すばるイブニングコンサート 山田初音ピアノ・リサイタル
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
第64回目のピアニストは京都堀川音楽高等学校3年生の山田初音さんです。

山田さんのコンサートは、ショパンの「エチュードOp.10-5“黒鍵”」で始まりました。軽やかで優しい音色が会場を柔らかく包み込み、晴れやかに幕が上がりました。続いて演奏してくださったのはベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第18番」。第1楽章では明るく弾んだ音楽が颯爽とした音楽を、第2楽章では推進力を生むような小気味のよい音楽を、第3楽章ではゆったりと歌心いっぱいの音楽を、第4楽章では強弱がはっきりとつけられ、全身を使って躍動感いっぱいの音楽を奏でてくださいました。後半に演奏してくださったのは、まずショパンの「スケルツォ第4番」。鮮やかで美しいハーモニーと素早い指裁きが生み出すリズムに惹きつけられます。中間部では郷愁めいたメロディーが切々と語られ、再現部では力強さが加わり情熱あふれる演奏で華麗に締めくくられました。続いては、ドビュッシーの12のエチュードから「7.半音階のために」。右手の指の動きが目まぐるしい作品ですが、左手の低音もしっかりと抑制されていて、エチュード作品でありながらも幻想的な雰囲気を感じる演奏でした。そして、最後に演奏してくださったのは、デュティユーのピアノ・ソナタ第3楽章「コラールと変奏」。これまでとは打って変わって硬質な和音が力強く響き渡ります。鋭い音楽と残響が空間を砕いてしまうかのようで、独特な世界観が描かれました。
山田さんは明るく弾むような音色をお持ちです。そこから奏でられる音楽はとても活き活きとしていて元気なエネルギーを放っています。これからもその音楽性を大切にあたたかな音楽を届けてほしいピアニストです。

この度は、憧れのすばるイブニングコンサートに出演させていただきありがとうございました!
初めてのソロリサイタルが、すばるホールのようなすてきな場所でできたこと、とても嬉しく思っています!私が今まで想像していたリサイタルの感覚とは大きく異なり、また違った角度から音楽を学ぶことができました。音楽は一期一会…舞台で弾かせていただくことは、奇跡の時間であることを意識しています。温かく見守って聴いて下さるお客様とともにその時間を共有できたことが、とても幸せでした。
コンサート開催にあたりお世話になりました関係者の皆さま、感謝の気持ちでいっぱいです。
その場限りの音楽を創りだせる感動を忘れずに、これからも音楽と向き合っていきます!!
- 24時間365日、誠実に音楽に向き合われている努力が、音に表れていた気がしました。きっと今日見たことを自慢できる、素敵なピアニストさんになるでしょうね。楽しみにしています。
- とてもよく練習されている安定した音楽でした。ホール中にキラキラした音色が広がり、心地よかったです。
- 左手の使い方がめちゃ上手で、私も左手の練習いっぱいしてみようと思いました!右手の流れるような音がすごくきれいでした。スケルツォかと思えばドビュッシーの音が美しくて、粒だっているキラキラした音がすてきでした。大ファンになりました。
- 一言で感動しました。すごいです。
- 同じ曲をひいているので参考になった。
- 色彩豊かでリズミカルな曲が素晴らしく、ご本人のキャラクターが現れているのだろうと思います。
- ディティユーがとても印象に残りました。素晴らしかったです。
- 有難うございました。素晴らしい演奏でした。
レポート◎辻野文崇(すばるホール・富田林すばるステーション)
写真撮影◎向宏文(すばるホール)