開催レポ:神戸市×北村明日人さんアンサンブルワークショップ(5/27)

2022特級グランプリの北村明日人さんが、5月27日(日)に地元神戸市の西神中央ホールにて、アンサンブルワークショップを開催しました。

神戸市での初の試みとなった今回は、5歳から14歳の13名の子どもたちが、ピアノ連弾、チェロ、ヴァイオリンとのデュオで北村さんと共演をしました。

午前はスタジオで初めての共演リハーサル

午前中はリハーサル用のスタジオで初めての合わせをしながら、北村さんから演奏や曲の解釈についてのアドバイスを1人1人がもらいました。

子どもたちにとっては、自分の演奏を頑張るだけでなく、他の子どもたちのアドバイス受ける様子も見ることで、自分の演奏に生かすことを学ぶ機会ともなりました。

「作曲家ってどんな人だったんだろう」「この題名は曲の中でどう表現されているだろう」といった、曲をなぞるだけでなく頭と心を動かして作品を深く見るという体験を共有しました。

リハーサルは3グループに分け、それぞれにピアノと弦楽器が混ざるように組みました。特にピアノの人は小さい頃に弦楽器を間近で見る機会もほとんどないので、皆さん興味深そうに聴講してくれていました。

午後は北村さんと同じステージで成果発表会!

午後は全員が成果発表会に臨み、11月4日に北村さんが凱旋リサイタルを開催するのと同じ西神中央ホールのステージで、子どもたちも演奏を披露しました。それぞれがリハーサルで学んだことや感じたことも紹介されました。

最後には北村さんからのソロ演奏のプレゼントもありました。

成果発表会では、皆さんの「こう弾きたい!」が全面に出る表現意欲の高い演奏が並びました。リハーサルで伝えたことを直後に舞台上で実現するのはなかなか難しいのではと考えていたのですが、そんな心配が必要なかったくらいの前向きな姿勢で臨んでくれていました。

北村明日人さんのコメント

今回のワークショップを通して、ひとつの作品に対してさまざまな角度の視点をもって考える楽しさを伝えることができました。楽器を演奏するということに固執せず音楽そのものに目を向けることで、たくさんのアイデアが新しく浮かんでくる体験ができたのではないかと思います。

5歳のピアノの女の子は今回はじめて人前でピアノを演奏するということで自分の方が気を張っていましたが、終演後はずっと笑顔で嬉しそうにしてくれていました。この機会がその子にとっての初めての舞台ということが嬉しく、楽しい記憶としてこれからも音楽を続けてくれるといいなと思いました!

「作曲家はなぜこの曲を作ったのだろう」「どのように表現しよう」といった小さな問いの積み重ねの先に「自分はなぜ音楽をしているのだろう」という自分自身へのテーマがあります。今回のワークショップが、そのような哲学的な道の初めの一歩になれるような機会であったなら嬉しいです。

神戸市からのコメント

初の試みでしたが、参加した子どもたちに向けて、意義深い内容をしていただいたと思います。

午前のリハーサルでは、自分の演奏の番やグループ以外も聴講し、熱心に他の人がアドバイスを受ける様子を聞いて、自分の演奏に生かそうとする姿が見られ、印象的でした。

成果発表会には、同じ施設内の図書館帰りの方や、地域のお祭りの風船を持って「何をしているのかな?」と覗いた方たち、赤ちゃん連れの方たちも気軽に立ち寄り、地域の方も聴衆となって子どもたちの舞台を見守ってくださいました。

神戸市文化スポーツ局文化交流課


北村明日人ピアノリサイタル

会場:西神中央ホール
日時:11月4日(土)14:00開演

アンサンブルワークショップは、秋のリサイタルへのプレ企画としても開催されています。北村明日人さんの地元初の凱旋リサイタルをご期待ください。

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