松永真由美さん(Cカテゴリー2位) グランミューズ部門入賞者インタビュー
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入賞者記念コンサート
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ショパン:ポロネーズ 第6番 Op.53 「英雄」
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 Op.83 第2楽章
少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。
当日の演奏は、決して完璧だったとはいえないものの、自分の音楽を精一杯表現することができたと思います。気持ちよく演奏できたという達成感に加え、思いもしなかった結果をいただけて、本当に嬉しかったです。
コンペティション出場の動機を教えていただけますか?
ずいぶん前にグランミューズ 部門のA2カテゴリーに出場を始めました。仕事をしていた時期でもあり練習時間の確保が厳しくコンペティションに出場してもいつも中途半端に終わる事ばかりで、途中から参加を辞めてしまいました。
退職をしてから、猛烈にピアノを弾きたくなり、自分が大学卒業後にピアノから離れていた時間の取り戻しをしたいとの気持ちで2022年から再挑戦を始めました。
また自分があと何年ピアノを弾き続けることが出来るか意識した事も、ピアノやコンペティションに対してモチベーションを上げた理由でもあります。
コンペティションの選曲理由を教えていただけますでしょうか?
実は2022年も運良く全国大会に出場させて頂きました。しかし全国大会に来る飛行機で航空性中耳炎になって耳の中に水が溜まってしまい、音がよく聴こえず音色のコントロールができないまま、演奏を終えてしまいました。情けなくて王子ホールのトイレで泣いて、ホテルに帰って更に号泣してして、来年もこのポロネーズ6番で絶対に挑戦する!弾きたい!という気持ちからの選曲でした。
レッスンには通われていますか?
定期的なレッスンは受けていません。
年に1回程上京してアドバイスを頂く感じです。
ピアノ以外にご興味があることは何ですか?
プランターで野菜を作ったり、鍬で庭を掘ったり、木の枝をノコギリでギコギコ切ったり、ピアノとは全然関係のない事をしています。木いちごの剪定で枝のトゲで手が血だらけになりました。
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普段はどれくらいピアノを練習されていますか?頻度、場所、時間などお聞かせください。
自宅で平均して1日3時間程度です。年に数回はホールの舞台だけお借りして響きを確認します。フルコンが弾けるのも嬉しいです。
どうしても年齢から来る体力や技術の衰えは避ける事はできないので、時間を分散させて体力を戻して練習したり、弱くなってきている指の練習や腕や手首の柔軟性を意識して練習する様にしています。短い時間しか取れない時でも、とにかく毎日弾くようにしています。ただ暗譜が本当に厳しくなってきました。
好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。
プロコフィエフ
破壊的に聴こえるハーモニーの中に隠れている美しい旋律の主張、重なりや立体感、休符の粋な部分に惹かれます。
ラフマニノフ
まだ弾いていないのですがとにかく心臓を鷲掴みにされるロシア語を聴いているかの様な重厚な響きがたまりません。
ショパン
ショパンやポーランド市民の生活や歓声や嗚咽や嘆きを感じてしまいたまりません。
バッハ大先生
ピアノに行き詰まったり、嫌な音色になってきた時は、バッハ大先生の所へ戻ります。
ピアノを演奏する際に心掛けていることは何ですか?
曲にどれだけ共感し寄り添え、曲が持つ鼓動や息遣い、肌触りを感じ、表出できる様に心がけています。
また、曲や楽譜、フレーズやハーモニーから訴えてくる
<こういう風に弾いて!>
というメッセージを逃さずキャッチする事も大切にしています。
また、ピアノ、ホールと会話して仲良くなる事も意識しています。
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入賞者記念コンサートの曲目の選曲理由を教えてください。
大好きなプロコフィエフから選びました。
コンペティションでは、全楽章を演奏する事は時間的に厳しく、またアグレッシブな楽章を選曲する事が多いので、今回のコンサートでは美しい旋律と和声で進みながら、苦悶や闇の部分が際立ってくる7番のソナタの第2楽章を選びました。
入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!
素敵なホールで演奏させて頂けるチャンスがあるだけでありがたいです。
グランミューズ部門のへの参加は、ありがたいことに年々増えています。大人のピアノ学習の継続的な発展のため、グランミューズ部門へ初挑戦を検討している方へメッセージをお願いします。
少しでも「弾いてみたいなぁ」という思いがある時は絶対にピアノは上達します!練習も大切ですが、本番体験は更に重要です。
私もピアノを引退する時に後悔しない様に、この歳になっても弾きたい曲にチャレンジしています。
年齢を重ねたから気づく事、ピアノから離れていたからこそ発見できる事があります。審査員の先生方からも厳しくも温かい応援のメッセージを頂ける事が、本当に励みになります。一緒にチャレンジしましょう!