特級グランド・コンチェルト開催レポート
大型連休の中日となる5月1日(日)、大阪のザ・シンフォニーホールにて「特級グランド・コンチェルト」が開催されました。ピティナ「特級」の上位入賞者がソリストを務め、ショパン、リスト、ラフマニノフの必聴コンチェルトを奏でるという、3つの「特級」ピアノ協奏曲をお届けする初の試みでした。 開館40周年記念イヤーとなるザ・シンフォニーホールの共催で、豊かな音響空間のもとで実現することができました。首席指揮者・藤岡幸夫氏率いる関西フィルハーモニー管弦楽団のサポートも得て、3人が十二分に実力を発揮する素晴らしい演奏会となり、感動の渦が巻き起こりました。
圧倒的な構築力で、新鮮な曲の魅力を提示した森本隼太さん。イタリア・ローマでの留学生活も半年を過ぎ、現地の芸術文化に触れて急成長中の17歳。京都出身ということもあり、関西各地から多くの応援団が来場していました。
ひたむきで純度の高いショパンを紡いだ尾城杏奈さん。今秋からはフランスへ留学が決まっています。日本の生活もあとわずか、生まれが大阪府・吹田市ということで、祖父母や親戚、友人なども大勢かけつけてくださいました。
鮮やかで上質な技巧と推進力溢れる音楽で大曲を弾き切った亀井聖矢さん。全国でオーケストラとの共演など多忙な中、様々な挑戦を続けています。この日は関東からも多くのファンが来場していました。
指揮の藤岡幸夫氏は、東京でのピアノリハーサルから本番に至るまで、大変熱心に若者たちを導いてくださいました。楽譜の読み込み、オーケストラとどう向き合うか、共演者同士にしか分からない貴重なアドヴァイスを惜しげもなく与えてくださいました。
オーケストラの団員の皆様方が終演後にも温かい言葉をかけてくださっていました。
またコンサート全般に亘ってパートナーを務めたピアノは、ホール所有のヤマハCFX。ショパン国際コンクール等でも活躍する重鎮の調律師、片岡昌彦さんが3つの協奏曲ソリストを支えてくださいました。
緊張の為思い描いていたものが表現し切れなかった所も多々ありますが、藤岡先生と関西フィルハーモニーの皆様の温かさと情熱に支えられ、今後の音楽人生の糧となる素晴らしい経験をさせて頂きました。
- 成長著しい若手の皆さんの素晴らしい演奏、堪能しました。藤岡マエストロと関西フィルの長年の信頼感あるハーモニーがあってこそのコンチェルトだと感じました。
- 若い演奏達の音楽に対する情熱が感じられ、本当に素敵な時間を過ごせました。ありがとうございます。また、今後も楽しみにしております。
- お三人とも魅力あふれた演奏を聴かせていただき、ありがとうございました。リストの1番しびれました。きらきらしたショパンの1番、圧倒的なラフ3、感動しました。すごいコンサートでした。