豊田市立松平中学校×調律師・鶴田圭寿さんインタビュー(学校活動協力レポート)

2022年11月8日(火)に愛知県豊田市立松平中学校で行われた「松中生と大人がミライを語る会」において、調律師の鶴田圭寿さん(調律会員/東京都)への同校の生徒さんによるインタビュー取材が実施されました。

初めて自分が調律した音を聴いた時の気持ちは?

中学2年生のキャリア教育の一環として行われた「松中生と大人がミライを語る会」は、様々な職種で働く大人にインタビューし、働くことに対する考えを深め、進路選択のための重要な学習機会とすることを目的とした初の試みです。オンラインで開催され、ブレイクアウトルームで、1対1でインタビューが実施されました。

インタビューしたのは、調律師が将来の夢の選択肢の一つだという中学2年の成田さん。幼稚園の頃からピアノに触れていて、調律師さんが家で調律する様子を見て憧れ、自分で調べるうちに目指してみたいと思ったそうです。インタビューのために、事前に調べたことを盛り込んで10の質問を準備され、熱心に鶴田さんにお話を伺っていました。

「調律師になるには身長が150センチ以上必要?」という質問には、アップライトのチューニングピンが高い所にあることや、ピアノのアクションが軽いものでも10キロ、重いものでは30キロもあり力仕事が多いことを挙げて、身長があると有利だという実情を説明されました。

さらに、「ピアノに汚い音を何音か混ぜる狙いは?」「調律で一番扱いが難しい部品は?」「一番難しかったお客さんの希望は?」といった専門的な質問から、「調律師になりたいと思ったきっかけ」「調律師になるための資格試験とは?」「初めて自分が調律したピアノの音を聞いた時の気持ち」など、「調律師」という職業に就くことへの高い関心が見られる質問もありました。

年間500件の調律をこなす鶴田さんは、画面にピアノのアクションや調律道具を映して技術的な説明をしたり、初めての時は「うまくいかないな…」と思ったことや、英語、数学、理科、社会、国語、体育など学校でした勉強が全部仕事に役に立っていること、特に新しいことを学ぶ時や実社会では英語が必要となること、どんな状態のピアノでもお客さんのピアノを大切に扱う気持ちなど、豊富な経験から丁寧に答えてくださいました。

アップライトの高さと身長
松平中学校・成田さんより

今回はこのような対談の機会を設けてくださり誠にありがとうございました。担当してくださった調律師の方にはとても多くのことを話していただき、貴重な体験になりました。具体的で分かりやすい説明を聞いて調律師の道を進むには何が必要なのか、何から始めるのが良いかが分かり、インタビュー前よりも少し自信がつきました。道具や部品をカメラに映してくださったり、ホワイトボードなどに解説を書いてくださったのがとても分かりやすく、印象にも残りました。これから自分の中でたくさん考えて進んでいきたいと思いました。

調律師・鶴田圭寿さんより

事前に質問を受け取っていたのですが内容がとても具体的でよく調べているな、と感心しました。実際のインタビューも真剣でなにか大学生の就活相談にでも乗っているような気分でした。こちらもあまり「夢はきっと叶う」などといったキレイごとは避けて、なるまでの進路となってからの困難さなど現実的な話をしました。最近の中学二年生は驚くほどしっかりしていますね。

学校の先生より

本日は本当にありがとうございました。調律師の方と直接お話をさせていただけたことで、生徒とっても貴重な経験になったと思います。

キャリア教育に関するインタビューは本校でも初の取り組みで、生徒が興味をもった職業の方にインタビューをするという形で実施をしました。仕事の内容についてはもちろんですが、一人の大人がどのような人生を歩んできたのか、そしてこの先の未来をどう描いているのか、それらに触れることで、中学2年生の多感な時期に、これから自分が歩む人生について考えること、未来に向かって今できることに精一杯取り組むことなどを感じてほしいと考えております。

「音楽にまつわる仕事のプロに話を聞いてみたい」など、ご要望の場合はピティナ本部事務局までお問い合わせください。

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