましたが、本選の曲は練習不足で間に合いませんでした(笑)。ただ、弾きたいイメージを明確に持ちながら練習をすることで、短い練習時間で表現できる幅を増やすような工夫はしています。普段は自宅にある電子ピアノで練習しており、本番直前には先生宅のピアノをお借りして練習することもあります。
連弾に関しては、本番までにいつも4、5回程しか合わせることができませんので、合わせている間にふたりで一気に曲作りをしていきます。
好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。
【渡辺真生】
メロディーラインがわかりやすく、曲に流れがあり、イメージが膨らませやすい曲が好きです。連弾曲についても多くの作曲家の方の曲を聴いてますので、まだまだ、弾きたい曲はたくさんあります。
【福本健】
明確な旋律がある、流れのある曲が好きです。特にバッハやヘンデルなどのバロック時代の曲が好きです。綺麗な旋律に音の重なりや広がりなど、計算されて作られた曲であることが伝わってきて感銘を受けます。また、近現代ではラヴェルの曲が好きです。
その他、邦人作曲家の曲で自分に合った&弾いてみたい曲がないかを暇な時に調べることがよくあります。
ピアノを演奏する際に心掛けていることは何ですか?
【渡辺真生】
私は左指が思うように動かないため、技術的にとても難があります(笑)。ですので、いろいろな方の演奏を聴くことでイメージを膨らませたり、音色の聴き分けや弾き分けをし、曲の表現は自分なりにこだわるようにはしています。連弾では、人それぞれ持っている感性や特性が異なりますので、ペアの方との呼吸感や音のバランスなどいろいろなことを感じながら一体感のある演奏をするように心掛けています。あとは、とにかく楽しんで演奏することです。
【福本健】
綺麗な音色と、音色の変化により表現豊かな演奏になるように心掛けています。
連弾では主にセコンドを担当していますが、音のバランスやペダリングはかなり気を付けながら演奏しています。また、より理想の曲の仕上がりになるように、プリモの左手で弾きにくい音をセコンドの右手で弾いたり、左手の音の一部を右手で弾いたりなどの工夫をすることもよくあります。
入賞者記念コンサートの曲目の選曲理由を教えてください。
【渡辺真生/福本健】
コンサートということで、自分達を含め、会場の全員が楽しめる曲ということで選びました。
入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!
【渡辺真生】
このような演奏の機会をいただけることに、感謝の気持ちでいっぱいです。今回、初めてノリのいい曲を選曲しました。今までにない、攻めの選曲です(笑) 。練習時間の確保が難しいため、果たして本番までに間に合うか?!またとない機会ですので、聴衆の皆様と一緒に楽しみたいと思います!
【福本健】
インパクトのある、印象的な演奏ができるよう頑張ります!