丸の内ミュージックフェス 開催レポート vol.10
いよいよ最終日!5/5の東京TOKIAには、ウィーン、ローマ、パリやベルリンなど、海外で学んだ俊英ピアニストたちが出演、海外の音楽会の空気を、会場に運んでくださいました。「子どもの日」となるこの日のTokyo Torch Park会場には、可愛いトイピアノや鍵盤ハーモニカ、風に吹かれて踊るフルート(!?)など、見どころ聴きどころ満載のステージが繰り広げられました。
ウィーン留学から完全帰国したばかりの篠永紗也子さん(2015特級グランプリ)が、学生時代から組んでいた伊藤万桜さん、石川泰羽さんとのピアノトリオで、TOKIAに出演しました。冒頭はトリオでエルガーの愛の挨拶を、続いて響き豊かで静謐なドビュッシーのピアノソロ、そしてメインとして、かのシューマンをして「ベートーヴェン以来の傑作のトリオ」と言わしめたという逸話のある、メンデルスゾーンのピアノトリオ第1番を、情熱的なチェロとヴァイオリン、ピアノの掛け合いで届けました。(映像は一部掲載)
プログラム
ドビュッシー:2つのアラベスク
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49より第1楽章
クライスラー:愛の喜び
ローマに留学したばかりの森本さんと、パリとベルリンで長年学んだ齊藤一也さんが、それぞれのソロ演奏を届けてくださいました。森本さんは美しく幻想的なショパンの世界を描き出し、対して齊藤さんは技巧的かつジプシーの悲しみ、そして抒情豊かな愛の夢を描くリストの2曲を奏でました。最後は、齊藤一也さんが自身のオリジナル・アレンジ作品で、新譜CDのボーナストラックにも含まれている「あの曲」を、ショパンの原曲とともに演奏。森本さんとの犬派?猫派?トークも盛り上がり、二人の「ソリスト」たちが二人の「作曲家」を取り上げた、素晴らしい競演のステージとなりました。
プログラム
ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
齊藤一也(p)
リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番
リスト:愛の夢 -おお愛しうる限り愛せ-
齊藤一也:ショパンの「小犬のワルツ」による即興曲 -ネコ好きの-
この日は少し日差しの強いTokyo Torch Park。数種類の可愛いトイピアノと鍵盤ハーモニカがステージに登場しました。演奏するのは、カメアリ★デュオのお二人。何と昨日まで司会を務めていた飯田有抄さんが自慢のトイピアノたちを抱えて、出演されました!ジュ・トゥ・ヴ、「運命」交響曲の編曲バージョン、そしてバルトーク:ルーマニア民俗舞曲を、めだかこと亀井正俊さんの編曲でお届けしました。
プログラム
オー・シャンゼリゼ(作曲:マイク・ウィルシュ/編曲:菅谷詩織)
ジュ・トゥ・ヴ(作曲:エリック・サティ/編曲:めだか)
シェルブールの雨傘(作曲:ミシェル・ルグラン/編曲:めだか)
運命のラグ(作曲:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/編曲:めだか)
ルーマニア民族舞曲(作曲:バルトーク・ベーラ/編曲めだか)
ビルの谷間に舞い降りたフルートの舞姫と王子!?ジュリエットのワルツは、なんと最初から最後までワルツのステップを踏みながらの演奏。はかなげな外見からは想像もつかない安定した呼吸と演奏は、強靭な体幹をもつアスリートのようでした。振り返ることもなく、まさに「背中で」感じてピタリと合わせる長井さんのピアノも冴えわたり、息がぴったりのデュオに、会場はおおいに盛り上がりました。新譜CD「オリヴィア」から、アルゼンチンタンゴやシャンソンのナンバーなど、多彩なプログラムで、都心の憩いの広場(Tokyo Torch Park)に集った人々の耳を楽しませていました。
プログラム
グノー:私は夢に生きたい(ジュリエットのワルツ)
ガルデル:ポル・ウナ・カベーサ
バーンスタイン:着飾って、きらびやかに
他
より多くの人が、ピアノにワクワクできる。
知らなかったピアノの魅力を再発見する。
ピアノの可能性をもっと広げていくための新たな取り組みが始まります。