河原幸治さん(A1カテゴリー1位) グランミューズ部門入賞者インタビュー
入賞者記念コンサート
ショパン:《24の前奏曲》 op.28 より 第20曲、第21曲、第22曲
ローゼンブラット:パガニーニの主題による変奏曲
ラフマニノフ(コチシュ編):ヴォカリーズ
クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
少し前のことになりますが、コンペティションでご入賞されたときのお気持ちをお聞かせください。
久しぶりに出場した昨年度の大会では本選止まりだったので、この度の受賞はうれしかったです。が、正直本番は思うように弾けなかったので、うれしさより驚きの方が大きかったです。
コンペティション出場の動機を教えていただけますか?
大学のときから専ら伴奏やアンサンブルばかりやっていたので、ソロのレパートリーは少なく、ピアノの先生から「ソロは若いうちにできるだけやっておいた方がいいよ」と言われたこともあり、大学生以来となるピティナに昨年度から参加しました。
コンペティションの選曲理由を教えていただけますでしょうか?
元々リズミカルな曲が好きなんですが、大学でローゼンブラットの作品と出会い、「自分に合うのはこれだ!」と確信しました。
ショパンは僕がピアノを始めるきっかけとなった作曲家で、どの曲を持ってくるかは悩みましたが、20番と21番が好きなのでプレリュードを選びました。
レッスンには通われていますか?
定期的には通えておらず、コンクールや演奏会の本番前に、ほとんど駆け込み状態でみてもらっています。高校2年の時から教えていただいている西佳子先生はオールラウンダーな先生で、どんな時でも丁寧にご指導くださいます。僕の永遠の目標です。
お仕事ではどんなことをされていますか?
中学校・高校の先生、伴奏者(主に合唱や器楽)をしています。
ピアノ以外にご興味があることは何ですか?
なかなか同年代には共感してもらえませんが、デパート巡りが好きです(笑)。広島の中心部にはデパートが3つあり(以前は4つ)、小さい頃は親によく屋上の遊園地に連れて行ってもらってました。何か買わなくても眺めるだけで、心が少しリッチになったようで、大学の時にもバイトや仕事帰りに大阪の梅田で巡ってました。昨今の全国的なデパート閉店ラッシュは悲しい限りです。
普段はどれくらいピアノを練習されていますか?頻度、場所、時間などお聞かせください。
平日はほぼ毎日学校で、家に帰ってからも授業準備などがあるので、長くて1時間程度しか練習できていません。他の楽器のコンクール・コンサート伴奏もあるので、本番がない土日は2~3時間程度しています。基本少ない時間しか取れていませんが、毎日鍵盤に触れることは心がけています。
好きな作曲家、演奏家、曲についてお聞かせください。
フランスものが全般好きです。ラヴェルやドビュッシーといった王道なものはもちろん、プーランクの洒脱な音楽も大好きです。
ローゼンブラットのようにジャジーな作品も多くあるロシアものも好きですが、弾くのには苦労を強いられます。
好きな演奏家はたくさんいますが、アルゲリッチはすごいの一言です。あと、クン=ウー・パイクの音色・音楽の構築性には惹かれます。
ピアノを演奏する際に心掛けていることは何ですか?
ノーミスな演奏をできるタイプではないので、大事故はしないようにというのはありますが、何よりも大切にしているのは、自分の演奏を聴かれた方がまた聴きたいと思っていただけるような音色です。最初の一音から全てが決まると思って弾いています。
入賞者記念コンサートの曲目の選曲理由を教えてください。
先生からのアドバイスで決めました。ラフマニノフは自作はもちろん他の作曲家の作品を編曲したものも魅力的で、「愛の喜び」を以前取り組んだので、せっかくなら「悲しみ」の方もやろうかなという軽い気持ちで選びました。ラフマニノフ特有のいくつものメロディが重なっているところもポイントです。
入賞者記念コンサートへの意気込みを一言お願いします!
錚々たる皆さまとともに、素晴らしいホールで演奏できること、嬉しく思っています。
作品の持つ魅力をお越しくださった方々と共有できるよう、一音一音大切にしながら演奏したいと思います。
グランミューズ部門のへの参加は、ありがたいことに年々増えています。大人のピアノ学習の継続的な発展のため、グランミューズ部門へ初挑戦を検討している方へメッセージをお願いします。
グランミューズに参加される方は、弾かれる作品に並々ならぬ思いをお持ちです。自分の演奏がどうかということはもちろん気になりますが、積極的に他の出場者の演奏を聴かれることもとても勉強になります。