レポ4:5/4丸ビル マルキューブ アトリウム 木管五重奏/ピアノ(LFJ丸の内)

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023 丸の内エリアコンサート
開催レポート Vol.4(5月4日丸ビル マルキューブ 開催分)

いよいよラ・フォルジュルネ本公演がスタート!音楽ファンが集う東京駅・丸の内エリアは街中が音楽祭!どの公演にも多くのお客様が集い、ラ・フォルジュルネの活気が4年ぶりに戻ってきたことを実感する1日でした。

ラ・フォルジュルネ東京2023 丸の内エリアコンサート トップ


5/4(木)
丸ビル マルキューブ

総合司会:飯田有抄

ミニコンサート
エロイカ木管五重奏団
出演:斉藤光晴(fl)大成雅志(cl)最上峰行(ob)井上直哉(fg)大森啓史(hr)

丸の内エリアコンサートで毎年人気の、エロイカ木管五重奏団による演奏。本日最初の公演は、ベートーヴェンの師であったハイドンの「ディヴェルティメント」で明るく幕を開けました。続く楽器紹介では、各演奏者による楽器の音が出る仕組みの説明を経て、その楽器が主役となる曲の1フレーズが演奏されました。楽しくセンスのある楽器紹介に、聴衆が徐々に引き込まれていきます。 そして、ビゼーの「カルメン前奏曲」で会場の雰囲気を盛り上げると、恒例の指揮者体験コーナーへ。会場から選ばれた2名の指揮で、それぞれ味わいのある「ラデツキー行進曲」が響き渡りました。 最後の「ボサノバ風の運命」では、ベートーヴェンの「運命」のフレーズがさまざまな箇所に現れました。アンコールは、ヨハン・シュトラウス2世の「観光列車」。楽器の持ち替えなど視覚的にも華やかに締めくくられました。

♪エロイカ木管五重奏団より:久しぶりに丸の内エリアコンサートに帰ってくることができ、私たち自身、心から楽しんで演奏させていただきました。たくさんの方々にご来場いただき、ありがとうございました。

プログラム
ハイドン:ディヴェルティメントより
ビゼー:カルメン前奏曲
ボサノバ風の運命 他
楽器紹介
指揮者体験コーナー
ミニコンサート
ベートーヴェンを継ぐ者たち
出演:赤松林太郎

午後のプログラムは、ベートーヴェンの小品「喜び-悲しみ」から始まりました。ベートーヴェンに憧れたシューベルト、シューベルトを愛したシューマン。赤松林太郎さんの解説と演奏で、ベートーヴェンの音楽の系譜が読み解かれていきます。「クライスレリアーナ」の音色が丸ビルの吹き抜けに響き渡り、窓の外の新緑と混じり合って、絵のような、音のような景色が広がりました。シューマンを師と仰ぎ、妻クララを献身的に支えたブラームスのコラール前奏曲に続き、「月光」ソナタ、第三楽章でエネルギッシュに幕を閉じました。

「現代の私たちと同様に、時にはそれ以上の困難と向き合いながらも音楽の力を信じたベートーヴェン。私たちも音楽の力を信じ、伝えていきたい」とおっしゃった赤松さんの言葉から、ベートーヴェンの音楽は、時と国境を越え、今ここに受け継がれていることを実感したひとときでした。

プログラム
ベートーヴェン: 喜び-悲しみ WoO.54
シューベルト/リスト: 水の上にて歌える
シューマン: クライスレリアーナ Op.16 より第2曲
ブラームス/ブゾーニ: コラール前奏曲「一輪のバラが咲いて」Op.122-8
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第14番 Op.27-2「月光」第3楽章
ミニコンサート
小原孝の一番易しいベートーヴェン講座
出演:小原孝(p)

爽やかなイントロと聴き慣れたあの声。小原孝さんのプログラムは、いつものラジオのようです。「ジャンボ宝くじ交響曲」「ベートーヴェンメドレー」と、楽しいプログラムが続きます。「エリーゼのために大研究」のコーナーでは、エピソードを交えつつ、様々な角度からその魅力に迫りました。「悲愴」ソナタ 第二楽章をアレンジした「悲しみのむこうへ」は、今回が初演とのこと。染み入るようなメロディと歌詞に、丸ビルいっぱいのお客さんが耳を傾けていました。アンコールはラヴェルのボレロ。これを楽しみにしていたファンもいたようです。面白い仕掛けがたくさん詰まった音の響きに魅了され、会場は大きな拍手に包まれました。

「コロナで止まっていた時計が、また動き出したような気持ちになりました」とお話してくださった小原さん。これからもワクワクするような音楽を届けてくださることを、楽しみにしています!

プログラム
ジャンボ宝くじ交響曲(交響曲第7番より)
スヌーピーとベートーヴェン
エリーゼのために大研究
悲しみのむこうへ/作詞:山川啓介 ・作曲:ベートーヴェン(悲愴ソナタ第2楽章)

文:飯島帆風、山平昌子(2022特級公式レポーター)


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