グランミューズ部門入賞者インタビュー:Cカテゴリー1位 浅田陽子さん

GrandMuse
グランミューズ部門 入賞者記念コンサート
出演者インタビュー

2022年2月26日(土)に行われるグランミューズ部門入賞者記念コンサート。
今回は、浅田陽子さんです。新設のグランミューズ部門Cカテゴリーで、1位を受賞されました。コンペティション、入賞者記念コンサートともに現代曲からのご選曲です!


Cカテゴリー1位
浅田 陽子さん
顔写真
鹿児島市生まれ。お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業。13歳で音楽の勉強を中断。長男の音楽教室入室を機に35歳でピアノを再開する。ピティナピアノコンペティションアミューズ部門(2003年)Bカテゴリー優良賞、グランミューズ部門2008年B2カテゴリー全国決勝大会入選。2010、2013、2014年A2カテゴリー本選奨励賞。 2021年3月、広島ターフェルオーケストラとグリーグのピアノ協奏曲を共演。2008年より松本和将氏に師事。
 

コンクールでご入賞されたお気持ちをお聞かせください。

今の「グランミューズ部門」が「アミューズ部門」と呼ばれていた2003年からほぼ毎年参加しておりまして、2008年まではBカテゴリーにエントリーしていました。そのころご一緒していた方々が、Bカテゴリーで入賞や優勝、ついでAカテゴリーでも好成績を収められて、「卒業」みたいな感じになり(笑)、どんどん新しい方々とご一緒するようになりました。私の方は2010年から、Aカテゴリーにエントリーするようになったのですが、現代曲の年もあれば、リストやベートーヴェン、自編曲の時もありました。その時の自分的課題に挑戦していたという感じでしょうか。でもやはり現代曲を弾く機会が恋しくて(笑)、ちょうど弾きたい曲があったことでもあり、バツェビッチをコンペで弾くことにしました。この曲は以前グランミューズの決勝で弾かれたことがあるようなのですが、あまり日本では弾かれないようなので、この曲の第1楽章と第3楽章を王子ホールで演奏することができて大変光栄でした。思いがけず受賞でき、ありがたく思いました。

コンペティション、記念コンサートともにたいへんユニークな選曲であると感じました。どのようなところから楽曲情報を入手されているのでしょうか?

もともと現代曲が好きなので、暇があれば動画を漁っているんですが、そうすると、あちらの方からいろいろおススメしてくれます(笑)。

普段の練習はどのようなスケジュールでされていますか?

決まった仕事をしていないので、練習時間はかなり自由です。昨年3月まではC5の入った防音室が自宅にあり、夜中でも自由に弾けたのですが、4月に転居し、練習はYAMAHA P125でやることになりました。ヘッドフォン使用で遅い時間でも大丈夫ですが、出来るだけ午前中に1〜2時間練習するようにしています。ただ、新曲が多くなってしまったり、本番が続いていると、弾けるまでやるしかないので、どうしても長時間になります。ある程度弾けるようになったら、貸しスタジオに週一くらいで弾きに行き、本番前はできるだけ本番と同じ機種を探して練習する…という感じです。
内容は、「苦手なテクニックを含んだエチュード数曲」「近い本番曲の仕上げ」「遠い本番曲の譜読み」です。

全国大会・入賞者コンサートでの選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。

全国大会で演奏したのは、バツェビッチというポーランドの女性作曲家の「ピアノソナタ2番」。リズムをもって前進していく部分と、浮遊感のある不思議な部分、全体を通しての響きの透明さに惹かれました。
入賞者コンサートでは、トルコの作曲家エルキンの「インプレッションズ」を演奏します。数年前にエルキンのピアノソナタやピアノ五重奏に出会い、魅力を感じていました。それを知った友人から、この愛すべき小品集を紹介してもらいました。「ゲーム」「小さな羊飼い」「小川」等、子供向けかと思われるようなタイトルがついていますが、一見単純そうな音の並びによる独特のサウンドをお楽しみいただければと思います。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。

ピアノに向かったら、なるべく日常というか主婦臭さを切り離すことでしょうか(笑)。再開してしばらく経ったころ(15年くらい前)、2人の先生、それも女性と男性から、「生活が滲み出ている」と、まったく同じことを言われました。
あとは、月並みですが、身体とメンタルの管理・調整。

好きな作曲家・ピアニスト・録音はありますか。

子供の頃から変わらず好きなのはシューマンですが、実はほとんど弾いたことがないのです。一方、好きというよりピアノを弾く目的でもあるのはベートーヴェンで、65歳までに32のソナタをコンプリートする計画を立てています。2008年以来「ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会」で、1曲もしくは2曲ずつ弾いています。あと11曲残っています(笑)。ピアニストは、リパッティ、ホロヴィッツ、アルゲリッチ、アニー・フィッシャー、…… たくさん好きな方はいるのですが、「この曲は誰の演奏で聴きたい」という感じで、どちらかというと曲優先です。アンセルメ指揮・スイスロマンド管弦楽団・リパッティ演奏の、シューマンのピアノコンチェルトのライブ録音が好きです。
おそらくすべてのCDを聴いていて、かつライブもほぼ追っかけ状態のピアニストは、師である松本和将でして(笑)、好きなピアニストに師事できていることは幸福なことだと思います。

ピアノ以外で好きな事、熱中している趣味などはありますか。

映画を観るのが好きなのですが、ジャンルがちょっと偏っており…詳細は省きます(笑)。
Facebookを更新するのがほぼ日課となっておりまして、くだらないネタを見つけてはアップするのが趣味と化しています。

コンサートへの抱負、今後の目標をお聞かせください。

なによりも聴いてくださる方々に楽しんでいただける演奏を心がけます。
ここまで毎年参加してきたので、コンペにも引き続き出たいと思いますし、一方で、ピアノを再開することによって、豊かになり愉快になった(笑)自分自身の経験を、少しずつでも誰かに伝えていければと思っています。

浅田さん、お忙しいところご協力ありがとうございました!本番を楽しみにしています。


グランミューズ部門入賞者記念コンサート
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