第3回IHIピアノコンサート開催レポート

  • 2025年12月5日(金)18:15開演(18:00開場)
  • 豊洲シビックセンターホール
  • ピアノ:稲沢 朋華/三ツ橋 紬/山口 美羽/大貫 晴/岩井 花野/板倉 采花/平田 怜奈/小田原 桜子/大内 颯空
    司会:飯田 有抄
  • 株式会社IHI
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豊洲から未来へ――特級グランプリと地域の子どもたちが響き合った一夜
FAZIOLIの名器とともに贈る、心あたたまるコンサート

2025年12月5日、豊洲シビックセンターホールにて、株式会社IHI主催による第3回IHIピアノコンサートが開催されました。本公演は、第1回から初日完売が続く人気企画で、今回は受付開始からわずか3時間で定員250名が満席となる盛況ぶりを見せました。

地域社会との共生と次世代育成を掲げる株式会社IHIの社会貢献活動の一環として行われた本コンサートでは、豊洲出身で今年度のピティナ・ピアノコンペティションにおいて優秀な成績を収めた子どもたちと、2025年特級グランプリ受賞者・稲沢朋華さんによる共演が実現しました。

第1部|音楽を「聴いて、感じて、楽しむ」工夫あふれるステージ

第1部のオープニングは、稲沢朋華さんによる湯山昭《お菓子の世界》より4曲を披露。「このあと演奏されるのはショートケーキ?それともホットケーキ?」というクイズも出され、来場者は音楽を手がかりに想像をふくらませながら聴き入ります。初めてクラシックコンサートを体験する方々も興味津々で、会場には自然と笑顔と期待感が広がりました。
続く豊洲出身の入賞者によるステージでは、ソロ部門B級・C級、連弾部門初級・中級の6組のリトルピアニストたちが、ショパン、ドビュッシー、モーツァルト、リストなど多彩なステージを繰り広げました。

司会を務めた飯田有抄さんの軽妙なトークと、演奏後のインタビューも大きな魅力のひとつ。質問に対する子どもたちの素直で個性豊かな回答が会場を和ませ、温かな拍手と笑いに包まれるひとときとなりました。

舞台裏では、稲沢さんが出演した子どもたち一人ひとりにイラストを描いてプレゼントする場面も。言葉を交わし、演奏について語り合うその姿からは、音楽家としてだけでなく、人としての温かさがにじみ出ており、出演者にとっても忘れがたい時間となったことでしょう。

第2部|グランプリ・コンサートと満場の喝采

第2部は、稲沢朋華さんによるグランプリ・コンサート。
冒頭のショパン《スケルツォ第1番》では緊張感と集中力に満ちた演奏が展開され、最後のカプースチン《変奏曲 Op.41》では一転、鮮烈でリズミカルな世界が広がりました。作品ごとにがらりと表情を変える演奏に、会場は息をのみ、終演後には満場の喝采が送られました。

当日は、株式会社IHIより満岡次郎会長が代表してお客様へ御礼の挨拶を述べられ、稲沢さんへ花束が贈呈されました。その思いに応えるように行われたアンコールでは、来場者による二択投票を実施。僅差で多くの支持を集めたジブリの楽曲が演奏され、会場全体がやさしい余韻に包まれました。

名器FAZIOLIの豊かな響きとともに、特級グランプリと未来のピアニストたちが同じ舞台に立った本公演。音楽を「聴く」だけでなく、「参加し、交流する」ことで、地域と音楽、そして次世代がつながる場となりました。

本コンサートは、今後も地域に根差した取り組みとして継続される予定です。豊洲から生まれる音楽の輪が、これからも多くの人々の心へと広がっていくことが期待されます。

稲沢朋華さんより

これまで経験した中でも、音響・楽器ともに特に素晴らしいホールでした。昼はやわらかな日の光に包まれ、夜は冬の静けさの中でじっくりと演奏できたことは、忘れがたい贅沢な思い出となりました。

2年、3年前にもこのホールで演奏の機会をいただき、その際はいずれもスケルツォを演奏しました。当時は、作品や空間と向き合う中で試行錯誤を重ねながら、本番を迎えていたことを思い出します。年月を経て再び同じ曲を演奏した今回は、当時とは異なる視点や感覚で音楽に向き合えている自分自身の変化を、強く実感する時間となりました。

今回演奏させていただいたFAZIOLIのピアノは、音色の幅や反応が非常に豊かで、音楽の流れの中で自然に生まれた発想を、そのまま音に委ねてみたいと思わせてくれる楽器でした。作品と空間、そして自分自身が一体となるような感覚の中で、表現したいことをのびやかに音に託すことができ、演奏する時間そのものを心から味わうことができました。

出演された豊洲のピアニストの皆さんとも、休憩時間にお話ししたり、一緒に「ぴてぃにゃん」の絵を描いたりと、和やかな時間を過ごしました。音楽を通して自然と心が通い合い、童心に返ったような気持ちで、コンサート全体を思い切り楽しむことができました。

また、12月5日は、本公演を主催してくださった株式会社IHI様の創業記念日であると伺いました。そのような大切な節目の日に、このように素晴らしいコンサートの場で演奏の機会をいただけたことを、大変光栄に思っております。心のこもったご準備と温かいお心遣いのもと、特別な時間を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

稲沢朋華

写真撮影=Soichiro Ishida

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