レポ:11/28,29 上毛町立南吉富小・友枝小(デュエットゥpf・平田里子sp)

会場:体育館
参加人数:
南吉富小学校 全校生徒 198名/友枝小学校 全校生徒 87名
出演:デュエットゥ(木内佳苗&大嶋有加里/ピアノ)・平田里子(ソプラノ)
前日までに続いて、11/28と29には福岡県上毛町立立南吉富小学校と上毛町立友枝小学校で初の学校クラスコンサートが開催されました。演奏はデュエットゥと平田里子さん。前日までのみやこ町の中学校に続けての滞在となりました。南吉富小では低学年と高学年2回に分けて、友枝小では全学年が体育館に集っての鑑賞となりました。

「きっとみんな知ってる曲だよ!」と投げかけてからデュエットゥが演奏した『天国と地獄』に小学生たちは「知ってる!」と色めき立ちます。「どこで聴いたかな?」と聞くと、「YouTube!運動会!放送!」と色々なところで聴いたことがある様子。「みんながこんなに身近で何気なく聴いたことがあるこの曲も、実は130年も前に作られたクラシック音楽の一つなんです」と伝えると「ええーっ?」とびっくり。続いての『クシコスポスト』も運動会でよく聴く曲。「郵便馬車」と言う意味で、馬が軽快に走るリズムを表していると言うように、子どもたちも思わず体を揺らしながら聴いていました。

木内さんは、2人の出会いについてもお話しました。「私たちが出会ったのは実は5歳の時なんです。あるピアノの発表会に聴きに行った時に弾いていたのが、ゆかりさんだったんです。私はとても憧れて、あの子と同じ教室に通って、ピアノを弾きたい!とお母さんにお願いしました」と話すと、自分たちよりもさらに小さい頃からの縁に子どもたちは驚いていました。続けて大嶋さんが、「私は小学1年生の頃からピアニストになりたい、という夢を持っていました。でも大学1年の時に左手の1本の指が動かなくなってしまって、もうピアニストの夢は諦めないといけないかと悩みました。そんな時に、かなえさんが、2人で一緒にピアノを弾こうって言ってくれて、また夢を追い続けることができました。みんなも、夢持ってるかな?」と話すと、「はーい!」とたくさんの声があがります。「みんなも、途中でうまくいかないことがあっても、絶対にかなうと思って、あきらめないでね!」と語りかけました。

そして小学生もみんな知っている『ねこふんじゃった』を少し弾き、「これからこれをノリノリのロックンロールパーティにしたいと思います!」と、『ネコのロックンロールパーティ』を連弾で演奏すると、みんな目を輝かせてノリノリで聴いていました。

ソプラノの平田里子さんが最初に歌うのは、『フニクリ・フニクラ』。「『おにのパンツ』じゃなくて、実はイタリアの曲だったんですよ」と話すと、意外な組み合わせにびっくり。「イタリアのベスビオ火山に登山列車があったのですが、全然人気がなくて乗る人がいなかったんです。そこで、今でいうCMソングを作ろうということで、できたのがこの曲で、世界で最も古いCMソングとも言われています。ヤンモ・ヤンモと呪文のようなところは、「行こう、行こう、火の山へ」と言っているんですよ。」と言って、その部分が来たらみんなにも手拍子で参加してもらうことにしました。平田さんの楽し気で伸びやかな歌にあわせて、元気な手拍子が響きました。

次にはうって変わってしっとりと、ジブリの『天空の城ラピュタ』から「君をのせて」。平田さんの好きな曲だそうです。
連弾に戻り、ベートーヴェンの『運命』。有名な「ジャジャジャジャーン!」は何の音?というクイズを通して、耳が聞こえなくなったベートーヴェンが運命の扉を開いていくお話をし、そして1楽章を1分半の連弾バージョンにアレンジして聴かせてくれました。

続いてモンティの『チャルダッシュ』では、鍵盤ハーモニカを吹く木内さんが子どもたちの間を練り歩きながら演奏。一人一人と目を合わせながら、時々目の前に座って吹くと、みんな大喜びで、ずっと目で追っていました。途中からステージへ上がって激しい連弾に。終わった途端に子どもたちから「ブラボー!」の声がたくさん上がり、演奏者からも笑みがこぼれました。
「最後に一緒に歌いましょう!」と平田さんが声をかけると子どもたちは「やったー!」と手をあげて立ち上がり、元気に歌の共演をしてくれました。

コンサートを通して、生の演奏だからこそ感じることができる感動を体験することができ、改めて音楽の素晴らしさを感じました。児童の聴いたことがある曲を含め、楽しむことのできる内容でした。鍵盤が見えるようにピアノを配置してくれたり、児童にとって身近な鍵盤ハーモニカを使って演奏してくれたのもよかったです。一緒に手拍子をしたり、児童の近くまで来て演奏してくださったりして、児童がコンサートに参加できる工夫がたくさんあり、喜んでいました。演奏者の経験をふまえたお話は、児童の心をひきつけられるものでした。演奏者の音楽に対する深い思いを感じ、感動しました。
本物の芸術家と出会える機会を作ってくださりありがとうございます。ピアノの連弾とソプラノ、そして生徒の歌声の響きをたくさん感じ取ることができました。音楽の力で参加者と演奏者が一つになっているのを感じました。
