開催レポ:すばるイブニングコンサート 赤松舞音ピアノ・リサイタル
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
第63回目のピアニストは京都堀川音楽高等学校2年生の赤松舞音さんです。

赤松さんがまず演奏してくださったのは、ショパンの「エチュード第1番Op.10-1」。左手のオクターブが奏でる豊かな和音に、右手がきらびやかなアルペジオを乗せていきます。プログラムノートで「滝」の別名をご紹介していただきましたが、まさにそれを彷彿させる演奏でした。続いてはベートーヴェンのピアノ・ソナタ「熱情」。第1楽章では、交錯する感情を俯瞰するかのように温かな音色と落ち着いたテンポで音楽が紡がれていきました。第2楽章では一つ一つのハーモニーを確かめるように、途切れることなく歌心の込められた旋律が流れました。第3楽章では、息もつかせない激情あふれる曲を最後までしっかりと力強く演奏してくださいました。次に演奏してくださったのは、シューベルトの「即興曲集D935(Op.142)から第3番」。変奏曲スタイルのこの曲を、まるで物語を語り聞かせるように、ときにはリズミカルにときにはきらめく音色で、様々な場面を表情豊かに演奏してくださいました。そして、最後に演奏してくださったのはリストの「村の居酒屋での踊り(メフィストワルツ第1番)」。勢いよく躍動感あふれるリズムではじまると、小気味のよい繊細な音の粒と情熱の込められた技巧的なパッセージの対比が波のようなうねりを生み出し、ダイナミックな音楽の世界を表現してくださいました。
赤松さんは優しく温かな音色をお持ちで、落ち着きのある包容力豊かな音楽を奏でてくださいます。そして、異なる作品でもご自身の音色が映える魅力的な演奏をしてくださいます。これからの成長がとても楽しみなピアニストです。

この度は、とても素敵な機会をいただきありがとうございました。 初めてのリサイタルで、不安なこともあったのですが、聴いてくださる皆様から温かい拍手をいただき、とても幸せな時間でした。
今回、ベートーヴェンピアノソナタ全楽章やシューベルトなど、これまで舞台で演奏することが少なかった曲を演奏させていただきました。
天井がとても高くキラキラとした音色の高音が、聴いてくださる方に降り注いでくるような素敵な会場で、私も演奏を楽しむことができました。
いつも何を伝えたくて、そのためにどんな表現をするかを常に意識して練習しています。
終演後に、直接お客様から「演奏から情景が浮かんだよ」と言っていただけたことが、何よりも嬉しかったです。
このような貴重な経験を通して、これからも皆様に素敵な演奏をお届けできるよう、日々精進していきたいと思っています。
- とても素晴らしい演奏をありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています。
- 高校生と思えない表現力でした。
- 情景が目に浮んできました、素晴らしい演奏でした。
- とても楽しく聴きました。
- 素晴らしい、難曲を上手に弾きますね。
- 一番好きな熱情が聴けてうれしいです。素敵でした。
レポート◎辻野文崇(すばるホール・富田林すばるステーション)
写真撮影◎西村則晃(すばるホール