丸の内ミュージックフェス 開催レポート vol.11
8日間に亘って音楽で街を彩った丸の内ミュージックフェスも最終日。開催レポートも最終回です。丸ビルマルキューブには人気・実力ともに第一線で活躍中の若手アーティストが大集合、華やかなステージとなりました。新丸ビルアトリウムでは、みなさんお馴染みのポップスアレンジ曲も多く演奏され、聴いたことのあるメロディーに多くの方が足を止めていました。幅広いジャンルで、偶然の音楽の出会いを創出する、丸の内ミュージックフェスらしい「Open Piano Project」となりました。
最前列に子どもたちが着席した学校クラスコンサート in 丸の内には、ヴァイオリンの髙木凜々子さん、ピアノの五十嵐薫子さんが登場し、ヴァイオリンの名曲をたっぷり聴かせてくださいました。ヘンデルのソナタ、クライスラーの小品、フランクのソナタといった、まさにクラシック王道の作品がつまった大人のプログラムにもかかわらず、「とても明るく弾いている方も聴いている方もウキウキする曲」「愛する人を思い浮かべながら聴いてください」「ピアノとヴァイオリンが”追いかけっこ”をします」と、短くも的確なワンポイントの説明のおかげで、子どもたちも真剣な表情で集中して聴いていました。
ソロばかりでなく室内楽でも名手の6月に二人でリサイタルも予定されている2人。最後に「本日使用している楽器は、1702年製のストラディヴァリウスです(!)」と披露され、お客様もびっくり。マルキューブに響く名器の音色をあらためて噛みしめながら、最後の曲に会場中が耳を傾け、余韻の残る素晴らしいコンサートとなりました。
プログラム
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調Op.1
クライスラー:愛の悲しみ
クライスラー:愛の喜び
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調より第4楽章
アザラシヴィリ:ノクターン
マルキューブの最終枠は、ピアノDEトラベルⅠ・Ⅱと題して、須藤千晴さん・小林侑奈さん、大貫夏奈さん、小塩真愛さん、三上結衣さんの5名のピアニストが登場しました。
「ピアノDEトラベル」は、全世界が未知のウィルスにより気軽に旅行が出来なくなっている中で、世界各地の土地の魅力を少しでも届けたい、と、内外のピアニストたちが自身が住む土地を撮影し、生演奏とともにお届けする企画。統一テーマとして選んだ作品は、田中カレン:子どものためのピアノ曲集「地球」。世界各国の景色とともに、ひたむきに、祈りをこめて演奏する若手ピアニストたちの姿に、マルキューブに集まった聴衆みなが耳を傾け、争いや憂いのない世界への思いを音楽の響きとともに共有する時間となりました。(著作の関係でアーカイブ配信はありません。ダイジェスト動画のみ公開中。)
プログラム
大貫夏奈(p)
田中カレン:「海」(「地球」第1番)
グラナドス:詩的なワルツ集より抜粋
小林侑奈(p)
田中カレン:「光」(「地球」第13番)
ドヴォルザーク:聖なる山にて Op.85-13(「詩的な音画」より)
ロッシーニ:オッフェンバック風小カプリース
須藤千晴(p)
田中カレン:「大地」(「地球」第9番)
ガーシュウィン:3つの前奏曲
◆part 2
三上結衣(p)
田中カレン:「風力エネルギー」(「地球」第7番)
グリーグ:故郷にて Op.43-3(「抒情小品集」第3集より)
小塩真愛(p)
田中カレン:「生命の水」(「地球」第10番)
リチャード・ロジャース:My Favorite Things(「サウンド・オブ・ミュージック」より)
モーツァルト(ファジル・サイ編):トルコ行進曲
須藤千晴(p)
田中カレン:「大地」(「地球」第9番)
ガーシュウィン:3つの前奏曲より第1曲
須藤千晴:カメリア
(動画:黒田亜樹Milano、保屋野美和Berlin、越加奈恵NY)
小鳥のさえずりのようなかわいらしい音色のオカリナと華やかで明るく澄んだ音色のフルートによるコンサートでした。ドイツ民謡の「ちょうちょ」やベートーヴェンの「喜びの歌」、ジュピター組曲「惑星」などの馴染みやすい作品を、門田裕美さんによるジャズ風アレンジでみなさまにお届けしました。会場には小さなお子様が多くいらっしゃり、癒しの時間がもたらされました。
プログラム
「喜びの歌」〜Daiq〜(作曲:ベートーヴェン 編曲:門田裕美)
アヴェ・マリア(作曲:カッチーニ)
ちょうちょ(ドイツ民謡 編曲:門田裕美)
ことり達のパレード(作曲:西村菜美)
情熱大陸(作曲:葉加瀬太郎)
いのちの歌(作曲:村松崇継 編曲:内田美雪)
東京音楽大学出身の3人によるピアノ3重奏。「クラシックとポップスの融合」をテーマに、小さいお子様から大人の方まで幅広い世代の方々が楽しめるコンサートとなりました。クラシックからは、ヴェルディの「乾杯の歌」やエルガーの「愛の挨拶」、ポップスからは中島みゆき「糸」や一青窈「ハナミズキ」などが演奏されました。ピアノ、バイオリン、チェロによって奏でられた作品には豊かな響きが加わり、会場は温かい雰囲気に包まれました。
プログラム
一青窈:ハナミズキ(作曲:マシコタツロウ)
愛の挨拶(作曲:エルガー)
オペラ『椿姫』より「乾杯の歌」(作曲:ヴェルディ)
ピアノ三重奏曲第25番 ト長調 「ジプシー・トリオ」 Hob.XV:25 第1楽章(作曲:ハイドン)
ニュー・シネマ・パラダイス(作曲:エンニオ・モリコーネ)
リベルタンゴ(作曲:ピアソラ)
より多くの人が、ピアノにワクワクできる。
知らなかったピアノの魅力を再発見する。
ピアノの可能性をもっと広げていくための新たな取り組みが始まります。