丸の内ミュージックフェス 開催レポート vol.9

丸の内ミュージックフェス
丸の内ミュージックフェス エリアコンサート
開催レポート vol.9

晴天に恵まれたGW、明るい陽光の降り注ぐ丸ビル・新丸ビルには、この日も多くのお客様が詰めかけました。クラシックのみならず、ポップス・ジャズアレンジ分野など、双方からのチャレンジ的な取り組みが行われました。木管五重奏団、弦楽五重奏団による大きな編成のステージもあり、見どころ聴きどころ満載の1日となりました。

丸の内ミュージックフェス エリアコンサート トップ

写真撮影:春日知明
5/4(水・祝)
丸ビル1Fマルキューブ
司会:飯田有抄
11:30~12:00
オーディション受賞者
出演:川﨑乃暖(P):クリスタルpianoコンクール クリスタル大賞、
池内堯(p):八潮市新人オーディション最優秀賞
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オーディション受賞者コーナーにはピティナ提携コンクールより2名の優勝者たちが登場しました。アレンジ作品の啓蒙・普及に寄与する「クリスタルPianoコンクール」からは、クリスタル大賞・川崎乃暖さんが、愛をテーマにした「ニューシネマパラダイス」のテーマとガーシュウィンの「7つの超絶技巧練習曲」(ワイルド編)、いずれも自身にとって大切な作品を心を込めて演奏しました。「八潮市新人オーディション」からは、最優秀賞の池内堯さんが登場。ドビュッシーの織りなす色彩を重ね合わせて音響空間を形作り、また陰影を丁寧に描いたシューベルトで会場を魅了しました。若くフレッシュなアーティストたちの清々しい演奏でこの日の幕を開けました。(映像は一部掲載)

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プログラム
◆川﨑乃暖
ニュー・シネマ・パラダイス 愛のテーマ
ガーシュウィン=ワイルド編:7つの超絶技巧練習曲より
"The man I love"、"Embraceable you"
◆池内堯
ドビュッシー : 映像第2集より「葉末を渡る鐘の音」
シューベルト :4つの即興曲 Op.142, D 935より第2番
13:00~13:30
純クラシック×ポップス・ジャズアレンジ
出演:菊地裕介(p)
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ベートーヴェンのソナタ全曲演奏などの活動でクラシック界を代表するピアニストの菊地裕介さんが、今回はポピュラーな作品をアレンジ楽譜に基づいてクラシックのアプローチから演奏しました。「最近YouTubeをよく見るのですが、人気の曲でも知らない作品がたくさんあることに気づいて・・。そんなとき、妻から勧められたのが「王様のピアノ」という楽譜。アレンジも素晴らしく、充実した内容で、練習したくなりました(笑)。個人のアレンジの演奏ではなく、世に出ている、どなたでも手に取ってもらえる楽譜に基づいて、そのままに演奏します!」クラシック演奏家が楽譜に忠実に、真剣勝負で取り組む、日本の歌、映画音楽、ポップス、ジャズバージョン等々でお届けしました。(映像は一部掲載)

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プログラム
「王様のピアノ」より
朧月夜
愛を奏でて(「海の上のピアニスト」より)
シェルブールの雨傘 赤とんぼ Jazz ver.
いい日旅立ち
ルパン三世のテーマ
14:30~15:00
エロイカ木管五重奏団
出演:斎藤光晴(fl)神農広樹(ob)大成雅志(cl)井上直哉(fg)大森啓史(hr)
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この日2回目の本番となるエロイカ木管五重奏団が、丸ビル1Fマルキューブに登場しました。丸の内エリアコンサートには2005年より最多出場、演奏者たちも丸の内を「回遊する」という人気集団です。新企画の指揮者体験コーナーには、待ち構えていた子どもたちが、我こそはと立候補。ユーモア溢れるトークと素晴らしいソロ演奏の恒例の楽器紹介コーナー、そして、本格的な木管アンサンブルの演奏で聴かせるイベールの小品やカルメン・ファンタジー、さらにはホルンが歌う!?見事なアンコールと、この回もたいへんな盛り上がりで締めくくられました。(映像は一部掲載)

