開催レポ：『野村友里愛ピアノコンサート』（ヤマハ東京・名古屋・大阪）

少し春めいてきた3月上旬、野村友里愛さんが2021年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ褒賞コンサートとして、ヤマハ銀座コンサートサロン、ヤマハグランドサロン大阪・名古 屋で、それぞれソロリサイタルに出演しました。
コロナ感染症防止のため、客席を半数に制限にするなど対策を施して開催されました。

《プログラム》
前半
ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ　第8番　ハ短調　Op.13「悲愴」
ショパン:ノクターン　第8番　変ニ長調　Op.27-2
ドショパン :バラード 第1番 ト短調Op.23
後半
リスト: ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲（巡礼の年 第2年 「イタリア」より）S.161
ラフマニノフ:前奏曲Op.2-3 「鐘」
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第2番変ロ短調 Op.36
(アンコール)
ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」

いずれの会場も満席で、来場者の期待の高さが伺えた各公演。東京公演では、これまであまり演奏する機会の多くなかったというベーゼンドルファー・インペリアルでの演奏に「貴重な体 験となりました」と笑顔で話していた野村さんは、適応力の高さを発揮して楽器のポテンシャルを余すところなく引き出す見事な演奏を披露しました。その翌週には名古屋、大阪で連日 の出演にも関わらず疲れる様子も全く見せず、大曲が並ぶプログラムをダイナミックで情感豊かな演奏で進めていきました。スケールの大きな演奏に、各地とも大きな拍手が送られてい ました。
「まだまだ制限の多い状況の中、このような機会を頂けたことに感謝しています」と言う野村さん。今後ますますの活躍が楽しみです。

使用ピアノ：
ベーゼンドルファーModel290　インぺリアル（東京）
ヤマハプレミアムピアノCF6(名古屋)
ヤマハプレミアムピアノCFX（大阪）

レポート◎一瀬忍（株式会社ヤマハミュージックジャパン）