レポ:11/1,2 松戸市立新松戸西小学校(篠永紗也子pf・永井公美子Vn)
松戸市立新松戸西小学校では、11月1日、2日の2日間にわたって学校クラスコンサートが開催されました。1学年ずつ計6公演をしてくださったのは、ピアニストの篠永紗也子さんと、この学校2度目の訪問となるヴァイオリンの永井公美子さん。学年の様子にあわせて、子ども達の声を拾いながら対話をしながら進めていました。
楽器の説明をする時も、「これは弓って言って、漢字で弓矢の弓って書きます」と言うと子ども達は「えーっ、弓?!」と驚いたり、「弓の毛は馬のしっぽでできているのね。」「弓の根元のこの部分はトカゲの皮が使われています」などと言うと「えっ、大丈夫?死んでない?」と心配したり、「ピアノのこの部分はハンマーって言います」と教えると「え~っ!ハンマー!?」と目を丸くしたりと、反応の豊かな子どもたちでした。永井さんと篠永さんは、「大丈夫よ、毛を切らせてもらってるだけだから」「ハンマーって言ってもこうした羊の毛でできた柔らかいものなんですよ」などと、子ども達の疑問に丁寧に答えていました。
エルガー「愛の挨拶」に続き、ビュータンの「アメリカの思い出」。永井さんは、「ビュータンが住んでいたベルギーは当時まだ馬車の時代。それがアメリカでは鉄道が走り、大きなビルが建っていてすごいなぁ、という驚きを思い出して作られた曲。途中から皆さんがよく知っているメロディが出てきますよ。」と、子どもたちの間をヴァイオリンを弾きながら練り歩きました。「あ、知ってる!アルプス一万尺!」と声が聞こえます。「この曲は日本だと『アルプス一万尺』として知られているけれど、実は元はアメリカのヤンキードゥードゥルという民謡なんですよ。」と教えてくださいました。
篠永さんはピアノの楽器の説明やクイズをした後、子ども達に囲まれてドビュッシー「アラベスク第1番」とショパン「幻想即興曲」の全く異なる雰囲気の2曲を演奏しました。子ども達に説明したばかりのソフトペダルを使うドビュッシーのやさしい音色に、近くで見守るように聴いていた子どもたちも、幻想即興曲が始まると、手元の方へやってきて激しく動く指を真剣に見ていました。
質問コーナーでは、「嫌になって、やめたいと思ったことはありますか?」という質問が。永井さんも篠永さんも「もちろんあります。だって練習って面倒くさいでしょう?でも、やっぱり好きだから続けています。」と正直に答えます。永井さんは「嫌だって思うことは、恥ずかしいことでも悪いことでもない。嫌だって思う時は、ちょっと練習を少なめにして、次の日またやりたくなったらやる、でいいのじゃないかな。それは音楽だけじゃなくて、他のことでもみなそうだと思う」と話され、子ども達ははっとした様子で聞いていました。
子どもたちとの共演の「はじめようコンサート」は、とても大きな元気な声を聴かせてくれました。
1年生〜6年生、どの学年もそれぞれに特徴があり、また質問コーナーも実に的確で、皆それぞれ熱心に聴いて下さったのだなぁと感激致しました。
学校コンサートは、弾き始める前より弾き終わった時の方が元気になるのは、子供達からパワーをいただいているからに違いありません。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
1年生から6年生の皆様が、とても興味を持って音楽に耳を傾けてくださっていることが伝わり、私もとても嬉しかったです。
授業の最後に、クラス全員で合唱曲を共演させていただきましたが、純粋でキラキラしていて、若くエネルギッシュなその歌声のパワフルさに胸を打たれ、思わず涙が出そうになりました。
音楽の力を改めて、認識いたしました。素晴らしい経験を、ありがとうございました!
素敵な演奏をありがとうございました。楽器の演奏だけでなく、楽器の仕組みや知識を楽しく子どもたちに教えていただき、有意義な時間となりました。