第45回コンペ 入賞者記念コンサート 出演者インタビュー 岡本志乃さん

第45回ピティナ・ピアノコンペティション
入賞者記念コンサート
出演者インタビュー
顔写真
1. 岡本 志乃[C級 金賞]
  • ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66

曲のイメージを描いて演奏するために、本田先生が面白い歌詞を付けたりお話しを作ってくれるということですが、特に印象に残っているものはありますか。

2020年B級の近現代の課題曲だった「試練」です。私の他にも本田門下の何人かの生徒さんがこの曲をコンペで弾きました。リズムがところどころ難しくてはじめは上手に弾けなかったけれど、本田先生が一度聞いたら忘れられないぐらいおかしくて、ビックリするぐらいリズムにぴったりの歌詞を考えてつけてくれたので本田門下の生徒はみんなこの曲をとっても上手に弾くことができるようになりました。歌詞はこんな感じです。 ♪(歌詞のスタートは右手から)焦げたパン食べてみて ほらね 苦い苦いイヤ 苦い苦いイヤ 焦げた肉食べてみて ほらね 固い固いイヤ 固い固いイヤ なんでーいやだー アイムショックー チキンラーメン 3分 3分 3分 3分 ~(と続きます)♪ たぶん、一生忘れられない曲と歌詞だと思います。本田先生、大好きです。

本田先生から教えて頂いた練習法で上達されたとのことですが、日々のレッスンや練習で心がけていることはありますか。

A練習とB練習をバランスよく練習することです。本田門下ではA練習は「テクニック」、B練習は「表現」と言うことがあります。コンペの日が迫ってくると気持ちが焦って、どうしてもどちらかの練習に偏ってしまうことがありました。いまはA練習とB練習、ちゃんと両方できているかな?と1日の練習の締めくくりに確認しています。

ピアノの実践練習以外によりよい演奏にするために行っていることがあれば教えてください。

色々な楽器の音楽を聴くことです。 小さいときはお母さんが「ズーラシアンフィルハーモニー管弦楽団」の演奏会に連れて行ってくれました。子ども向けの楽団の生演奏で、動物の被り物をした演奏者が楽器の紹介やその楽器の音をだして聴かせてくれたり、子どもでも楽しめる曲を演奏してくれます。いろんな楽器の音が1つの曲になることにびっくりしたし、とても楽しかったです。今回コンペで弾いた課題曲ディアベリのソナチネでは「ここの左手はチェロがボンッボンッボンッって出てくる感じで弾こう」とか、ピアノの演奏だけど、部分的に他の楽器をイメージしていました。 最近は宝塚歌劇を観に行きました。舞台だけど生演奏でたくさんの楽器の音がホール中に響いてワクワクしました。映画やドラマと違って、舞台は場面が変わるときに“つなぎの音楽”が聞こえる中で舞台がクルリと回って雰囲気が変わります。ピアノでは1曲のなかで転調することもあるので、舞台で場面が変わるみたいに雰囲気を変えて弾けたらいいなと思いました。 ピアノの練習と勉強でなかなか時間がとれないけれど、これからもいろいろな楽器の生の演奏を聴いてみたいです。

入賞者コンサートでの演奏曲について教えてください。

本田門下のとってもピアノが上手で素敵なお姉さま先輩たちがこの曲を弾いているのを小学校低学年のころから弾き合い会などで何度も聴いてきました。音がキラキラしていてメロディにドキドキして迫力があって、この曲が大好きになりました。先輩と同じ歳になったら私も絶対に弾く!と決めていた憧れの曲です。私が弾く幻想即興曲を聴いてもらって、私より年下の本田門下の生徒さんや他の小さな子たちに、あのころの私と同じように「素敵な曲だな、いつか弾きたいな」と思ってもらえるよう、大事に想いを込めて弾きたいと思っています。

思い出のレッスンはありますか。

保育園 年長のときに入賞者記念コンサートに出ました。その時に弾いた曲の最後が難しくて、左右で交互に合計16回鍵盤を弾くのですが、小さかったのでまだ早く数を数えられず、何度弾いても14回になったり、18回になったり。そのときレッスンで本田先生が「志乃ちゃんは、たこ焼きは好き?焼きそばも好き?」と聞かれて「うん、大好き」と答えたら「じゃあ、ここを弾くときは“たこ焼き 焼きそば たこ焼き 焼きそば”って言いながら弾いてね」と言われました。そうすると、ちゃんと16回鍵盤を弾くことができて、大好きな“たこ焼きと焼きそば”に私のテンションもあがり、とても上手に弾くことができました。あのとき、本田先生って魔法使いかな?と思いました。今でも譜読みのときに4連符が出てくると、自然と「たこ焼き 焼きそば」と唱えてしまいます(笑)

