第45回コンペ 入賞者記念コンサート 出演者インタビュー 佐々木実紅さん
- ショパン:ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作
昨年に左腕を骨折し、なかなか思うように練習ができなかったと思います。両手で弾けなかった期間も含めてピアノやコンペ出場に対してどのような事を考えたりされたのでしょうか。
左腕を複雑骨折したときに、真っ先に頭に浮かんだのは「ピアノが弾けなくなる」「舞台に立てなくなる」ということでした。緊急手術を受けたので数日間入院していましたが、退院して自宅に帰った時、すぐ向かったのはピアノの部屋でした。左肩から左腕、左手首までギブスをしたままでしたが「右手は動くんだ」という前向きな気持ちになれたのをはっきり覚えています。「しばらく舞台には立てなくても右手だけでピアノが弾ける」という明るい気持ちで半年間を過ごしました。
宮入友子先生は、退院直後からオンラインレッスンをしてくださいました。「実紅ちゃん、骨折が治るまで、この時期にしかできないことを先生と一緒にたくさんしようね。」と言ってくださったおかげで、私は本当に嬉しかったしピアノが楽しくてたまりませんでした。宮入友子先生は、右手のレッスンはもちろんのこと、曲のお話、譜読みのレッスン、ソフェージュのレッスンも丁寧にしてくださいました。
コンペ出場に対しては「しっかり治ってから出よう」とゆっくりと考えていたので、まさか今回のコンペに間に合うとは思っていなかったです。リハビリも兼ねてチャレンジの気持ちでコンペに向き合ってきました。半年ぶりに舞台に立ってみて「やっぱり舞台は楽しい」と心から思いました。
全国大会を「憧れの舞台」とお話しされていますが、本番はどのようなことを考えて演奏されていたのでしょうか。
大好きな 4 曲を通して演奏できる喜びを感じて演奏していました。時代によって作曲家の考えたイメージも違うので、それぞれの時代の特徴を演奏で表現できるよう、また、聴いてくださった方が楽しんでくださるように心を込めて弾きました。
全国大会の舞台では、舞台に立てることが嬉しくて「コンサートで弾いているような気持ち」で弾きました。
思い出のレッスンはありますか。
宮入友子先生のレッスンは、毎回思い出のレッスンです。宮入先生は音楽の流れをつくるときに私の近くでいつも指揮をしてくださいます。宮入先生がつくってくださる音楽の流れが私は大好きです。
それから、特に音色を追求していくレッスンが楽しいです。宮入先生に音色のことを教えていただくと、自分の音を良く聴くようになるので励みになります。
今年度のコンペティションの思い出を聞かせてください。
一番の思い出は全国大会で4曲通して弾くことができたことです。また、大好きな宮入先生が、全国大会本番の演奏を客席で聴いてくださったことです。宮入先生に感謝の気持ちでいっぱいでした。
いつか弾いてみたい憧れの1曲はありますか。
「ショパンピアノ協奏曲第2番」です。
私はショパンが大好きです。第 44 回(2020 年)ピティナ特級ファイナルの山縣美季さんの素敵な演奏を聴いて憧れを抱き「私もいつかショパンピアノコンチェルト第 2 番を演奏してみたいな」と強く思いました。時間があれば、山縣美季さんの演奏を聴きながら机の上で私もなりきって、美季さんに合わせて演奏していました。第2番は特に2楽章が好きで、私が3年生の時から憧れの曲です。
最近のマイブームは何ですか。
中学生の兄と一緒に、駅伝や大相撲をテレビで観戦して楽しむことです。
私は小学2年生まで、兄と一緒に水泳の選手育成コースに通っていました。だから、もともとスポーツが好きでスポーツ観戦は何でも夢中になります。兄もスポーツ観戦が趣味で私ととても気が合うので、いつも兄と一緒にスポーツ観戦をしています。