船生弘親さん(A1カテゴリー3位) グランミューズ部門入賞者インタビュー

GrandMuse
第48回 ピティナ・ピアノコンペティション
グランミューズ部門
入賞者記念コンサート
出演者インタビュー
船生 弘親さん
A1カテゴリー3位
龍善院 安養寺 第三十四世住職。第40回JPTAピアノ・オーディション全国大会 第1位およびトッパンホールにて全国優秀者演奏会に出演、第12回ヨーロッパ国際ピアノコンクール in Japan 第1位・グランプリ、第21回日本演奏家コンクール第1位並びにショパン賞受賞、第46回ピティナ・ピアノコンペティション グランミューズ部門 B1カテゴリー第1位、その他多数のコンクールにおいても第1位。 これまでにピアノを中野真理、川村文雄、松本和将、長瀬賢弘、ソルフェージュを鈴木智子、伊東沙希子 各氏に師事。現在、住職を務める傍ら、讃教布教師並びに詠歌指導師範として研鑽を積む。

コンペティション演奏曲目

スクリャービン:《2つの詩曲》Op.63-1 「仮面」

リスト:J.S.バッハのカンタータ「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」とロ短調ミサ曲「十字架につけられ」の通奏低音による変奏曲 S.180 R.24

入賞者記念コンサート演奏曲目

ベートーヴェン=リスト:連作歌曲「遥かなる恋人に寄す」S.469 R.124


インタビュー

少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。

王子ホールの素晴らしい響きとスタインウェイの美しい音色に高揚して「理性的な」演奏とは相反しましたことを、私の名前が呼ばれると同時に猛省しました。お坊さん…まだまだ修行が足りないぞ、と。

コンペティションの選曲理由を教えていただけますか?

ここには書き切れない程の想いと覚悟を持って選曲しました。リストが御息女を亡くされた悲痛な叫び…私も3月に大切な人を亡くしたので、そして何より同じ宗教者だからこそ表現できるものがあると信じています。この曲に出会えたことは幸運でした。生涯弾き続けたい作品です。

レッスンには通われていますか?また先生はどんな方ですか?

不定期ではありますが、松本和将先生や長瀬賢弘先生の御指導を賜ります。和声分析や構成力、立体的な音楽作り等、日本を代表するピアニストの先生方からは厳しくもその演奏・姿勢から学ぶことがたくさんあります。素晴らしい御縁に心から感謝いたしております。

お仕事、学業ではどんなことをされていますか?

お寺の住職をしております。先代住職である父が遷化し、私が住職となって8年の月日が経とうとしています。檀務法務に加え、指導師範として御詠歌の研鑽を積んでおります。一ヶ寺の住職という立場ではなかなか難しいのですが、いつか全国を歩き、御詠歌の素晴らしさを伝え、共に奉詠したいです。

ピアノ以外にご興味があることは何ですか?

中学~大学時代からずっと服や靴が好きです。私のお世話になっている担当さんは、お母様がピアニスト・指導者である故に音楽や芸術の造詣が深く、コンクールや演奏会の本番の衣装の場合は曲想やその舞台に合わせて提案してくださいます。山本さん、いつも素敵なものをありがとう!

あと、お笑いが大好きです!関西の笑いこそ、至高!M-1グランプリは勿論正座!

好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。

好きな作曲家はシューベルトです。まだまだ修行の足りない私はレッスンのみで、本番に乗せることは許されていないのですが(精進・忍辱)、いつか舞台でシューベルト(特に後期のソナタ)を演奏したいです。 Louis Schwizgebel、Kit Armstrong など、知性的・理性的な音楽家が好きです。

ピアノを演奏する際に心掛けていることは何ですか?

そのピアノの持つ1番美しい音を鳴らしたい、と鍵盤に手を触れます。 ホールの響きを良く聴き、特に弱音にこだわっています。 その結果、王子ホールは響きもスタインウェイも素晴らしいのでテンションが上がり過ぎてしまい、3位となりました(合掌)

入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!

まずは入賞者演奏会に出演させていただけることを大変嬉しく思っております。 本来は1位と2位の入賞者の出演ですから、お声がけいただきまして、誠にありがとうございます。

今回は、歌曲の美しさ、ベートーヴェンの深い愛情や痛み、心の繊細な動きを丁寧に表現 できますように演奏いたします。

グランミューズ部門のへの参加は、ありがたいことに年々増えています。大人のピアノ学習の継続的な発展のため、グランミューズ部門へ初挑戦を検討している方へメッセージをお願いします。

今後、ピアノや音楽を専門として学ぶ人だけではなく、様々な経歴を持つ優秀な音楽家が増えていくと思います。 角野隼斗さんをはじめ、彼らを輩出した指導者協会の功績は大きなものです。

人生を彩り、豊かにしてくれるものが、音楽や芸術、文化であると思います。 学習の継続的な発展、という大義名分がなくとも、心から音楽を愛する、ただそれだけで舞台に立って良いのです。 もし結果によって傷付いてしまう・悲しい気持ちになるという方はステップへの参加も良いでしょう。

私たちは「聴衆に育てていただく」のだと、恩師から教えられました。

偉大な作曲家に、作品に、今日まで伝え遺してくださった先人・先生方へ最大の敬意を、そして人を愛し、豊かな人生を歩んでいきましょう。

 

そして御詠歌に興味のある方は!当山は月に1度の勉強会を行っておりますので、お気軽にお問い合わせ・ご参加ください! 南無大師遍照金剛 合掌

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2024年度 グランミューズ部門入賞者記念コンサート
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