レポ:9/25 草加市立新里小(尾崎未空pf・石原悠企Vn/動画あり)
9月25日には、草加市立新里小学校にて、2016特級グランプリの尾崎未空さんとヴァイオリニストの石原悠企さんによる学校クラスコンサートが開催されました。
尾崎さんはドイツのミュンヘン留学から一時帰国中、石原さんも同じくドイツのベルリン留学から帰国したばかり、というタイミングで訪問してくださいました。
冒頭には、「私たち二人の住んでいたドイツの作曲家、ブラームスのカッコイイ曲をお届けします。」と、F.A.E.ソナタを熱演され、子どもたちは息をのんで聴いていました。
続いて尾崎さんからピアノのお話を。「200年くらい前に日本に来たピアノは、今ではポップスやロックでも多く使われているけれど、クラシック音楽の特徴は、マイクを使わないこと。2000人とかのホールで弾く時も、マイクを通さずに、私達が弾いたそのままの音を届けるのが魅力です」と語りました。そして、ピアノの重さや鍵盤の素材についてのクイズをして子ども達を笑顔に。「これだけ大きくて重い楽器なので、大きな音も出るし、やわらかくて繊細な音も出るんですよ。これから弾く英雄ポロネーズは、色々な表情がある曲なので、その違いを楽しんでくださいね。」と語り、ショパンの英雄ポロネーズを演奏しました。
石原さんからもヴァイオリンのクイズ。「この弓は馬の何かの毛を使っているのだけれど、馬のどこの毛でしょう?」と問うと、「たてがみ」と「しっぽ」で迷う子たちが多くいました。
「最初に弾いたブラームスはドイツ、今のショパンはドイツのお隣のポーランド。次に弾くラヴェルは、ドイツの反対側の隣の国のフランスの人です。おしゃれな感じの曲で、第1楽章は何だか不思議な響きがします。どんな光景が見えるかな?」と、1楽章ごとに問いかけを入れながら演奏しました。長い曲になりましたが、普段聴いたことのないようなフランス風の和音の響きやアメリカ風のジャズの音色とリズム、ピチカート奏法、鋭い音から淡い響きの音まで、様々な表現方法が盛り込まれた曲に、子どもたちも静まり返って聴いていました。
最後は「気球に乗ってどこまでも」を元気に皆で合唱と手拍子で演奏してくれました。
多くの児童の皆様が非常に集中して聴いてくださったのが印象的でした。若い方々に良い音楽との出会いやその刺激を与える事ができたら本当に幸いですので、またクラスコンサート等で演奏できたら大変嬉しく思います。
ヨーロッパでは、バイエルン放送交響楽団の子供のためのコンサートにも参加していました。世界一流のオーケストラが、子供相手だからと妥協せずにリハーサルし、演奏する様に心を打たれました。日本でも、若い方々相手にこそ本当に良い演奏をお届けして、教育現場から文化の発展・向上を目指していけることを願っています。
ピアノとヴァイオリンの力強い曲から始まり、どれも美しい音色が耳に残る演奏でした。いつも使っている音楽室なのに、普段と違う空気を感じて、演奏に引き込まれてしまいました。とても楽しかったです。
- スピーカーを通さないで生で聞くのは、やっぱりなめらかなきれいな音だった。ヴァイオリンは上がらせながらひくのと、下がらせながらひく音はまたちがってよかったです。指でひく時は細かい音で、弓でひく時は長い音で、またちがういい音だと思った。
- ヴァイオリンは三味線のような音も鳴らせて、とても音がひびいてきれいでした。とても速くひいたり、ゆっくりひいたりすると、楽しくなったり悲しくなったり、色んな光けいが頭の中にうかんでいました。
- 一番好きだった曲は最後に演奏してくれた曲です。理由は、ピアノの音とヴァイオリンの音がかけっこしているような感じがしておもしろかったからです。
- ピアノの人は、手の動きが速くて、プロのプロでした。手がつかれてと中で演奏が止まらないか心配していました。でもプロなので演奏を続けていてすごいと思いました。
- クイズもおもしろかったし、演奏もすばらしかったです。やっぱり練習すれば結果が出るんだなと感じました。
- 体がものすごく動いていて、はげしく演奏しているなと伝わってきました。ぼくはヴァイオリンやピアノはあんな強い音は出ないと思っていたけれど、それよりもっと大きな音でした。
- 声を出さないで曲の世界を表現できるのが、本当にすごいと思いました。初めて生で演奏を聞いて、とても感動しました。ピアノははねるように高い音と低い音をなめらかに出していて、とてもきれいな音色になっていました。ヴァイオリンははじけるように曲の世界観をしっかりと表していて、すてきな音色になっていました。
- 今日の演奏で、とても音楽への印象が変わりました。一つの曲の中に、細かく表現されているメロディは、とても深い意味がこめられているように思いました。
- いつも聞いているピアノの音と全然ちがいました。きれいで楽しくてちがう世界に行っているような聞き心地でした。あく手もしてくださってありがとうございました。
- 何より、体の動きなどが大事だと思いました。顔の表情などとも、音の感じ方があっていてすごいなと思いました。
- 最後にひいた「気球に乗ってどこまでも」もすごく上手でした。毎回ピアノでしか聞かないので、ヴァイオリンがまざってくるとハモりみたいに聞こえてとてもいい演奏でした。