レポ:6/24 久喜市立青葉小(北村明日人pf/動画あり)

久喜市立青葉小学校
日時:2024年6月24日(月)
会場:音楽室
参加人数:5年生 36名
出演:北村明日人(ピアノ)
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久喜市立青葉小学校では、5年生を対象にピアニスト北村明日人さんによるソロでの学校クラスコンサートが実施されました。

まずショパンの「子犬のワルツ」を軽やかに演奏した北村さんは、「いつも音楽室にあるピアノだけれど、今日はピアノのことをたくさん知ってもらおうと思います」と、子ども達と一緒に五感を使って実験をしながらピアノのヒミツを探っていきました。

まずは鍵盤の数。「88鍵」と言ってもどれだけの音の幅か実感が湧かないので、実際に黒鍵と白鍵全てを弾いてみると、その速弾きの様子に思わず拍手が!

「こんなに低い音からこんなに高い音まで、幅広い音が出ます。幅広さは高さだけじゃなくて、音量も大きい音から小さい音まで1台で出せる、というのも大きな特徴の一つです。ほら、すごく静かにしないと聞こえないでしょ」と言って、かすかに響く美しい音を奏でたかと思うと、大きく豊かな和音を響かせ、皆を驚かせました。

「ペダルの役割について知ってる人いる?」と聞くと、すかさず手が挙がり、一人がダンパーペダルを押したり離したりするとどうなるか、よく説明をしてくれたので、北村さんはそれを実際に弾いてみて、みんなにペダルのあるなしを聴き比べてもらいました。

「今日はもう一つ実験をしてみたいと思います」と言うと、久喜イリスステーション代表の熊田正子先生が、可愛らしい手回しオルゴールを持って登場。「まずはこのオルゴールをそのまま聞いてください」と言って鳴らすと、席に座っている子たちには、静かにしていてもかすかにしか聞こえません。「では、ピアノの中に置いて鳴らしてみましょう」と言って、響板に置きながら鳴らしてみると…「あっ、少し大きくなった!」と、何の曲か分かるくらいになりました。北村さんは響板をコツコツと叩きながら、「実はピアノの弦の下に、大きな1枚の板があります。響板と言って、ハンマーで弦を押して出た音を、大きく響かせる役割を果たしているんです。ピアノは、鍵盤ばかりが注目されるけれど、この弦や響板と屋根があることで、ピアノようやく音がお客さんのところへ届く、というようになっています」と説明しました。

「弦や響板のふるえが、楽器全体をふるわせて鳴らしているのだけど、それを体験してもらおうと思います」と、4名の子に代表でピアノの側面をてのひらでそっと触りながら次の演奏を聴いてもらいました。曲目はドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」。急に大きくなったり、激しい変化のある曲です。演奏が終わると子ども達へインタビュー。「ピアノの横の板がブルブルっとふるえてた」「大きな音の時の方が大きくふるえてた」と感想を言ってくれました。

梅雨の時期にぴったりの、ショパンの「雨だれ」を聴いて雨の様子を想像してもらった後は、現代の生きている作曲家、後藤ミカの「夜の教室」を演奏しました。「夜の教室って聞くとどう思う?」と北村さんが問いかけると、「怖い」「暗い」「おばけが出そう」などと答えます。今度は全員にピアノの周りに集まってもらって、近くで聴いたり見たりしながら体験してもらいました。

弾き終わって「どんなお話なのかイメージできた?」と聞くと、子ども達は興奮したように、「キーンコーンカーンコーンってチャイムが鳴って、キーンコーンカーンコーンってまた鳴るまでの間に、ぐるぐる~~って変な感じになった」「そこでおばけが出てきた」「怖いっていうより、カッコよかった」「変な世界になっちゃったけど、最後のチャイムで安心した」などと、イメージを共有してくれました。

最後は、ピアノを囲んだまま全員で校歌を歌いました。

担任の先生より

今回のコンサートでは、音楽に興味があった子も、そうでなかった子も、夢中で演奏を聴いていました。目の前で演奏してくださる経験ができたことがよかったです。優しく、わかりやすくお話くださり、子ども達もとても嬉しそうでした。コンサート後、子ども達が興奮しながら感想を伝えあっていました。音楽のもつ力の大きさを改めて感じました。

