開催レポ:すばるイブニングコンサート 小田愛音ピアノリサイタル

開催日程:2024年1月6日(土)
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
主催:公益財団法人 富田林市文化振興事業団

第60回目のピアニストは大阪府立夕陽丘高校3年生の小田愛音さんです。

 

小田さんが最初に演奏してくださったのは武満徹の「雨の樹 素描Ⅱ -オリヴィエ・メシアンの追憶に-」。透き通った残響が重なり幻想的な世界を描いていきます。音の強弱は丁寧に演奏され、息をのむような緊張感に包まれました。続いては、バッハの「トッカータト短調」。ふくよかな音色が響き、左右の手に現れる旋律が対話しているようでした。前半の最後はベートーヴェンの作品から「ピアノ・ソナタ第18番」。第一楽章では厚みのある中低音に支えられたきらびやかな高音、第二楽章では鋭く力強いリズム、第三楽章では優しくうたわれる旋律、第四楽章では勢いよく流れを保った演奏が印象的でした。

後半はショパンの「ノクターン第6番」で始まりました。祈りを込めるようなメロディーが美しく、やがて低音がアクセントとなり情熱の高ぶりを表現しているようでした。続いては、リストの「スペイン狂詩曲」。全ての音域が力強く鳴り響き、躍動感あふれるリズムが生み出されます。しなやかさも随所に見られ、華やかでダイナミックな演奏でした。そして、最後に演奏してくださったのはドビュッシーの「喜びの島」。気まぐれなヴィーナスの心情を綴るような、浮き立つ楽し気なハーモニーに小田さん自身も楽しんで演奏しているようでした。

小田愛音さん

小田さんは終始落ち着いた演奏で、今回のプログラムは小田さんの魅力を十分に活たした選曲でした。そして、温かく厚みのある音色で俯瞰した音楽を奏でてくださいます。これからもいろんな作品でご自身の魅力を広めていただきたい思います。

来場者のコメント(抜粋)

  • 新年になり、美しい演奏を聴かせていただき心が洗われました。ありがとうございます。
  • 若いアーティストの活躍素晴らしい。毎回楽しませてもらっています。ありがとうございます。
  • 感動しました。
  • 超絶技巧の演奏とてもよかったです。
  • 一音一音がすごくきれいで聴いていてすごく楽しかったです。ありがとうございました。
  • ベートーヴェン素晴らしかったです。聴いている間にいろんなことを思い出し、涙が出てきました。
  • とても素敵な時間でした。
  • こんな近くで演奏を聴けて嬉しかったです。これからも応援しています。
  • リストがすごく良かったです。また公演してほしいです。
  • 感動しました。楽しい時間をありがとう。
  • 最高でした。とてもかっこよくて1時間たつのが早かったです。
  • 素晴らしいコンサートでした。これからが楽しみなピニストです。ショパンコンクールに出場かな。
  • 素晴らしい、感動しました。

レポート◎富田林すばるステーション 辻野文崇
写真撮影◎藤原敬久(すばるホール)

【広告】