インタビューVol.11:岸野花音さん

2025年度、岸和田市の学校クラスコンサートに初出演された岸野花音さんは、ご自身が小学生の時に、ピアノの先輩である早田有里さんが演奏する学校クラスコンサートを体験していました。「聴く」側から「演奏する」側へ回った岸野さんへ、お話を伺いました。
ご自身が学校クラスコンサートを小学生として経験され、今年はじめて演奏する側に回られましたが、どのように感じられましたか?
小学生の頃は、ただ純粋に音を聴いて楽しむ側でしたが、音楽を届ける立場になってみると、人を楽しませるためには想像以上に準備や工夫が必要なのだと実感しました。

音楽が好きな子もいれば、そうでない子もいる中で、できるだけ多くの子どもたちに何かを感じてもらえるよう、伝え方や見せ方を工夫しました。
実際に現場に立ってみると、子どもたちはとても素直で、キラキラとした眼差しで真剣に聴いてくれました。一つひとつの反応を受け取る中で、音楽を通して一体になれた瞬間がとても嬉しく、印象に残っています。

小学生の時に、同じピアノ教室の先輩である早田有里さんが学校へ来てクラスコンサートに来てくれた時のことを覚えていらっしゃいますか?その経験は、岸野さんに何か影響を与えましたか?
普段の授業とは違う特別な空気の中で、音楽がぐっと身近に感じられた記憶があります。
「わあ、プロやん!すごい!」とクラスメイトたちが嬉しそうにしている姿を見て、自分もいつかそう思ってもらえる演奏家になりたいと、強く感じたことをよく覚えています。

また、同じ小学校出身で同じ門下の大先輩でいらっしゃる早田有里さんが来てくださったことは、当時の自分にとってとても特別な出来事でした。その日を楽しみに待ち、当日は準備しておいた手紙を渡して握手していただいたことは、大切な思い出です。

今回、井上朗子先生から学校クラスコンサートのお話を受けた時、どのように感じましたか?
子どもたちを相手に授業をしながら演奏するということに対して、最初は不安の方が大きく、なかなか具体的なイメージを持つことができませんでした。しかし一方で、未知なる世界への挑戦にワクワク感もありました。

実際には、8回ほど授業をさせていただく中で、子どもたちの反応を見ながら内容を少しずつ工夫し、試行錯誤を重ね、振り返ると「なんとかやり切った!」というのが正直な感想ですが(笑)、その過程そのものが自分にとって大きな学びになったと感じています。

実際に学校へ行って演奏する側になって、初めてわかったことなどありますか?また、ご自身がピアノを演奏していく上で生きると思う点はありますか?
学校という普段とは異なる環境での演奏には、多くの発見がありました。特に印象的だったのは、子どもたちの反応がその場でリアルタイムに返ってくることです。普段の演奏環境ではなかなか得られない感覚で、とても新鮮でした。
また、子どもたちの感想や質問はとても率直で、自分では考えたことのなかった視点に気づかされることも多く、楽曲に対する新しい見方が広がったように感じています。

さらに、音楽について言葉で伝える機会を得たことで、自分が音楽に対して何を大切にしているのかを見つめ直すきっかけにもなり、なぜ自分が音楽に惹かれ、ここまでまっすぐに向き合ってこられたのか、そしてこれからも探究し続けていきたいという思いを、より明確に持つことができました。
岸野さんはA2級~Pre特級まで全ての級のコンペティションと、ステップ、2台ピアノと様々なピティナのステージに挑戦してきてくださいましたね。今後はどのようなピアニストになりたいですか?
これまでの人生を通して、自分の中で一貫してあるのは、音楽で人を幸せにしたいという想いです。
まだまだうまくいかない時や自分の音に迷うことも多いですが、それでも、音楽を通して人の心に触れられた瞬間には、このうえなく幸せを感じ、これが私の進む道だと強く思います。

今回の学校クラスコンサートでは、石田紗樹さん、伊石昂平さんのお二人のすばらしい演奏家の方々と共演し、間近で多くのことを学ばせていただきました。

私はアンサンブルも大好きなので、伴奏、室内楽、コンチェルトなどにも積極的に挑戦し、幅広く活躍できるピアニストになりたいです。

貴重なお話ありがとうございました。
(2026年4月取材 聞き手◎二子千草)


