レポ:6/24 蓮田市立黒浜西小(北村明日人pf・浜まゆみmb/動画あり)
会場:音楽室
参加人数:4,5年生 85名
出演:北村明日人(ピアノ)浜まゆみ(マリンバ)
協力:公益財団法人ソニー音楽財団/ピティナ久喜イリスステーション
プログラムはこちら
6月24日(月)蓮田市黒浜西小学校にて学校クラスコンサートが開催されました。この回は、6月23日に蓮田市総合文化会館ハストピアで開催された「Concert for KIDS~0才からのクラシック®~」に関連して、ソニー音楽財団とピティナとの協働で実現しました。
演奏者は2022特級グランプリの北村明日人さん(ピアノ)と、マリンバ奏者の浜まゆみさん。浜さんはConcert for KIDSの出演者でありつつ、ピティナの学校クラスコンサート発足初期にもご出演いただいていたという長いご縁がありました。
マリンバとの学校クラスコンサートは、朝早くの楽器の搬入から始まります。学校の先生にもお手伝いいただき、音楽室に運び込んで皆で組み立てました。「この楽器、おうちから持ってきました」と言うと子ども達は「本当に?どうやって!?」と驚いていたので、少しだけご紹介します。
浜さんのマリンバは、全長2.7m、重さなんと108kg。それが分解されて10個のバッグに梱包されてやってきました。まずは土台を組み立て、太いパイプを取り付けます。そこへ、長くつながれた木の鍵盤をわたしていき、30分ほどで完成しました。思った以上にパイプが太く長く、鍵盤の一つ一つも太くずっしりと重いことがわかりました。
黒浜西小では4年生と5年生がそれぞれクラスコンサートを体験しました。大きなマリンバとピアノとが並んだ、いつもと違う様子の音楽室へ入った子どもたち。1曲目の演奏が始まると、マリンバとピアノの音の想像以上の迫力に度肝を抜かれたように目を見開いていました。
まずはマリンバの説明から。「みんながよく知っている木琴の仲間の中で一番大きな楽器」と説明し、同じように木でできた鍵盤を、「よーく見ててね~」とマレットで叩いて音を出す様子をよく観察させます。
「わぁーっ鍵盤が動いた!」「ふるえた!」と驚く子ども達。「どのくらい動いたかわかった?先生に確かめてもらいましょう」と、4年生では音楽の先生が、5年生では教頭先生が代表して、ローズウッドの木でできた鍵盤に指で触れてみました。浜さんがその鍵盤をマレットで叩くと、先生は思わず飛び上がって、「びりびりっと肩の方まで振動が来ました!」と子ども達へ振動の衝撃の大きさを伝えました。
浜さんは次に、何十本ものカラフルなマレットを花束のように抱えて持ってきました。「何でこんなに色々なマレットがあるんだと思う?」と聞くと、「音が違うと思う」という意見が。「じゃあ、比べてみましょう」と、高い音を叩くためのマレットと低い音を叩くためのマレット2本を取り出しました。
まず、低い音用のマレットで低い音を出すと、ボンボンと深く響く音が出ました。そして同じ音を高い音用のマレットで叩くと…カツンカツンという音になってしまいました。「あれ?変な音!」。今度はそのマレットで高い音を出すと、ポンポンときれいな高い音が出ます。「じゃあ、この高い音の鍵盤を、低い音用のマレットで叩いたらどうなると思う?」と浜さんが尋ねると、「すごく大きな音が出ると思う!」と子どもたち。「じゃあ、大きくなると思う人は耳とじて!思いっきり行きます!」と浜さんが鍵盤を叩くと…不思議なことに、いくら一生懸命に叩いても音がよく出ません!耳をふさいでいた子どもたちも、「え??」と目を丸くします。浜さんは「マリンバでは、音の高さによって、また曲の雰囲気で出したい音によって、マレットを変えて弾いているんですよ」ということを、実験しながら教えてくださいました。
さらに、マレットを左右あわせて6本を持ったまま、1本ずつ弾いたり全部で和音を奏でたりする様子を実演してみせたり、次の「レインダンス」の曲では脚に「カシシ」というブラジルの楽器をつけて、手と脚を駆使して演奏する様子も見せると、子ども達は食い入るように見つめ、そして興奮して大喝采を送っていました。
次は北村さんのピアノの番です。「マリンバって鍵盤がたくさん見えたと思うけれど、ピアノとどっちが鍵盤が多いと思う?」と尋ね、一番低い音から高い音まで全ての鍵盤を弾いてみました。さらに「マリンバは、鍵盤の木が震えて音が出るって言ってたよね。じゃあ、ピアノはどこが震えていると思う?」と聞くと、思い思いのところを指さします。
