レポ:11/27 北本立東小(大原慧子pf・上條里紗Vc)

北本市立東小学校
日時:2023年11月27日(月)
会場:音楽室
参加人数:4年生 55名
出演:大原慧子(ピアノ)・上條里紗(チェロ)
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11月27日に開催された北本市立東小学校での学校クラスコンサートの様子を、ピアニストとして訪問された大原慧子先生(北本支部長)・チェリストの上條里紗さんからのレポートでお送りいたします。

北本支部・大原慧子先生(ピアノ)によるレポート

今回訪問させていただいた北本市立東小学校は、偶然にも昔、子どもが通っていた小学校でしたので、運動会・音楽会・バザーなどPTAとしてもお手伝いに参加した懐かしい思い出があり楽しみに伺いました。季節柄、なんと2日前までインフルエンザ大流行で、学級閉鎖が相次ぎハラハラしたそうでしたが、本番当日には皆さん登校され「あーセーフだったー」「学校クラスコンサートに間に合って良かった!」と口々に喜んでくださいました。

学校クラスコンサートの素晴らしさとも言うべき、4年生という最も多感でデリケートといっても過言ではない時期に、息遣いが感じられるほどすぐ間近で生演奏をして音楽の素晴らしさを届けられるこの機会には、ピアノの楽器の説明と共に、作曲家がその曲に込めた思いや、表現したいと願っている情景描写を感じてもらえるようにと、心がけています。その機会を通じ、リラックスして、より想像力豊かに、ささやかでも音楽の力で癒されますようにと願っています。

この度はチェロの先生との共演曲も含め音楽史の4つの時代の曲を演奏させていただきました。まずはピアノの始まりとも言うべき「バロック期」から。

♪「バロック期から」 バッハ作曲:メヌエット
当時まだ今のピアノは生まれてなくて、チェンバロ、クラヴィコードと言う楽器だったこと。メヌエットは貴族が愛したバロックダンスで、その振り付けは今のバレエとは違い、主にこのような振り付けだったと説明してから演奏しました。

♪「クラシック期から」モーツァルト作曲:トルコ行進曲(テーマ部分)、ベートーベン作曲:エリーゼのために
「エリーゼとベートーベンの気持ちを想像しましょう」と伝え演奏に入り、すると皆、演奏前は「あっ!その曲知ってる、知ってる!」と、明るく話していたのが、演奏終わるや直ぐに拍手してくださり、「どうだった?」と聞くと、「悲しそうな感じ、、、」「暗いから、かわいそうだ」等と、皆が、暗い静かな佇まいになっている様子に、「なんて純粋なんだろう、、、」と思いました。

♪「ロマン期から」ワルトトフィエル作曲:スケーターズワルツ
丁度前日に、NHK杯でフィギュアスケート放送が長時間あり、スケーターの方々の素晴らしい映像が放映されていたので、「スケートを滑る選手の動きを思い浮かべましょう」と伝え、時間の関係で少し弾きましたら、「ほぅ〜」という溜め息が聞こえ、生徒さんと距離が身近なことが有り難い、嬉しい瞬間となりました。

♪「近現代から」滝廉太郎作曲:荒城の月
チェロの上條先生の音色素晴らしく、涙が出そうになりました。「昔、栄華を極めた貴族の立派なお城の上に、時代が変化し今は没落したにもかかわらず、お月様は変わらずに輝いている、と言う意味でしょうか、、」と問いかけてから、演奏しました。

そしてチェロがいつ誕生したのか、昔のチェロの形状についての説明から始められましたが、説明中、皆とても静かにじっくりと楽器を観察しながらお話を聞いていて、嬉しかったそうです。

次に、チェロの弓の毛は何でできているかの質問に、様々な素材を思い思いに発言をしたり、中には正解を知っている子もおり驚き、更に、子供たちが楽しそうに自由に発言をして、リラックスして聞いているようで嬉しかったようです。

続いて、弦の素材についてのクイズになった時は、弦を近くで見てもらうために楽器を子供たちの目の前まで持って行かれ、顔を近づけて真剣に弦を見つめじっくり考えているのが伝わったそうです。「羊の腸」と聞いた時に、子供たちが堪らず口々に「えー」と言いながら苦い顔を見せてくれたのがとても印象的でした。

正解だと思う番号を尋ねると皆素早く元気よく手を高く挙げてくれて、ナイロン弦の説明で「ギターで使われています」と言ったところ「知ってる!」「家にある!」などの反応が多くありました。今後クラスコンサート等を通して、チェロもギターのように身近に感じられる楽器になる日がくると嬉しいと話されていました。

最後はチェロの様々な演奏方法についてふれ、弦をはじいたり、弓の木の部分を弦に叩いたり、普段中々見ることとのできない奏法をいくつか紹介されました。特に、力強く上に向かって弦をはじいた時に、びっくりして体が飛び跳ねている様子が印象的でした。また、弦を押さえる左手を滑らせて鳴らすグリッサンドの奏法の時は、音の高さが変化すると共に子供たちの表情も笑顔に変わり、とにかく、生徒さんの楽しそうな反応を見ることができ嬉しかったそうです。

東小の生徒の皆さんは落ち着きがあり、礼儀正しく、それはとてもよく聴いてらっしゃり、その一方、アップテンポな曲では、自然に体を上下に動かして、ノリノリな様子で、皆様と共にこの演奏会が出来たととても嬉しく感じました。

純粋な生徒の皆様が、今回のクラスコンサートをきっかけに、音楽に興味を持ち、好きになってくれたら幸せです。

チェリスト 上條里紗さんより

ピアノの先生の後続ということで既に場の雰囲気も柔らかく、安心してスムーズにご挨拶することができました。

「チェロを目の前で見たことがありますか?」と最初に質問したところ、想像していた以上に元気よく手をあげて反応してくださりとても嬉しく、私自身の緊張も少しほぐれリラックスしてお話を続けることができました。子供たちの笑顔や素直な反応を間近で見ることができとても嬉しかったです。

私の発言に対して素直な反応をしてくださり、こんなにも楽しそうな表情をしてくれるのかと驚きつつ、私自身も楽しみながらクラスコンサートをおこなうことができました。

クイズを出した時は、皆さんノリノリで思ったことを発言し手を挙げてくださったこと、正解を伝えた時の驚きの表情等とても鮮明に覚えております。チェロの説明や演奏中は静かにじっくりと聴いてくださりとても嬉しかったです。

このコンサートをきっかけに、チェロに少しでも興味をもっていただけたらうれしく思います。

学校の先生より

とても素敵な演奏を生で聴かせていただき、子どもたちは真剣に、目を輝かせて聴き入っていました。すばらしい時間をありがとうございました。

学校クラスコンサート
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