レポ:12/16 箕面市立豊川南小(鈴木愛美pf・加藤直明tb)
会場:音楽室
参加人数:4年生 114名
出演:鈴木愛美(ピアノ)・加藤直明(トロンボーン)
主催:一般社団法人全日本ピアノ指導者協会/公益財団法人ソニー音楽財団
後援:箕面市/箕面市教育委員会
12月16日(月)には2023特級グランプリ鈴木愛美さんが母校の箕面市立豊川南小学校を訪れ、学校クラスコンサートを開催しました。このコンサートは公益財団法人ソニー音楽財団との協働により、トロンボーン奏者の加藤直明さんとの共演で実現しました。
11月末に浜松国際ピアノコンクールで優勝したばかりの鈴木さん。卒業以来初めての母校への訪問は、その凱旋報告ともなりました。加藤さんは2025年1月11日(土) に同じ箕面市立メイプルホールで開催される「Concert for KIDS~0才からのクラシック🄬~」に出演されるということで、箕面市と縁のある2人のアーティストたちと子どもたちとが、間近で直接交流をする場となりました。
「僕たちは普段はコンサートホールで演奏しているのだけど、今日は特別に、皆さんが普段生活をしているところに音楽を届けにやって参りました!」という挨拶とともに、まずは加藤さんによるトロンボーンの楽器のお話からスタートしました。
「トロンボーンの仲間の金管楽器は、みな同じような音の出し方をしているのだけど、息を吹き込むと音が…?」と加藤さんが問いかけると「出る!」と子どもたち。「入れてみよう。・・・出ない。」「えーっ」という顔をする子どもたちに向けて、トロンボーンの音の出る仕組みを丁寧に解説していきます。
「実は、自分の唇を思いっきりブルブルっと震わせることで音が鳴っているんです。」と言われて「できる!」という声も。「みんなもできるかもしれないね。今日はプロの唇のブルブルを見せてあげよう」と、子どもたちの目の前で実演。「このブルブルを、マウスピースというものに伝えて、その振動を今度は楽器に伝えます。その3連続技をやってみせましょう」と、「唇だけ→マウスピースを吹く→楽器につなげる」と3段階に振動が伝わって初めてトロンボーンらしい音が出ることをやってみせてくれました。
「こうやって出た音を、このスライドを伸び縮みさせて、今度は音の高さを変えていきます」とやってみせ、「それがよく分かる曲を一曲演奏します」と、「ラッサストロンボーン」を演奏しました。楽しい曲に合わせ、子どもたちの目の前に長い長いスライドが出てくると低~い音が、それを縮めていくとだんだん音が高くなる様子を、目と耳とで体感しました。
次はピアノ。小学生時代はドッジボールが好きで、「メチャ強かった」というエピソードも披露しつつ、鈴木さん自身が「作曲家の中で一番好き」というシューベルトの曲を後輩たちに聴かせます。「どうして好きなんですか?」という質問に対し、「シューベルトの作品を弾いている時が一番、曲の世界に入りこめるから」という鈴木さん。選んだのは、ちょっと前にTikTokでもこの曲に映像をつけるのが流行っていた「楽興の時 第3番」。子どもたちに見守られながら丁寧に音を紡いでいきました。
そして子どもたちをピアノの周りに集めてピアノの楽器のお話をし、浜松国際ピアノコンクールでも演奏したショパンのエチュード「黒鍵」と、子どもたちに馴染みのあるベートーヴェンの「エリーゼのために」を演奏しました。鈴木さんが「名前の通り、右手はほとんどピアノの黒い鍵盤だけ演奏しますが、たった1音だけ白い鍵盤を弾くところがあるので注目して聴いてくださいね」と説明して「黒鍵」を弾くと、児童はみなピアノを取り囲んで瞬きもせずその一音さがしに集中していました。
最後に再びトロンボーンの加藤さんが登場し、クラシック音楽家として普段コンサートホールでどんな曲を演奏しているかを感じてもらうため、トロンボーンとピアノでギルマン「交響的断章」を演奏しました。少し難しい曲だったかもしれませんが、子どもたちは静かに耳を傾けていました。
子どもたちが練習してきた「もみじ」の歌を、鈴木さんがピアノ伴奏、トロンボーンがアルトパートを演奏して共演した後に、何と子どもたちからのサプライズでお礼の曲のプレゼントがありました。手話つきで「大好きだけど おわかれ ありがとう」と心に染み入る歌を贈ってくれました。
3クラス目には原田亮箕面市長が見学にいらっしゃり、子どもたちに見守られる中、鈴木愛美さんの「箕面ピアノ音楽大使」への就任式が行われました。「箕面市を、街中で音楽が聞こえる街にしたいと思っています。鈴木さんには、これからもピアノ音楽を通じて一緒に素晴らしい街づくりができるよう、さらなる活躍を期待しています」という言葉とともに、特命大使称号の賞状が授与されました。原田市長も教育長とともに最後のクラスコンサートの時間を子どもたちと一緒に楽しんで盛んに拍手を送ってくださいました。
クラスコンサートには箕面FMの取材も入り、午後には2人のアーティストのインタビューも収録されました。
みのおNOW「箕面出身のピアニスト・鈴木愛美さんが母校でコンサート&箕面特命大使に就任!」
今まで学校でコンサートをするという経験がなく不安が大きかったのですが、共演していただいたトロンボーンの加藤さんが巧みなトークで子供達の集中を常に引きつけてくださって、とても助かりましたし勉強になりました。自分の手元まで子供達に囲ってもらって演奏するシーンがあったのですが、いつもとは違う緊張感がありました。子供達の素直で元気いっぱいな反応を間近に感じることができ、私がパワーをいただきました。また、箕面音楽大使の就任式も行なっていただき、これから音楽を通じて、生まれてから高校卒業まで過ごした大好きな地元に貢献していきたいと思っています。
浜松国際ピアノコンクールで優勝したばかりの鈴木愛美さんとの共演で大阪府箕面市にある鈴木さんの母校にて学校クラスコンサートに出演してきました。鈴木さんの経歴を知った児童は「すごい!すごい!」と大興奮。そこへ普段、目にする機会の少ない金管楽器”トロンボーン”が交わり楽しくもあっという間に45分が過ぎ去りました。
「今まで学校でコンサートをしたことがあまりなかった」と鈴木さん。本来の実力を存分に発揮しての本番に満足したご様子でした。今後もこの様に上質なコンサートを全国にお届け出来るよう期待を寄せますと共に、ご尽力戴きました関係各所の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
本校の一人の卒業生が、約10年ぶりにプロの演奏者として母校に帰って来てくれて、とても誇らしく、うれしかったです。
加藤さんがスライドを押したり引いたりして、言葉をそれに合わせ、高い声から低い声に変えながら実演してくださったりして児童も興味を持っていました。加藤さんのトークで場を和ませた上での鈴木さんのピアノの演奏、特に子どもたちをピアノの周りに集めて、近くで音を感じさせながら演奏していただけたのがよかったです。
音楽は人と人とをつなぎ、楽しい時間をもたらしてくれることを実感しました。豊南小のみんなには、鈴木さんや加藤さんのように好きなものや夢中になれるものを見つけて、人生を歩んでいってくれることを願っています。