北村 明日人さん(特級グランプリ)～入賞者記念コンサート出演者インタビュー

グランプリ受賞おめでとうございます！今年度のコンペティションの思い出をお聞かせください。

サントリーホールでベートーヴェンを演奏できたことはこれ以上ないほどの喜びでした。ラウンドが進むにつれてたくさんの人が自分の演奏を聴いているという状況において、いかに人の目を気にせずに音楽だけに集中できるかという精神的な面での苦労が大きかったです。

ピティナのコンペティションに出場されたきっかけを教えてください。

理由はいくつかありますが、「学生最後の年であるので、最後のコンクールとして挑戦してみたかった」「伴奏ピアニストになりたいので、ピアノ関係者だけでなく弦・管楽器奏者などのたくさんの方の目に触れ、認知してもらいたい。そのためには広報に力を入れているピティナが最適だと思った」という2つの理由が大きいです。

好きな音楽家、憧れの音楽家を教えてください。

好きな作曲家はベートーヴェン・ブラームス、好きな演奏家はソコロフ・バレンボイム・アラウ・ケンプ・内田光子などなどです。単純な綺麗さなどに目も当てず、1つひとつの音についてなぜそこにあるのかという理由を与えているような演奏家が好きです。

いつか弾いてみたい、憧れの一曲はありますか。

常に弾きたい曲を勉強しているので、「いつか弾きたい」で止まっている曲は今のところありません。

最近感動したことはありますか。

立石公園からみた諏訪湖、屋久杉でできた食器の軽さ、江戸切子、フルトヴェングラー指揮のブラームス/ ドイツレクイエムのYouTube動画、武満徹作曲『小さな空』などです。

最近のマイブームは何ですか。

ありがたいことにいろいろな場所で演奏の機会をいただいているので、訪れた場所での風景写真を撮ることです。

お住まいの地域の魅力を教えてください。

地元の神戸市は文化事業に特に力を入れています。市営地下鉄海岸線の全駅にストリートピアノが設置されていたり、街中にフルコンサートグランドピアノが置かれている街です。

好きな食べ物は何ですか。

神戸の郷土料理『そばめし』です。

練習が大変な時の気分転換の方法

時間がある時は思い切って少し遠出して、綺麗な風景を見に行きます。自然に触れると、悩んでいた事に対してヒントが浮かんだり、新しいアイデアが浮かんできます。

ピアノを弾いていて良かった、と思う瞬間はどんな時ですか。

「すべての感情にたいして客観的に捉えることができ、表現することができる」という点で特に、音楽を勉強していてよかったと思います。例えば大きな不安や悲しみがあった時に、私はその感情を抱え込んでしまうのではなく音楽での表現の糧にできると思っています。客観的に感情を見て、理性でコントロールすることができるというのは音楽を勉強している大きな恩恵だと感じます。

この舞台を経て、10年後、あなたはどんな人になっていると思いますか。また、どんな人になっていたいと思いますか。

ソロのピアニストとしてはベートーヴェン・ブラームスのピアノ曲を特に専門的に演奏していたいです。また伴奏ピアニストとして、習熟度に関係なく一人でも多くの楽器演奏者と共演して、一緒に音楽を作る喜びを共有できる音楽家になっていたいです。