「ピアノは指で鍵盤を一生懸命に押して音を出しているように見えるけれど、実はその鍵盤は、中のハンマーを動かしているだけで、そのハンマーが弦を叩いているんです。震えて音を出しているのは、実は鍵盤じゃなくて、この弦の方なんです」と北村さんが話すと、すかさず浜さんが「今日は特別に、マレットで弦を叩いてみるね」と言って、高い音の弦と低い音の弦をそれぞれ叩いてみました。鍵盤を全く触っていないのにピアノの音が鳴ったことに、子ども達はびっくり。弦を叩いた位置が全く違ったことから、マリンバと同じように、ピアノの弦も高い音は短く、低い音は長いことにも気づきました。
すると子どもの方から、「じゃあ、板みたなのがこっちを向いているのは、弦の音をこっちへ届けるため?」「とじたら音が鳴らなくなるの?」という質問が出たので、北村さんは「やってみようか」と全開にしていたピアノの屋根を全て閉じたり開けたりして弾き比べをしてみました。「響きが違う!」「こもってるみたい」と、それぞれ違いを発見していました。そして、ペダルの効果を使ってハープの音を真似したショパンの「エオリアンハープ」を演奏しました。
ピアノとマリンバの音の出る仕組みの似ているところ、違うところを知った後は、2つの楽器のアンサンブルを聴きます。ピアノとマリンバの周りをぐるっと囲んで、好きなところで見ながら「剣の舞」を聴きました。子どもたちは、自由に2つの楽器の周りを移動して好きなところを観察して、その超絶技巧の指さばきとマレットさばき、楽器の動きや震えを間近で確かめて大興奮でした。
続いてエルガーの「威風堂々」の演奏では、行進曲にあわせて子どもたちの手拍子やシンバルも加わり、さながら大合奏のような華やかさ。マリンバとピアノがアイコンタクトでタイミングを図っていることを見て、さっと間をあけたり、テンポが速くなるにつれて手拍子も合わせていくなど、子ども達の集中力、一緒にその場の音楽を作り上げようという気持ちが表れた演奏になりました。
最後には2人の演奏にあわせて「にじ」をみんなで歌いました。きれいな歌声に、子どもたちの手話や浜さんのグロッケンも追加され、感動的な一場面となりました。
2つの楽器の違いを子ども達に発見させ、子ども達の疑問に基づいたふんだんな実験をすぐに目の前でして見せ、その結果を自分たちで確かめることができました。音の振動や迫力、躍動感を間近で感じて、自然と子ども達も身体が動いて音楽の中に入って行っているのがわかりました。
心から楽しみ、ワクワクする時間でした。間近で楽器を見せて丁寧に説明して下さり、感動もひとしおでした。「初めてこんなに近くで生演奏を聴いた」と言っている子が多かったです。どの曲も美しく、音楽の世界に入り込んで聴くことができました。児童たちが目を輝かせて鑑賞していて、手拍子や歌を合わせた曲では大変盛り上がりました。心躍る時間をありがとうございました。
- ピアノの中の弦もすごくゆれていたのが分かりました。
- マリンバは1本のバチで演奏するのだと思っていたので、最高6本で演奏することが分かってびっくりしました。
- ピアノの足にある金色の3つの場所は、一つずつ意味があることが分かりました。
- ピアノについては知っているつもりだったけど、改めて聞くと知らなくてびっくりしました。
- 教頭先生が指を置いてびっくりしたので、マリンバの木がすごくゆれているのがわかりました。
- マリンバとピアノは、構造がよく似ていると思いました。2つとも同じ構造だとは思いませんでした。
- まゆみさんと演奏した時、強い弱いがどんどんくりかえされ、明日人さんのきれいな音が組み合わさり、はげしくもあり、静かなような音色が、とてつもなくきれいで感動しました。
- 浜さんは、体を大きく使いごうかいな演奏で、とてもはやく演奏されていてすごかったです。
- 北村さんはオーケストラの曲で1人で20人~30人分ひいていてすごいと思いました。
- マリンバでは低い音に使うバチと高い音に使うバチが分かれていることや、ピアノのハンマーに羊の毛が使われていることなどに、とてもおどろきました。
- 北村さんは、楽譜のページをめくるスピードもはやくてびっくりしました。
- 全員で共演した時の「にじ」は世界で一番と思いました。
- もうすぐ音楽会で、人前で弾くのがいやでしたが、浜さんと北村さんのおかげで、勇気が出ました。
- 演奏している時に、楽しそうに演奏しているところが、かっこよかったです。
- 2つの楽器とも、とてもかっこよかったです。