田中美幸さん(B2カテゴリー1位) グランミューズ部門入賞者インタビュー

GrandMuse
第47回 ピティナ・ピアノコンペティション
グランミューズ部門
入賞者記念コンサート
出演者インタビュー
田中美幸さん
B2カテゴリー1位
札幌市出身。小4より札幌コンセルヴァトワールにてピアノを学び、高校2年で大学受験のために中断。その後は時折鍵盤を触る程度で、20年少々のブランクあり。年齢を重ねる中で音楽や芸術に触れたいという気持ちが高まり、40歳を機に再開。現在、宮澤むじか氏、そして子供の頃からの恩師である宮澤功行氏に師事。

コンペティション演奏曲目

アブラミャン:24の前奏曲よりNo.5, 6

入賞者記念コンサート演奏曲目

バグダサリアン:24の前奏曲よりNo.24、アブラミャン: 24の前奏曲よりNo.3, No.19


インタビュー

少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。

全く予想外の出来事で、名前が呼ばれた瞬間は、実際に目が飛び出したのではと思うほどの驚きでした。翌日札幌に戻り、少し興奮が収まった段階で改めて結果発表ページを確認し、現実であることと喜びを感じることができたように記憶しております。

コンペティション出場の動機を教えていただけますか?

日々の練習時間もあまり長くはなく、力みも取れないのですが、少しでも「音楽」を意識しての演奏が出来たらという事が、ピアノ再開後の目標の1つにあります。人前で弾く機会を設け、ある程度の期限を設けて練習することでメリハリがつくと思いますし、技術面、音楽の面でも得られるものがあるのではないかと考え、今回のグランミューズにも挑戦を致しました。

コンペティションの選曲理由を教えていただけますでしょうか?

ピアノを再開すると同時に、これまでは知らなかった様々な曲も聴くようになり、アルメニアの作曲家にも辿り着きました。その中でもアブラミャンとバグダサリアンの曲がとても魅力的に感じ、これは絶対に弾きたい!という曲をリストアップ。そして、コンクールの制限時間内に収まることと、複数曲を組み合わせた時の相性はどうだろうと自分なりに考え、先生にもご相談して最終的に選曲いたしました。

レッスンには通われていますか?

レッスンには、月2回通うようにしています。譜読みが追い付いていないことも多く、先生には申し訳なく思っておりますが、そのような状態でも、技術的なヒントや、音楽の面から考えるべきこと、弾く上での選択肢を与えて下さり、毎回のレッスンでたくさんの気付きや課題を下さいます。そして優しく、とても華やかな先生ですので、いつもオーラを浴びに行く気持ちでレッスンに伺っています。

お仕事、学業ではどんなことをされていますか?

ソフトウェア開発会社で、主には契約関係や財務関係などを担当しています。

ピアノ以外にご興味があることは何ですか?

鉱石や鉱物を見ることが好きです。好きと言いましても、全く専門的な知識は無く難しいことも分かりませんが、気に入った書籍や写真集を時折眺めては、癒されています。

普段はどれくらいピアノを練習されていますか?頻度、場所、時間などお聞かせください。

平均すると1日あたり30分程度、長く弾けても1時間程だと思います。たまにですが2~3日ピアノに触れることなく過ぎてしまうこともあります。

日々の練習時間はかなり凸凹していますが、その代わり1~2曲に絞り、長い期間をかけて取り組むようにしています。

好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。

協奏曲や歌曲、聖歌なども含めてですが、「この曲がとても好き」という曲目が、バッハ、ショパン、フランク、ラフマニノフ、リャプノフ、プーランクなどなど多くの作曲家ごとにあります。また、ここ数年とても興味を持っているアルメニアの作曲家も、知れば知るほど沢山の作曲家の存在、素敵な曲がたくさんあり、その出会いや発見をとても楽しく感じております。

好きな演奏家は選ぶのは難しいほど沢山いらっしゃいますが、何人かお名前を挙げるならば、福間洸太朗さん、藤田真央さん、反田恭平さん、角野隼斗さんは特に好きです。

ピアノを演奏する際に心掛けていることは何ですか?

とにかく力んでしまうので、音が固くなりますし、腕もすぐに痛くなってしまいます。どうしたら余計な力を抜くことができるか、まだ全く改善はされていませんので、引き続きの課題です。同時に、子供の頃から本番でものすごく緊張してしまう為、そこも課題です。どうにか解決できないかと書籍を集めて、できそうだなと思ったことは試してみるようにはしています。

また、風景が広がるような、様々な感情や色が音に含まれているような演奏ができたらという憧れがあり、いつか、一度でもそのような演奏が出来たら幸せだなと思っています。

入賞者記念コンサートの曲目の選曲理由を教えてください。

グランミューズのコンクール選曲としては、アブラミャンのみで挑戦しましたが、この度のコンサートでは、バグダサリアンの曲も含めることにいたしました。今回素敵な賞をいただけたのは、アルメニア作曲家の素晴らしい曲の構成や音楽性が評価されたのだと思っており、そのような感謝の想いものせて演奏できたらと考え、選曲いたしました。

入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!

本日選曲したプログラムは、有名な作曲家と比べると、お聴きいただく機会もおそらくあまり多くはないように思います。是非お聴きいただき、更に、もし気に入って下さる方がいらっしゃれば、とても嬉しく思います。心を込めて弾けたらと思っております。

グランミューズ部門のへの参加は、ありがたいことに年々増えています。大人のピアノ学習の継続的な発展のため、グランミューズ部門へ初挑戦を検討している方へメッセージをお願いします。

グランミューズ部門は、幅広い作曲家や曲目の演奏を聴き知ることができ、非常に勉強になりました。また、おそらく皆様それぞれにお仕事や家庭のこと、そして様々な環境や状況の中で、こんなにも多くの方がピアノを弾いている!自分もその中の1人なんだ!と思えることが心の支えにもなり、これからも続けていこうという気持ちにつながりました。
そして私の場合は、恥ずかしながらピアノを再開して初めて、好きな作曲家の生きていた時代や背景等にも興味を持つようになりました。とはいえ、深い学習は全然できてはいないのですが、自分自身の年齢やタイミングによって諸々異なってくることを非常に興味深く感じています。
「大人のピアノ」の楽しみ方はひとつではなく、沢山のカタチがあると思いますので、これから先も都度状況に合った挑戦の仕方ができるとよいなと私自身は思っております。

▼コンサート詳細はこちら▼
2023年度 グランミューズ部門入賞者記念コンサート
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