開催レポ:すばるイブニングコンサート 大山桃暖ピアノ・リサイタル

日程:令和4年1月29日(土)17時開演
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
出演:大山桃暖(ピアノ)

すばるイブニングコンサート第54回目のピアニストは大阪学芸高等学校1年生の大山桃暖さんです。

大山さんのコンサートはモーツァルトの「幻想曲ニ短調」ではじまりました。美しく透き通るような和音が会場に響き渡ります。休符がもたらす緊張と柔らかく優しいメロディーの対比が素晴らしい演奏でした。

続いてはショパンの「バラード第1番」を演奏してくださいました。低音も高音も澄んだ音色がピアノから放たれ心に迫ってきます。音型やリズムなど繰り返し演奏される部分は様々に表現が異なっていてとても味わい深いものでした。

次の曲は、ワーグナー=リストの「イゾルデの愛の死」。大山さんがプログラムノートに書いてくださったように、弦楽器をイメージしてずっと鳴り響いているかのように演奏される鍵盤の連打が、楽劇の悲哀に満ちたシーンを思わせ、張り詰めた空気を醸し出していました。

次は、チャイコフスキーの作品から「ドゥムカ」。雪の降る広大な大地を想像させる冒頭部分から、力強くリズミカルで陽気な雰囲気の中間部まで高い集中力を持って演奏してくださいました。最後はストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」からの3楽章。高い技巧を活かした小気味良くダイナミックな演奏で、終始魅惑的な演奏でした。

大山さんは音の透明感が秀逸で、曲全体の構成を俯瞰できる力をお持ちです。また、休符が生み出す「間」の感覚が素晴らしく、曲の魅力を存分に引き出していました。これからも持ち前のテクニックを活かされ、更に表現力の幅を広げていただきたいと思います。

大山桃暖さんの感想

この度は「すばるイブニングコンサート」に出演させて頂くという素晴らしい機会を頂き有難うございました。

僕にとっては、初のソロコンサートでしたが会場の方達があたたかい目で見守って下さったお陰で緊張する事もなく、とても楽しく気持ちよく演奏させて頂く事ができました。
天井が高くとてもお洒落な会場で、上に上がっていく響きを聴きながら、自分なりの感謝の気持ちを込めて演奏させて頂きました。 たくさんのお客様に来て頂けてとても嬉しかったです。忘れることのない心に残る一日となりました。

これを励みに、これからも楽しく勉強をし続けて一歩一歩成長していきたいと思います。
本当に有難うございました。

大山桃暖

来場者のコメント

  • 素敵でした、これからも頑張ってくださいね。
  • イゾルデの愛の死はファンタジーなオーケストラの音色使いで、聴き応えがありました。
  • 素晴らしい演奏をありがとうございます。楽しそうに弾いているので、こちらも楽しい気持ちになります。
  • このような美しい演奏がきけて良かったです。エネルギーいっぱい、今後が楽しみです。
  • 特にチャイコフスキーとストラヴィンスキーが良かったです。
  • とても楽しい選曲で、素敵な1時間でした。また、聴きたいです。
  • 同い歳とは思えない、素晴らしい演奏でした。聴いていて楽しいコンサートでした。
  • ピアノがよく響いて素敵でした。
  • 素晴らしい演奏で感動しました。素敵な時間を過ごすことができました。

レポート◎富田林すばるステーション 辻野文崇
写真撮影◎西村則晃(すばるホール)

【広告】