丸の内ミュージックフェス 開催レポート vol.8
晴天の続くGW。丸の内ミュージックフェスエリアコンサートの中日には、どの会場も多くのお客さんが詰めかけました。コンチェルト、コントラバス、歌、とクラシックを中心にバラエティ豊かな東京TOKIA会場、子どもたちのポピュラー曲演奏や木管五重奏がさわやかな風に広がるTokyo Torch Parkからのレポートをお届けします。
司会:岩山有子
公募キッズステージの子どもたちが、たくさんのお客様を前に大好きな曲を選んで演奏しました。少々緊張気味ながらも、「ピアノは他の楽器だとあまり出せない音が出せることが好きです」「プールとチアガールも頑張っています」「お姉ちゃんの好きなジャニーズの曲を選びました」と、演奏もトークもしっかりと頑張っていました。トリは、3歳で出会ってから切磋琢磨する同級生デュオ。お互いのスゴイなと思うところを「物おじしないところ・ポジティブなところ!」「真面目でおもしろいところ!」と照れながらも褒め合いました。すると、サプライズで次のステージで演奏する尾城杏奈さんが登場!エルガー「愛の挨拶」の演奏をプレゼントし、子どもたちと一緒に拍手喝采のカーテンコールにも出てくださいました。
プログラム
ラモー:リゴドン/三善晃:海のゆりかご(演奏:柿澤 朱里)
SixTONES:共鳴(演奏:村上 丞)
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」よりトレパーク(連弾:五十嵐心太・下坪大悟)
※サプライズ演奏※エルガー:愛の挨拶(演奏:尾城杏奈)
真紅のステージ衣裳で登場した尾城杏奈さん。ミモザ弦楽四重奏団の演奏をバックに、ショパン「ピアノ協奏曲第1番(室内楽版)」全楽章を演奏しました。会場は後方まで多くのお客様が詰めかけ、30分以上の演奏ながらずっと耳を傾けていました。会場のShigeru Kawaiのピアノから煌めくような音色を引き出し、TOKIAの会場全体がショパンの美しい世界に惹き込まれました。大絶賛の演奏には、長い長い拍手が続き、何度もステージに登場して、喝采を浴びていました。
プログラム
普段はオーケストラやアンサンブルで低弦を担当するコントラバスの、何と「ソロ・コンサート」!学生時代は最初のレッスンで「まずは免許を取りにいきなさい(=移動ができないとお仕事にならないから)」と先生から言われたお話や、飛行機での移動の苦労など、興味深いエピソードをお話くださいました。この日は、リリースしたばかりのCD「イストワール Histoire」より、カルメン・ファンタジー、ピアソラ作品など、高度な技巧、深く重厚な低弦の響き、コントラバスの楽器の魅力満載の演奏を披露してくださいました。コントラバスの髙橋洋太さんとピアノ高田有莉子さんは実はご夫妻での共演。コントラバスは「赤ちゃんがお母さんのお腹の中で聴いた音域に一番近く、聴かせると赤ちゃんはよく眠る」と言われ、試してみたエピソードなど、楽しいお話と演奏によるコンサートとなりました。(著作権の関係でアーカイブ配信は後日ご紹介します)
プログラム
ザビエル・フォリー: Tuesday
アストル・ピアソラ: アヴェマリア
アストル・ピアソラ: リベルタンゴ
オ・ソーレ・ミオをバックにステージに登場したのは、ドイツ・フライブルク歌劇場で専属ソリストとしても活躍した国際的オペラ歌手、西岡慎介さん。イタリアのカンツォーネ、オペラのアリアを明るく柔らかい声で届けてくださいました。この日は有名どころをぎゅっと詰め込み、日本歌曲やR.シュトラウスのドイツ歌曲も披露。そして最後はフィギアスケートやCMでも有名になった『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」の迫力ある歌声に、まさに東京TOKIAがオペラ劇場と化しました。7月に行われる東京二期会オペラ劇場『パルジファル』のキャスト(第1の聖杯の騎士役)にも選ばれている西岡さん。アンコールに応えて、ドイツ語圏では「テノールならこの曲!」というレハール:オペレッタ「微笑みの国」から「君こそ我が心のすべて」を披露し、美しい歌声に会場全体が酔いしれる圧巻のステージとなりました。
プログラム
ヴェルディ:『リゴレット』より「女心のうた」
岡本敏明:「風に乗る」 (竹友藻風作詞)
R.シュトラウス:「ひそやかな誘い」
プッチーニ:『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」
五月晴れの空の下、この日最初のステージではポピュラー曲のピアノアレンジを主な課題曲とした「クリスタルPianoコンクール」の入賞者8組による演奏が繰り広げられました。「勇気100%」や「ルパン三世のテーマ」「感電」のような軽快なノリのよい曲から、「虹」「カイト」「竈門炭治郎の歌」のようなしっとりと聴かせる曲まで、屋外のステージにぴったりの演奏が、道行く人の足を止めました。最後には中学生同士のチェロとピアノによる「情熱大陸」、親子デュオにカホンなどパーカッションを加えた迫力の「千本桜」のアンサンブルで、会場も手拍子で大いに盛り上がりました。
プログラム
エロイカ木管五重奏団はこの日、3会場を巡っての公演。3公演目にあたるTorch会場でも、演奏とトークは安定の人気ぶりでお客さんを惹きつけ、屋外の会場ではどんどん聴衆が増えていきました。恒例の楽器紹介や、「新旧(?)ドラえもんメドレー」でのセリフまで、笑いが絶えません。お昼の公演からついて来てくれているお子さんファンもできました。「指揮者体験」では4歳と5歳の女の子が挑戦してくれました。「ラデツキー行進曲」が、ゆっくりと手なずけるように振る手に合わせておしとやかになったり、軽快になったり。会場の観客も、思わず指揮に合わせて身体を揺らしながら見守る、温かい雰囲気がTOKYO TORCH Parkを包みました。
プログラム
指揮者体験コーナー「君も指揮者だ!」
J・シュトラウス:ラデツキー行進曲
ビゼー:歌劇「カルメン」より前奏曲
ベートーヴェン:「運命」より
より多くの人が、ピアノにワクワクできる。
知らなかったピアノの魅力を再発見する。
ピアノの可能性をもっと広げていくための新たな取り組みが始まります。