今年度の コンペティションの思い出をお聞かせください。

全国決勝大会の数日前に、リズム練習を1日で6110回したことです。6110回はピアノが上手な人には特別多い回数ではないのだろうなぁと思うけれど、私にとっては休まず6110回リズム練習をするのは本当に大変で涙が出てきました。つらかったけど、今回は金賞というご褒美をいただけて、頑張ってよかったと思いました。

ピティナのコンペに出場されたきっかけは何だったのでしょうか。

はじめて出場したのは保育園 年中のときです。本田先生が「春になったら、本田門下では出場する、しないは関係なく練習として課題曲を弾いてみることになっているからね」と言われ、練習しているうちに「せっかくなら出てみようか」となったそうです。その年の成績は本選第二位だったけれど参加人数の関係なのか全国大会(A2は入賞者コンサート)へ出られたのは第一位の子だけ。私はもらったトロフィーを抱えて、自分が一番じゃなかったことと、次へ進めないことを知って本選会場で大泣きしたそうです。はじまりはここから。あの大泣きした年から毎年ピティナのコンペにチャレンジしてきました。

いつか弾いてみたい、憧れの一曲はありますか。

スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31 (ショパン)です。弾き合い会で本田門下の先輩が弾いているのを聴かせてもらって憧れの一曲になりました。聴いていると空や海の風景が次々と浮かんでくるようなメロディや、いろんな楽器で演奏しているような音の重なりやつながりが大好きです。この曲を弾くのが今の私の目標の一つになっています。

ご自身の長所・短所(伸ばしたいところ)をどう捉えていますか。

長所は、1曲演奏するときに、その曲のフレーズごとに色をつけたりお話をつけて表現しようとするところだと思います。私にとってそれが一番楽しい時間だからです。短所は、演奏中に曲に入り込みすぎてしまうことがある点です。あるコンクールで演奏中に一瞬あたまの中が真っ白になって演奏が2~3秒ほど止まってしまったことがあります。本当にくやしかった。本田先生には「曲に入り込んだとしても、頭の片隅に冷静な自分がいて演奏を聴いていようね」と教えてもらいました。 演奏が止まったのは2~3秒だったけど、客席で聴いてくれていた本田先生と舞台袖で聴いていたお母さんは無音の2~3秒がとても長く感じて倒れそうになったそうです(笑)

学業と練習はどのように両立していますか。

両立は難しいです。平日は学校から帰ったら夜までピアノの練習。早朝に起きて学校へ行く前に宿題などをしています。通信教育の教材とお母さんが本屋さんで買ってくる問題集を解いて、わからないところはお父さんが休みの日に教えてくれます。勉強しているつもりでも、学校のテストで思うような点数が取れない日もあります。みんな、ピアノと勉強、何をどうしているのか・・・、教えてほしいです!

ピアノを弾いていて良かった、と思う瞬間はどんな時ですか。

自分に自信を持てるようになったことです。すぐに期待するような結果がでなくても「もっと頑張れる。だから大丈夫。」と思えるようになりました。コンペでは今までたくさん悔しい思いもしてきたし、嬉しいこともありました。悔しいときはあきらめずに次を頑張ってきたし、嬉しいときは「頑張ってよかった」と自分を褒めてあげることができるようになりました。ピアノは私の心のたくさんを占めている大事なものです。これからもずっと弾いていきたいです。

この舞台を経て、10年後、あなたはどんな人になっていると思いますか。また、どんな人になっていたいと思いますか。

10年後、私は21歳です。大好きなピアノはずっと続けて弾いていると思います。私の演奏をたくさんの人に聴いてもらって、特に小さな子どもたちには「ピアノを弾けるようになりたいな」「同じ曲を弾いてみたいな」と思ってもらえるような演奏ができる人になっていたいです。

チケットお申込み<各部>

一般 3,500円/ピティナ会員・学生 3,000円

  • チケットはe+のみの取り扱い。
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