レポ:7/11,13 川崎市立犬蔵小(海野春絵pf・海野幹雄Vc/動画あり)

川崎市立犬蔵小学校
日時:2023年7月11日(火)、13日(木)
会場:音楽室
参加人数:4年生 163名
出演:海野 春絵(ピアノ)・海野 幹雄(チェロ)
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学校クラスコンサート創始当初から関わってくださっている、海野春絵さん(1999特級グランプリ)と海野幹雄さん(チェロ)が、念願叶ってお二人のお子さんの通われる小学校での学校クラスコンサートを実現されました。学校の先生による熱のこもったレポートと、海野さんと子どもたちからの感想をお届けします。

音楽の先生によるレポート

地域の音楽家でもあるチェリストの海野幹雄さん、ピアニストの海野春絵さんにご来校いただき、音楽室にて、クラスごとに児童と演奏者の距離の近い、温かく感動的なコンサートを開いていただきました。

まず、ピアニストの春絵さんによる、ピアノの仕組みの説明と演奏。グランドピアノの蓋を全開にし、そのまわりに子どもたちが集まりました。子どもたちが興味津々でピアノの中身を眺めながら、春絵さんの説明に感嘆の声をあげていました。「エリーゼのために」や、手拍子で参加する「トルコ行進曲」を、間近でピアノの音色を楽しみ、子どもたちの表情が生き生きしていました。

続いてチェリストの幹雄さんが登場。大きなチェロを見て、子どもたちは目を丸くしていました。チェロの仕組みについて、興味深い話が始まります。身を乗り出して真剣に聞く子どもたち。
「チェロの弦は動物のあるものでできています。それは何でしょう?」
一生懸命に答えを考え、すすんで挙手する子どもたち。答えを聞いて、びっくりして声を出す子どもたち。楽しい時間が流れます。

そして、チェロとピアノの演奏です。1曲目は、音楽の授業でCDでは聴いたことのある、サン=サーンスの「白鳥」。生の美しいチェロとピアノの音色に、普段はついついおしゃべりしてしまう子どもたちも、音楽の世界に浸り、うっとりした様子でした。
2曲目の「ハンガリー狂詩曲」では、幹雄さんから演奏前に話を聞いた、チェロのさまざまな奏法の超絶さに「すごい!すごい!」とびっくりしていました。演奏後は割れんばかりの大きな拍手が響きました。

最後に、子どもたちとの共演です。音楽の時間に歌った「風のメロディー」。チェロとピアノの音色にいざなわれ、子どもたちも、自分の声を美しく響かせました。演奏者と子どもたちが音楽室の空間いっぱいに一体化する様子は感動ものでした!

質問コーナーでは、たくさんの子どもが挙手し、海野さんたちに聞きたいことがたくさんあり、時間いっぱいまで交流が行われました。

実物を体験するということの大切さを知ること、目の前で本物の音の響きを体験することは、今後の子どもたちの人生にとって、貴重な経験になったと思います。少し前まで、コロナ禍の影響で、人と人とが接することすら難しかった時間があり、大人も子どももオンラインに慣れてしまった気がします。今回のコンサートを通して改めて、子どもたちが、生の音楽の素晴らしさを体験することを継続していくことの必要性を実感しました。

海野幹雄さん、海野春絵さん、ピティナのスタッフのみなさんへ心から感謝いたします。

川崎市立犬蔵小学校 音楽専科 江畑理恵

海野春絵さんより

念願の子供の母校へのクラスコンサート。4年生5クラス中、1日目の1クラス目が息子のクラスでした。20年くらい前から行っているクラスコンサートの中に自分たちの子供がいるのは、なかなか不思議な体験でした。

全体的にクラス毎のカラーがかなり違う学校で、にぎやかなところもあれば、大人しいクラスもあり、さまざまでしたが、どのクラスもとても集中してクラスコンサートに参加してくれ、音楽の先生も驚かれていました。

音楽室のピアノが置いてある場所が一段高くなっていて、そこの床材だけ古いのか、チェロがよく響くと夫が申しておりました。

同級生の両親ということで、息子に関係する質問や「作曲家の新垣さんと知り合いか」という初めてのタイプの質問もあり、盛り上がりました。また、2日とも校長室で給食をいただきましたが、今までの給食の中でも1、2を争う美味しさだったので、何だか嬉しくなりました。

ちなみに、後日届いた生徒たちからの感想コメントに息子が「説明が分かりやすくてみんなが学べていてよかったです」と書いてくれていました。息子が1歳の時から保育園でお友達だった男の子は、私たちの演奏を以前聴いたことがあるのですが、「前より上手になってた」と親御さんに報告していたそうです(笑)。

児童の感想より
  • とてもすてきでした。この短時間だけで、すごくあこがれを持ちました。
  • ピアノの中の部分が、ひいたら引っ込んだり、止めたら下に下がったりするのがおもしろかったです。
  • 元気な曲も少し悲しい曲もとてもすてきで、曲によって感じることがちがって、私もピアノやチェロをひいてみたくなりました。
  • ほぼ毎日公園で会っていた時は、あいさつとかしかしなかったけれど、演奏会があって、海野さんがチェロをやってくれると聞いてびっくりしてお母さんに報告しました。
  • チェロを始めたのが14才なのにあんなにうまくてすごかったです。
  • 「白鳥」も、ピアノの音で水みたいで、チェロも白鳥がイメージできて、音楽でここまで表現できるんだなあと思いました。
  • 想像の何倍も演奏がすごくてびっくりしました。
  • ピアノのトルコ行進曲は、手をたたいて一緒に演奏しているように思えました。一生の思い出になります!
  • 特にハンガリー狂詩曲という曲がすてきだと思いました。どうしてかというと、最初はおだやかだったけど、後から激しくしていて、心をひかれました。
学校クラスコンサート
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