レポ3:5/4丸の内MY PLAZA アトリウム ピアノ/ヴァイオリン/協奏曲(LFJ丸の内)

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023 丸の内エリアコンサート
開催レポート Vol.3(5月4日:丸の内MY PLAZA アトリウム開催分)

いよいよラ・フォルジュルネ本公演がスタート!音楽ファンが集う東京駅・丸の内エリアは街中が音楽祭!どの公演にも多くのお客様が集い、ラ・フォルジュルネの活気が4年ぶりに戻ってきたことを実感する1日でした。

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丸の内MY PLAZA アトリウム
ミニコンサート
ピアノ・ソナタ名曲選~中期から後期へ
出演:国本奈々(p)、神宮司悠翔(p)

リハーサル前から長蛇の列で大賑わいのMY PLAZAアトリウムでは、今年のテーマ「ベートーヴェン」の中期ソナタを福田靖子賞1位の国本奈々さんとピティナ特級銀賞の神宮司悠翔さんが好演。国本さんは落ち着いた芯のある多彩な音色でソナタ第27番と、ベートーヴェンとも縁の深いシューベルト/リストのセレナーデを披露。神宮司さんも「熱情」を力強く迫真の迫真の激情を轟かせました。短い時間ながらそれぞれのリサイタルのようで、午前のアトリウムをまばゆく彩りました。演奏中も多くの人々が集まり続け、カーテンコールも拍手喝采!華やかな1日のはじまりとなりました。

♪国本奈々さんより:LFJの丸の内はずっと憧れのステージでした。素敵な場所で多くの皆さまに聴いていただけて、とても幸せです。ベートーヴェンはまだまだ片思い中ですが大好きな作曲家です。

♪神宮司悠翔さんより:オープンスペースでの演奏は初めてで緊張しましたがとても楽しめました。「熱情」に込められたベートーヴェンの感情を少しでもお伝えできていたら嬉しいです。

プログラム
国本奈々(p)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調Op.90
シューベルト/リスト:セレナーデ
神宮司悠翔(p)
ベートーヴェン:ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」第1楽章
ミニコンサート
ピアノソナタ名曲選~光と影の間で
出演:仁宮花歌(p)、稲積陽菜(p)

満場の熱気の中、現在音高3年の仁宮花歌さんと、桐朋学園大学2年の稲積陽菜さんが登場。仁宮さんは18世紀終わり頃の初期ソナタ第7番から第1・4楽章を。優美で上品かつリズミカルに、翳るようなフレーズもどこか温かく柔らかく響きました。稲積さんは様々な音色を使い分けソナタ第16番を鮮明に描きました。シューマンがベートーヴェン記念碑の建立に際して作曲したとされる幻想曲も歌うよう。歴史の連なりを感じられる趣向を凝らしたプログラムで、今年のテーマ「ベートーヴェン」にぴったりなミニコンサートとなりました。

♪仁宮花歌さんより:お声がけいただいたときは「すごい人ばかり出演するイベントになぜ私が?」と驚きました。ベートーヴェンはとても難しいですが大切にしているレパートリーです。今回ソナタを弾くことができて嬉しく思います。

♪稲積陽菜さんより:昨年に続けての参加ができ光栄です。少し近寄りがたく思われがちなベートーヴェンの別の一面をお届けしたいなと思い工夫しながら弾きました。新たな魅力をお伝えできていたら幸いです。

プログラム
仁宮 花歌(p)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3 第1・4楽章
稲積陽菜(p)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 Op.31-1 第1楽章
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17 第1楽章
ミニコンサート
協奏曲名曲選~ピアノ協奏曲第1番
出演:太田糸音(p)、エロイカ木管五重奏団~斉藤光晴(fl)大成雅志(cl)最上峰行(ob)井上直哉(fg)大森啓史(hr)

オープニング・ガラでも大変な盛り上がりを見せたエロイカ木管五重奏団の皆さんがMY PLAZAに!曲目はベートーヴェンがウイーンデビューの際に演奏したといわれているピアノ協奏曲第1番。ソリストの太田糸音さんはSNSで「初期作品のフレッシュな若々しさを、ガラス屋根の開放的な吹き抜け空間でどうぞお楽しみください!」とワクワクの告知も。その言葉のとおり、太田さんと若きベートーヴェンのフレッシュさが見事に重なり、林憲秀さん編曲の華やかなアンサンブルとひとつになって、陽光注ぐ午後のアトリウムが幸せに満たされました。特に第3楽章の疾走感は圧巻で、アンコールを求める拍手が鳴り止まないほどでした。

♪太田糸音さんより:以前の出演はリモートや無観客でした。たくさんの方がお集まりくださり、感無量です。クラシックを自然に、気軽に聴いていだだけるまたとない機会に演奏でき嬉しく思います。第3楽章は、エロイカの皆さんとリハーサルで合わせたときに少し早く弾いてみたいと感じ挑戦しました。 

♪エロイカ木管五重奏団より:太田さんがとにかく素晴らしかった。僕たちも良い演奏ができた。特に、あんなに早くて盛り上がる3楽章はなかなかない、お客様にとっても良いコンサートになったのではないかと思います。

プログラム ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 Op.15(木管五重奏編曲:林 憲秀)
ミニコンサート
「スプリング」~優美なるベートーヴェン
出演:吉本梨乃(vn)、尾城杏奈(p)

この日のMY PLAZA最後を飾ったのは、ウイーンを拠点に活動中のヴァイオリニスト吉本梨乃さんと、ピアノはパリ・エコールノルマル音楽院に留学中の尾城杏奈さん(2020年特級グランプリ)。叙情性あふれるロマンス第2番に続けて、えもいわれぬ美しさと弾む躍動感でヴァイオリンソナタ「春」を披露。初共演とは思えないほど息の合ったおふたりの華麗な名演に、楽章間にも拍手が。演奏が終わっても会場は興奮おさまらず、アンコールに応えてブラームス/クライスラーのハンガリアン舞曲第17番を演奏してくださいました。西日がキラキラと射し込むアトリウムに、名残惜しくも満ち足りた余韻が漂っていました。

♪吉本梨乃さんより:海外では屋外ステージやストリートで弾く機会も多く、大勢の方々にお集まりいただいた開放的なステージで自分らしく弾くことができました。思い切り自由に弾いても尾城さんが合わせてくださって、本当に楽しく演奏できました。

♪尾城杏奈さんより:吉本さんとは今回がお会いするのも初めてでしたが、とてもフレンドリーですぐに意気投合できました。想像していた何倍も多くのお客様がいらしてくださり、有観客の丸の内で演奏が出来たことをとても嬉しく思います。

プログラム ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調Op.50
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」

文:寿すばる(2022特級公式レポーター)


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