野口玲奈さん(A2カテゴリー2位) グランミューズ部門入賞者インタビュー

GrandMuse
第48回 ピティナ・ピアノコンペティション
グランミューズ部門
入賞者記念コンサート
出演者インタビュー
野口 玲奈さん
A2カテゴリー2位
4歳よりピアノを始め、PTNAピアノコンペティションA1級、B級、D級、F級全国決勝大会出場。B級ベスト賞受賞。 2006年Ella Phillipp国際コンチェルトコンペティション第2位(ルーマニア)、2010年Vietri sul Mare International Competition第1位(イタリア)、International Russian Music Piano Competitionディプロマ(アメリカ)、London International Music Competition第3位(イギリス)受賞。 これまでに、浜鍛宏子、松村英臣、梅本俊和、L・ザイチク、岡田敦子、鈴木弘尚、O・ヤブロンスカヤの各氏に師事。2008年サンクトペテルブルグ音楽院ピアノ科を満場一致のexcellentを受け卒業。2011年東京音楽大学大学院卒業、在学中特別奨学金を得る。現在大田区にて野口玲奈ピアノ教室主宰。

コンペティション演奏曲目

チャイコフスキー:《ドゥムカ -ロシアの農村風景-》Op.59

入賞者記念コンサート演奏曲目

チャイコフスキー:18の小品 瞑想曲 Op.72-5 ニ長調 シチェドリン:アルベニス風に


インタビュー

少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。

コンクール期間は、普段の練習がゼロのところからなんとか練習時間を捻出して、予選、本選ともに本番の10日~2週間前に別の曲でステップに参加していたり、私生活では普段健康体の5歳の息子が何故かしょっちゅう体調を崩したりと、本当にサバイバルな毎日だったので、名前を呼ばれた瞬間「やっと終わった・・!」と心から安心したのを覚えています(笑)

コンペティション出場の動機を教えていただけますか?

A1級~F級のコンプリート賞が昨年創設され、今年も何かしらの級で受ければ、以前コンプリートしていた参加者もいただける!とのことで、参加を決めました。

コンペティションの選曲理由を教えていただけますでしょうか?

我が家のレッスン室は防音ではないので弾ける時間が限られていること、仕事や子育てで練習時間をしっかり確保できるか分からない中で新曲に挑戦するのは恐ろしすぎて、大昔に弾きこんだ曲を選びました。予選で弾いたショパンのバラード1番は、本選を抜けるのは厳しいかな?近現代の曲を持ってきた方が良いかな?という考えが一瞬よぎりましたが、今回はコンプリート賞欲しさの参加だったので、好きな曲にしようと決めました。結果的に、周りの方からは「バラードをコンクールに出すなんて真っ向勝負で玲奈ちゃんらしいね」と言っていただけたこと、講評でも「良い教育を受けてこられたのですね」と複数の審査員の方に書いていただき、これまでの先生方のことを褒めていただけたことがとても嬉しかったです。

レッスンには通われていますか?また先生はどんな方ですか?

2015年くらいまではヤブロンスカヤ先生が当時住んでいらしたイタリアやスペインに定期的に渡って先生宅に住み込みでレッスンを受けていましたが、今は全く通えていません。今回のコンクール期間もひたすら録画をしてチェック・・でした。

お仕事、学業ではどんなことをされていますか?

自宅でピアノ教室を開いており、幼児さんから大人の方まで、楽しくレッスンしています。レッスンは夕方が多いので、午前中は指導セミナーを受講していることが多いです。
小学生の頃から師事していた濱鍜宏子先生のような先生になるのを目標に、日々勉強しています。

ピアノ以外にご興味があることは何ですか?

飛行機や電車が大好きです。10代の頃のピアノ漬けの生活からの反動で、20代後半からはピアノより趣味の比重が大きくなり、空港に行く特急列車でアテンダントのアルバイトをしたり、またCAになりたいと思ったこともありましたが、身長が全く足りないため挑戦を諦め、5年前に息子を出産するぎりぎりまで国際線のグランドスタッフとして働いていました。
新人の頃、初めて自分たちで定時に飛行機を出発させ、コクピットに向かって手を振った時の感動は今でもはっきり覚えています。空港の近くに住んでいるので、自転車でフラッと飛行機を見に行ったりもしています。

好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。

ロシアの作曲家、演奏家が好きです。
まだピアノを弾けなかった幼い頃から、日本民謡と同じくらいロシア民謡も心にしっくりきていました。
好きな作曲家や曲は、チャイコフスキー(エフゲニー・オネーギン、ロミオとジュリエット、ヴァイオリン協奏曲)、ラフマニノフ(歌曲、ピアノ協奏曲第1番)、演奏家は恩師でもあるヤブロンスカヤ先生、ニコラーエワ、ルガンスキー、ヴァイオリニストのグリンゴルツ、歌手のネトレプコ等・・・最初の一音で心にブワっとくるのですが、この表現伝わりますでしょうか・・。
日本人では、エネルギッシュな黒田亜樹先生。いつもパワフルでかっこよくて、引き込まれます。そして大学院時代の師でもある鈴木弘尚先生。先生とはそんなに年齢が変わらず20代の頃から次元が違い過ぎますが、ずっと憧れの存在です。

入賞者記念コンサートの曲目の選曲理由を教えてください。

『瞑想曲』は管弦楽を思わせる曲で短いながらもドラマがあり、大好きな曲です。『アルベニス風に』はロシアにいた頃ヴァイオリンとデュオで弾いて気に入った曲で、今回の演奏会のために改めて勉強し直しました。

入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!

コンクール期間中も、今回のこの舞台に立つためにも、家族や周りの方々の協力なしには成し得ませんでした。感謝の気持ちを込めて演奏したいと思います。

グランミューズ部門のへの参加は、ありがたいことに年々増えています。大人のピアノ学習の継続的な発展のため、グランミューズ部門へ初挑戦を検討している方へメッセージをお願いします。

コンクールなので必ず何かしらの結果がついてきます。私自身も沢山挑戦していた頃は結果が悪いと感情を随分揺さぶられ、特に日本での生活が決まると思って受けた特級では2次落ちで、本当に人生が終わりだと追い詰めた時もありました(笑)あれから15年近く経って今回グランミューズ部門に参加して思ったのは、周りの参加者さんたちがとても温かく、皆さんそれぞれお仕事やご家庭での役割もこなしつつ、ピアノを人生の友として時に悩んだり喜んだりし、仲間とお互いを励まし合いながら楽しんでいるのだなということです。
これまで接点のなかった方々ともお話できたり、新しい曲とも出会えたり、学びもとても多いので、とにかくチャレンジしてみてほしいと思います!

▼コンサート詳細はこちら▼
2024年度 グランミューズ部門入賞者記念コンサート
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