レポ:1/16 学校法人高知学園高知小学校(北村明日人pf・川村陽華vn/動画あり)
高知支部主催の2022年度のピティナ・ピアノコンペティション入賞者による「第6回ピティナブロッサムコンサート」が開催された翌日、ゲスト出演された2022特級グランプリ・北村明日人さんが地元の小学校を訪れ、学校クラスコンサートを届けました。
子どもとの触れ合いが大好きな北村さんにとって、念願の初の学校クラスコンサート出演となりました。共演は地元のヴァイオリニスト・川村陽華さん。そして今回の学校は、ピティナ家族会員の小野口芳子先生が音楽教諭を勤める学校であり、川村さんの生徒さんも通う学校というご縁もありました。ピティナ高知支部の大友惠美子先生による当日のレポートを、そして演奏者や学校の皆さんからの感想をお届けします。
1月16日、学校法人高知学園高知小学校にて2時間目に5年生2クラス、3時間目に6年生2クラスが学校クラスコンサートを体験しました。
オープニングは北村明日人さん、川村陽華さんのお二人によるエルガーの「愛の挨拶」。続いてのモンティ「チャルダッシュ」を演奏する時に、北村さんから「生のピアノのことをもっと知って欲しいから、ピアノの周りやピアノの下に潜ったりして、どこからどんな風に音が出ているのか見てください。」と声がかかり、この声に子どもたちは喜んでピアノの周りに集まり、演奏者たちを囲みました。
子どもたちは「こんな所から音が鳴っている!」「ビリビリしている」「白い物が動いている(ハンマー)」などと目を丸くして、音や振動を肌で感じ感動していました。
北村さんのソロでも子どもたちに囲まれながら、ベートーヴェン作曲「エリーゼのために」、と久石譲作曲の「いのちの名前」を演奏されました。子どもたちはお馴染みの2曲の演奏に触れ、さらに生のピアノを間近に感じたようです。
北村さんからはピアノの歴史、川村さんからはヴァイオリンの構造について説明された後、ヴァイオリンとピアノでフランク作曲の「ヴァイオリン・ソナタ第4楽章」を演奏されました。北村さんから「ここではテーマとなるメロディーがカノン的に出てくるから、よく耳を傾けて聴いてみてください」というお話があり、テーマが登場する度に子どもたちの目が輝き、お友達と頷いて喜んでいました。
質問コーナーでは、お二人とお話したくてムズムズしている子どもたちから、ものすごい勢いで手が何人も手が挙がりました。「いつからピアノを習い始めましたか?」「何がきっかけでしたか?」「緊張はしませんか?」「演奏する時、演奏前には何を気をつけたり考えていますか?」などの質問が出ました。お二人のお答えに生徒達の目が更に輝きました。
最後の「共演しよう!」のコーナーでは学校リクエストの「翼をください」を合唱し、生徒の代表がお二人に立派なご挨拶をされました。楽しい時間はあっという間に過ぎ去りました。短い時間でしたが、コンサート後の子どもたちの顔が満足感に満ちているのが分かりました。
この場に立ち合わせて頂きありがとうございました。コロナ禍で心がかたくなっている子どもたちが多いので、音楽に触れることで、かたくなった心を少しでも柔らかくしてあげられるよう、このような本物の音楽に触れる素晴らしい企画を今後も高知で開催していけたらと思います。
ピティナ高知支部 大友惠美子
今回のコンサートではピアノの下や後ろから演奏を聴いてもらい、場所による響きの違いを楽しんで頂きました。
ピアノの中を覗いてハンマーが上がって弦を打つ所を見たり、低い音の鍵盤を押すと太い弦が目に見えて震えている所を見たりした時に、みなさん驚かれていたのが印象的でした。ピアノの下に潜った子たちは音圧がすごかった!と言っていました。
演奏を間近で聴くことが初めての経験だった子たちも多く、好奇心を持って聴いて下さり、密度の濃い内容になったと思います。コンサート後はたくさんの子どもが控え室まで来てくれて、サインを下さいと言ってくれました!
