開催レポ:カワイ特級入賞者コンサート(東京)

日程・会場:7月12日(火)18:30開演 カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
出演:今泉響平(ピアノ)五条玲緒(ピアノ)

今年の特級も開幕したばかりの初夏、7/12(火)に昨年の特級入賞者による「カワイ2021特級入賞者コンサート」が開催されました。毎年、次へ襷をつなぐかのように、前年度の入賞者が一年の成長を披露して締めくくる褒賞コンサートに、今泉響平さん、五条玲緒さんが出演しました。今回、特級グランプリの野村友里愛さんが急病によりやむなく出演が出来なくなりましたが、急遽、演奏者たちが曲を追加してくださり、二人のジョイントリサイタルとなりました。

《プログラム》

五条玲緒
  • ベートーヴェン:ピアノソナタ 第22番 ヘ長調 Op.54
  • ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲 変ロ長調 Op.24
  • J.S.バッハ=シロティ:G線上のアリア(アンコール)
今泉響平
  • R.シュトラウス=レーガー:「明日!」
  • リスト:メフィスト・ワルツ 第 1 番(村の居酒屋での踊り)S.514 R.181
  • ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
  • プロコフィエフ:ピアノソナタ 第 7 番「戦争ソナタ」Op.83
  • シューベルト:即興曲 変ト長調 Op.90-3(アンコール)

コンクールなどでも、変奏曲や組曲などを好んで演奏してきた五条さんは、バロック音楽も大変お好きだそう。今回は、変奏曲の大家であるブラームスが、ヘンデルの主題を取り上げたという代表作であるこの曲に挑戦したそうです。25変奏の多彩なキャラクターが鮮やかに描かれ、フーガで締めくくられました。

今泉さんは、メフィスト・ワルツを追加し、元々のプログラムから緩急緩急の構成で配置しました。この日のホール、そしてピアノや椅子との状態で、テンポや音色も考えて演奏されるとのこと。当夜のプログラムでは、会場いっぱいに演奏者の世界観が広がりお客様とのインティメートな空間が形成されていました。毎回注目のピアノ椅子はさらに進化を遂げていて、ピアニストたちのためにさらなる開発が進んでいるそうです。

アンコールには、それぞれJ.S.バッハ=シロティ編:G線上のアリア、そして野村さんが演奏するはずだった作品、シューベルト:即興曲第3番が演奏され、祈りに満ちたあたたかなメッセージで締めくくられました。

使用ピアノ:SHIGERU KAWAI フルコンサートピアノ SK-EX
調律:萩尾 啓介
ピアノ椅子(今泉響平):名陽木工

写真協力◎カワイ音楽振興会

配信情報!

今回の演奏の一部と演奏者インタビューが「ピティナ・コンサートプレミアVol.18」で配信されます。
配信日時:7/23(土)10:00~11:00 ピティナ・ピアノチャンネルにて

コンサートプレミア
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