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プログラム
イベール:3つの小品より第1曲
楽器紹介コーナー
指揮者体験コーナー「君も指揮者だ!」(ラデツキー行進曲)
ビゼー:カルメン・ファンタジー
J・シュトラウス:エジプト行進曲)
16:00~16:30
学校クラスコンサートin丸の内
出演:海野幹雄(vc)海野春絵(p)
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チェロの海野幹雄さん・ピアノの海野春絵さんは、目の前で身近に感じてもらえる学校クラスコンサートを全国の学校の音楽室で展開しています。今回は、”大きな音楽室”となった学校クラスコンサートin 丸の内バージョン!楽器の歴史や音が出る仕組み、構造についてたいへん分かりやすいトークで説明されました。言葉の投げかけも絶妙で子どもたちがすっかり引き込まれ、「どうやって音を伸ばしているの?」「上についている黒いものは何?」などと質問もたくさん飛び出しました。バッハの無伴奏チェロ曲、サンサーンスの「白鳥」といったチェロの名曲では「人の声に近い」と言われるチェロの音の響きの違い、音程の違いを、「声」と比べてコンパクトに説明。ピアノの鍵盤楽器の特徴の説明に続き、最後はポッパー「ハンガリー狂詩曲」で鮮やかに締めくくりました。

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プログラム
~チェロとピアノ~
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番
サン= サーンス:白鳥
モーツァルト:トルコ行進曲
ポッパー:ハンガリー狂詩曲
18:00~18:30
ピアノ協奏曲(室内楽版)モーツァルト
出演:亀井聖矢(p)、ミモザ弦楽四重奏団&髙橋洋太(cb)
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オーケストラとの共演など全国でも大忙しの亀井聖矢さん(2018特級グランプリ)が、丸ビル1Fマルキューブのステージに登場しました。モーツァルトのピアノ協奏曲第19番を弦楽四重奏+コントラバスの室内楽版で全楽章を演奏。華やかな第1楽章、悲しげな旋律が美しい第2楽章、そして快活で躍動感あふれる第3楽章と、若々しくフレッシュなアプローチでお届けしました。亀井さんは普段のホールの環境とは違う空間、5名の室内楽というより親密な関係でつくる音楽、それらの新鮮な雰囲気を楽しんで演奏されたとのこと。次は小編成オーケストラを弾き振り(指揮とピアノ!)を予定していることも発表されました。様々な挑戦を続ける20歳に温かな拍手が贈られました。(第2・3楽章の映像抜粋)

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プログラム
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459
新丸ビル3Fアトリウム
12:30~13:00
エロイカ木管五重奏団
出演:斎藤光晴(fl)神農広樹(ob) 大成雅志(cl)井上直哉(fg)大森啓史(hr)
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多くの固定ファンをもつエロイカ木管五重奏団のこの日1回目の公演は新丸ビルのアトリウムから。「コロナ禍での無観客開催を経て、ようやく3年ぶりにここに帰ってきました!」と温かい拍手に包まれました。おめでたいニュースとして、日本フィルの正団員になったフルート斎藤さん、新日本フィルの首席奏者に就任したオーボエの神農さん、お子さんが誕生されたばかりのクラリネットの大成さん等、近況報告もありました。今年の新企画「君も指揮者だ!」指揮者体験コーナーでは、お客様が指揮者体験!この日は、エロイカ木管五重奏団は、新丸ビル→マルキューブ→Torchと3公演に出演します。じゃんけんで決まる、それぞれの名(迷?)司会も見どころの一つ。演奏者とお客様が一緒に回遊するという恒例の風景が戻ってきました。

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プログラム
ビゼー:歌劇「カルメン」より前奏曲
指揮者体験コーナー「君も指揮者だ!」(ラデッキー行進曲/歌劇「カルメン」より前奏曲)
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第8番
J・シュトラウス:ラデツキー行進曲
15:30~16:00
ミモザ弦楽四重奏団
出演:前田奈緒(vn)高橋渚(vn)高橋梓(va)印田陽介(vc)
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新丸ビルアトリウムには、第1ヴァイオリンの前田奈緒さん、第2ヴァイオリンの高橋渚さん、ヴィオラの高橋梓さん、チェロの印田陽介さんの4名のメンバーで構成する、ミモザ弦楽四重奏団が登場しました。弦楽四重奏における楽器のそれぞれの役割を、チェロ→ヴィオラ→第1ヴァイオリン→第2ヴァイオリンを重ねていって説明、「春の小川」の全貌が浮かび上がってきました!春をうたった日本の童謡と、ヴィヴァルディの『四季』より「春」をメドレーにして演奏。カルテットの名前、ミモザ=春を告げる花、にふさわしく、春を彩る室内楽の響きに会場中が包まれました。弦楽四重奏の重要な作曲家、ハイドン、ベートーヴェンの作品を演奏し、多くの室内楽ファンも楽しませていました。

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プログラム
楽器紹介(春の小川)
ヴィヴァルディ・弘田竜太郎・岡野貞一・文部省唱歌/中島雅彦編:春のメドレー
ハイドン:弦楽四重奏曲第1番「狩」より第1楽章
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番「挨拶」より第4楽章
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より多くの人が、ピアノにワクワクできる。
知らなかったピアノの魅力を再発見する。

ピアノの可能性をもっと広げていくための新たな取り組みが始まります。

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