子どもたちの音楽の聴き方や感じ方がより豊かになれば嬉しいです。
この度は学校クラスコンサートにて演奏させて頂きありがとうございました。北村明日人さんのキラキラした音楽を聴かせて頂き、また共演させて頂けて非常に幸せな時間でした。
子供達は5・6年生共にそれぞれとても意欲的で積極的な子が多く、グランドピアノの周りを囲んで中の構造をチェックしたり、ピアノの下の響きはどうなっているかを確認していました。子供同士和気藹々とした雰囲気で始終あたたかい雰囲気に包まれていたのは、普段ご指導なさっている先生方の努力を感じます。
時間が限られていたので数分でしたが、ヴァイオリンを自由に触ったり見てもらう事も出来ました。ピアノと弦楽器両方に興味を持ってもらい、音楽への興味が出来てくることを祈っております。
この度はピティナ高知支部の先生方にも練習会場を手配頂き誠に有難う御座いました。
子供達が本当にコンサートの日を楽しみにしていました。当日は、演奏家お二人が作り出す音楽と午前中の温かい光が相まって、とても素敵な雰囲気に包まれました。あの空間を共有出来たすべての人が幸せだと感じる空間だったと思います。
特に印象的だったのは、ある曲で会場がスーっと演奏に吸い込まれた瞬間があったことです。それだけ集中している子供達の眼差しもとても良い物でした。
質問コーナーで沢山の手があがった事も嬉しく思いました。コンサート前に北村明日人さんから「質問コーナーで全然手が上がらなかったらどうしましょう…」と心配されてましたが、全く心配無用でした。時間が足りなかったぐらいです。
「音楽が生きてるようだった…」と感想を述べてくれた児童がいました。いつもCDで鑑賞する音楽とは違って、息遣いまで聞こえてくる生演奏は何よりも心に刻まれた事だと思います。学校の先生方からも「学校のピアノからこんな音が出るのか」と驚きの言葉をかけられました。
このような機会を与えてくださった演奏家の方々をはじめ、お世話になりましたピティナの事務局の方々には感謝しております。
過日は、ピティナ学校クラスコンサートを本校で開催いただきまして誠にありがとうございました。鑑賞した子どもたちも大喜びでした。
「お二人の演奏ですごくリラックスでき、心がおどりました。ピアノとヴァイオリンが話しかけてくるような新しい感覚を体験できました。」
「私はピアノもヴァイオリンも触ったことがなかったので、ピアノの振動を感じてすごく驚いたし、ヴァイオリンの音がピアノより大きいときがあったので、なんでだろうと疑問をたくさん感じてうれしかったです。」
「今日、音楽を聴いて、もっと音楽のことを知りたくなりました。ピアノの近くに行ったとき、すごくリラックスできました。音楽は人をリラックスできることを知りました。」など、子どもたちにとっても感動をいっぱいいただいた貴重な機会となりました。改めまして心から感謝を申し上げます。
- ピアノの演奏を見ていて、指だけではなく、体を動かして、強い、弱いを表現していると思いました。バイオリンはうでを動かして音をすごく変えていたりして、すごいと思いました。
- 1曲目は、ヴァイオリンとピアノのメロディが気づいたら入れ替わっていて、とちゅうであれ?となりました。
- 5曲目は、同じことをずらして演奏する「カノン」の曲のことを知りました。ずらして同じことをしているだけなのに、こんなにきれいな曲になるのはすごいと思いました。
- ピアノは、いる場所で聞こえる音がちがうことが分かりました。
- ベートーヴェンの「エリーゼのために」がすてきでした。少し悲しい所や、楽しい所があったりして、心揺さぶられる音色だったからです。
- ヴァイオリンの説明で弓が馬のしっぽだと聞いた時びっくりしました。聞く前はゴムだと思っていました。ピアノソロの時、好きなところに行っていいよと言われたので、ピアノの下にもぐりました。すると、北村さんがけんばんを強くひくとピアノの下にひびいて、いい意味でうるさかったです。授業ではピアノの下にもぐらないので、いい経験でした。
- 今日の演奏を聞いて、曲をよりよく弾くには、指先の動きや息づかいで、勢いや迫力も変わることも分かりました。
- 初めて生でヴァイオリンの音を聞いてみて、思っていた音とはちがい、小さな一つの楽器から壮大な音がしました。
- 演奏は、聞いた後余韻が残るほど、深く心に響いて、音楽だけの世界がそこにあるような気がしました。
- 僕は、この演奏を聞いて、もっとたくさんの人にこの音色を聞いてほしいなと思いました。なぜなら、多くの人に音楽のすばらしさを伝えたくなったからです。
当日はテレビ高知、高知さんさんテレビの2社の取材が入り、1/16のニュースで紹介されました。
テレビ高知「「迫力満点だった!」ピアノの下に潜って聴く!?日本一の演奏を間近で体感 学校コンサート」
高知さんさんテレビ「プロ音楽家が出前授業-小学校で‘生の’音楽授業」