開催レポ:スタインウェイ特級スペシャルコンサート2024

第48回(2024年度)ピティナ ピアノコンペティション♪特級入賞者 スペシャルコンサート♪
日程:2024年10月20日(日)
会場:スタインウェイ&サンズ東京
出演:南杏佳(p)、山本悠流(p)、塩﨑基央(p)、大山桃暖(p)
主催:スタインウェイ&サンズ東京
後援:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

第48回ピティナピアノコンペティション、特級入賞者4人によるコンサート。4人が一堂に会するのは、夏のファイナル以来初めてのことです。演奏会前後、出演者たちはお互いのリハーサルを聴きあったり、写真を撮りあったりと、仲の良さがうかがえる温かい雰囲気で過ごしていました。

トップバッターの大山桃暖さんは、ショパン〈ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35より第1楽章、第4楽章〉、プロコフィエフ〈10の小品 Op.12より 第10番スケルツォ イ短調〉、ストラヴィンスキー〈ペトルーシュカからの3楽章より 第3楽章「謝肉祭」〉の3作品を演奏。特級二次予選での素晴らしい演奏が未だ印象的なストラヴィンスキー「ペトルーシュカからの3楽章」ですが、今回はより一層大山さんらしさが強く感じられる演奏を届けてくれました。

続いての塩﨑基央さんは、ベートーヴェン〈ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57 「熱情」〉の一本勝負。特級のインタビューでも度々、塩﨑さんが最もシンパシーを感じる作曲家であると語っていたベートーヴェンの名曲を、熱意たっぷりに、しかし冷静さと集中力を欠かさずに弾き切りました。

休憩後に登場した山本悠流さんは、シューマン〈8つのノヴェレッテ Op. 21 より第8番〉、グラナドス〈ゴイェスカス 第1部 第1曲 愛の言葉〉を選曲。作品に対する深い理解が曲の魅力を存分に引き出し、聴き手に語り掛けてくるような山本さんの演奏。レパートリーや音色の豊富さも印象的です。

南杏佳さんは、シューベルト〈即興曲集 第2番 変イ長調 D935 Op.142-2〉、リスト〈献呈(シューマン) S.566 R.253〉、J.S.バッハ=ブゾーニ〈無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータから「シャコンヌ」〉というプログラム。心洗われる美しい音色ではじまり、圧巻のバッハ=ブゾーニまで、30分間のプログラムながら大きなドラマにまとめあげ、コンサートの最後を見事に飾りました。

出演者のコメント
大山 桃暖さん

スタインウェイサロンはオシャレな空間に素晴らしいピアノで、何より4人で作り上げるコンサートの雰囲気が最高に楽しかったです。気さくで面白い尊敬する先輩方とともに演奏させていただき、音楽をやっていて幸せだと感じました。お客様にもあたたかく見守っていただきとても素晴らしい時間を過ごせました。これも全て支えていただいている皆様のおかげです。本当にありがとうございます。(大山 桃暖)

塩﨑 基央さん

数多くの有名アーティスト達が演奏してきたスタインウェイ&サンズ東京のスタイリッシュな空間で、お客様の方々と幸せなひとときをご一緒できて大変楽しく貴重な経験でした!特級を通して出会った4人が弾く、それぞれ約20分間ずつのプログラムをお客様に聴いていただくことで、出演者それぞれのカラーを凝縮して楽しんでいただける演奏会だったのではないかと感じております。舞台裏では、出演者の皆様と特級後の日々についてもお話しできて良い思い出です♪ありがとうございました!(塩﨑 基央)

 
山本 悠流さん

客席との距離も近く、非常に暖かい雰囲気に包まれたコンサートだったと感じます。30席ほどの小さめの会場だったので、あの空間でどのようにスタインウェイの輝かしい音色を生かしながら演奏するかをリハーサル中に試行錯誤しながら弾いていました。特に遠慮なく大きい音を出してしまうと響きが飽和してしまうと感じたので、コンサートの広さに見合った響きを追求しながら演奏させていただきました。(山本 悠流)

南 杏佳さん

8月の表彰式ぶりに特級ファイナルまで切磋琢磨した仲間と再会し、リハーサルから閉館まで和気藹々とした雰囲気の中、過ごすことができました。同世代のピアニストたち(私はかなり年上なので一括りにすると怒られそうですが)と音楽について語り合い、それぞれで組んだプログラムで1つのコンサートを完成させることは私にとってとても刺激になり、様々な活躍を魅せる他3人の演奏に奮い立たされると同時に背中を押されるような感覚がありました。お客様は35名と少数でホール自体もこじんまりとしたサロンだったのですが、その凝縮された空間でスタインウェイ様のピアノで演奏することは、より緊張感が高まり自分の課題と向き合える機会となりました。また彼らに会えること、彼らの演奏を聴けることを楽しみに、それまでに自分も更なる成長をできるようにこれからも研鑽を積んでいきたいと思います。(南 杏佳)

スタインウェイのピアノとサロン、そして4名のファイナリストによって、素敵な時間となった特級入賞者コンサート。当日の演奏は一部、ピティナYouTube番組「コンサート・プレミア」にてお届けします。

そして次回、この4名が集うのは、2025年2月11日特級ガラコンサートです。ショパンとシューマンというふたりの天才をテーマに、ファイナリスト4人が至極のプログラムを連ねます。4人が描く二人の天才の物語を、ぜひ現地でお楽しみください。

ピティナ ピアノコンペティション特級ガラコンサート
日程:2025年2月11日(火・祝)
会場:J:COM浦安音楽ホール
出演:大山桃暖(p)、塩﨑基央(p)、山本悠流(p)、南杏佳(p)
主催:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)
共催:J:COM浦安音楽ホール
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