矢部陽香さん(Yカテゴリー1位) グランミューズ部門入賞者インタビュー
入賞者記念コンサート
デュティユー:ピアノ・ソナタ 第3楽章 「コラールと変奏」
デュティユー:ピアノ・ソナタ 第3楽章 「コラールと変奏」
少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。
本当に嬉しかったです。昨年はJカテゴリーで4位だったので名前を呼ばれることはありませんでした。なので今年は順位に関しては全く考えてなく、ただ、レッスンで教わった「今回の曲のやるべき表現」を全てやりきろうと心がけて演奏しました。そのため、結果発表で1位として自分の名前が呼ばれた瞬間は信じられない気持ちと驚きのあまりすぐには実感が湧かなかったです。 あの名前を呼ばれた瞬間の気持ちは生涯忘れたくないです。
コンペティション出場の動機を教えていただけますか?
去年グランミューズ部門のJカテゴリーで出場し悔しい結果になってしまったので、リベンジという形で今年もグランミューズ部門に出場させていただきました。
コンペティションの選曲理由を教えていただけますか?
大学受験の際に使用した曲だったというのと、構成がしっかりしていてコロコロと表情が変わっていく曲風で、複雑そうに見えて美しくまとまっており、音色の変化などの魅せ所が沢山あっていいなと思ったからです。 高尚でスケールが幅広く、魅力の尽きない最高の曲です。
レッスンには通われていますか?また先生はどんな方ですか?
はい。大学のレッスンで石井なをみ先生にお世話になっております。中学生の頃から月に一度レッスンを受けており、高校では毎週ご自宅の方に通っていました。天本麻理絵先生には、中学生の頃から絶えずお世話になっております。お二方とも、いつもすぐに気が抜けてしまう私を引っ張っていってくださっていて、本当に人間性も音楽の視点もスペシャリストで何もかもが素晴らしい先生方です。憧れです。
お仕事、学業ではどんなことをされていますか?
大学では音楽学部で音楽についてのびのびと学び、日々色々な友達に刺激を受けながら単位という存在に怯えつつ楽しく過ごしています。
ピアノ以外にご興味があることは何ですか?
食べること、メイクアップすること、絵を描くこと、球技全般をすることが好きです。 基本的に何でも美味しいし好きですが、お菓子のじゃがりこが自分の中での今年のMVPです。開発者の方は本当に天才だなと食べるたびに思います。 メイクは自分を変えることができて楽しいので好きです。こだわりは沢山あるのですが、特につけまつげとカラコンがなくてはならない存在です。 絵を描くのは昔から好きで、高校ではミュージカルの背景(縦4メートル横7メートル程)を描き、体育祭でのクラス旗も描きました。 球技の中でも特にバドミントンが好きで、結構自信があります!ピアノにはない楽しさがあって好きです。 飽き性ですが上記4つはまだ飽きたことがありません!
普段はどれくらいピアノを練習されていますか?頻度、場所、時間などお聞かせください。
平日は大学から帰り次第、家で夜22時ごろまで練習しています。 休日は時間と集中力の許される限りはずっと練習しています。
好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。
どの作曲家もどの曲も弾き込むうちに好きになっていきます。最近ではグラナドス作曲の『演奏会用アレグロ』やショパン作曲の『舟歌』などの心が動かされる曲調や、プロコフィエフ作曲の『戦争ソナタ』などの好戦的で弾いていてアドレナリンが大量に放出されるような曲調が好きです。 特に『舟歌』や『演奏会用アレグロ』は前向きで明るい雰囲気を装いつつも陰が見え隠れしていて、最終的に我慢してきた想いを吐露するようなクライマックスになっています。そういった人間味のある部分がある曲だからこそ、自分にリンクさせることができ、グッとくるんだろうなと思います。そしてそれらの曲を弾いている時が音楽をやっててよかったなって思う理由の一つになっています。
ピアノを演奏する際に心掛けていることは何ですか?
冷静に表現する、ということだけで頭をいっぱいにすることを心掛けています。 少しでも集中力が欠けてしまうと、他人に上手く思われたいという欲が出てきてしまいます。 そうなると、元々情熱的に弾いてしまう性質も相まって最悪な演奏になってしまいます。 冷静さを保ちつつ、どう表現したいか、ホールの響きはどうか、そして第三者目線で耳障りでないかを考えて弾くことが大切だと思っています。
入賞者記念コンサートの曲目の選曲理由を教えてください。
大学での試験で演奏するというのと、白寿ホールという滅多に演奏する機会のないホールで自信を持って皆様にお届けできる曲、という理由で選曲いたしました。
入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!
冷静に、そして高貴な華やかさを持ち、目まぐるしく姿が変わっていく様子を最初から最後までワクワクして聴いていただけるように演奏したいと思います。
グランミューズ部門のへの参加は、ありがたいことに年々増えています。大人のピアノ学習の継続的な発展のため、グランミューズ部門へ初挑戦を検討している方へメッセージをお願いします。
グランミューズ部門では、幅広い年代の方が参加できるようになっています。予選、本選、全国と、たくさんの場数を踏む経験を積むことができ、講評や点数をいただくことで自分の現在のレベルを測ることもできます。また、素敵なホールで自分の好きな曲や得意な曲を演奏することができるので、ぜひ挑戦してみてください!