久喜イリスステーション代表 熊田正子先生より

今回学校クラスコンサートが実現できたこと、大変ありがたく思っております。2022年度特級グランプリのピアニスト・北村明日人さんの素晴らしい演奏とお話を間近で聴くことができ、子どもたちが目を丸くしながら喜んでいる姿を見てとても嬉しくなりました。

ピアノの鍵盤の端から端までクロマティックスケールを弾く北村さんに『おぉ〜!』『速い!』など歓声があがりました。ピアノの構造を近くで見て触って振動を体感。また、曲のタイトルからイメージを想像させ、なんの音がそれを表しているか最後に答え合わせする。子どもたちが目の前の音に興奮して体を動かしたり、静かに目と耳で聴いたり思い思いの聴き方で感じていました。

北村さんが直接児童に話しかけ、それに答える子どもたち。お互いの意思疎通を伝え合えるのはやはり音楽室で行うコンサートならではだと思います。子供たちも音楽に興味を持ち、表現することの楽しさ・素晴らしさを体感できたと思います。大変に貴重なお時間をいただいて勉強になりました。ありがとうございました。

保護者&久喜イリスステーション 和地明子先生より

ピアノを習っている子もそうで無い子も楽しめるコンサートでした。クラシック音楽、ピアノの構造や音色について、分かりやすく説明して下さいました。曲のタイトルから情景をイメージしてから聴く、北村さんの演奏は心に染み渡り、感動的でした。子供達も、とても喜んでいる様子でした。ありがとうございました。

久喜イリスステーション 秋本奈穂子先生より

クラスコンサートの送迎時に北村さんとお話して1番印象的だったお話は、パリでショパンのお墓参りをされたときのことです。本当に生きていたんだ、と実感したとおっしゃっていました。その国に行き、その人のことを学び、表現する。先生のていねいでやさしい音の向こうにあるたくさんのものがちょこっとだけ見えた気がしました。コンサートもとてもあたたかくて楽しかったです。今度、ピアノの弦の震えを触ってみたいとおもいます。どうもありがとうございました。

音楽の先生より

クラシック音楽に触れる機会は授業の鑑賞の時間くらいで、生演奏を聴くことに馴染みのない子がほとんどかと思いますが、全員が始終集中してピアノの方を向き、音楽を味わっている姿がとても印象的でした。 目の前で素敵な生演奏を聴けたことはもちろんですが、演奏中の楽器に触りながら楽器全体の響きを体感したり、ピアニストの演奏中の姿や息遣い、空気を間近で感じることができたり、ピアニストの生伴奏で校歌を歌えたり、子どもたちにとって、非常に貴重で素敵な経験ができたことと思います!

生徒さんからのお手紙より
  • ピアノのことを学べて良かったです。僕が知らないことがたくさんありました。難しい曲を何曲も弾いてくれて、とてもかっこよかったです!小犬のワルツとチャイムの曲(真夜中の学校)が心に残っています。魔王とラ・カンパネラを少し弾いてくれたけど、僕が大好きな曲なので全部聴きたかったです!握手できてめっちゃうれしかったです!一緒に写真撮ればよかったなと思いました。ありがとうございました。
  • 普通は聞けない演奏で、演奏から教わったり、話してもらって、ピアノにはこんないい所があるんだなあと思ったり、ピアノにはこういう所があるんだと思いました。
  • 北村明日人先生の演そうを聞いてみて、表現力とピアノのひびきがすごいと思いました。夜の教室では最初のチャイムの後のもり上がっていくところの表現が夜の教室のこわさみたいなものをピアノだけで表現できて明日人先生はすごいなと思いました。私は明日人先生に教えてもらったことを意識してピアノをひきたいです。
ケーブルテレビ久喜で放送されました

番組名:ケーブルテレビ久喜「く・わ・し・く 彩たま」
放送日程:2024/06/28 (金)〜2024/07/01 (月)

広報くき8月号 Photo Newsに掲載されました
学校クラスコンサート
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