開催レポ:特級ガラコンサート~ピアノの祭典~

日程:2022年2月25日(金)18時半
会場:サントリーホール ブルーローズ(東京)
出演:野村友里愛・進藤実優・今泉響平・五条玲緒(ピアノ)
共演(弦楽四重奏):城戸かれん(vn)福留史紘(vn)今川結(va)福崎茉莉子(vc)

写真:石田宗一郎

2022年2月25日(金)特級ガラコンサートがサントリーホールブルーローズで開催されました。
昨夏の特級を沸かせた4人の特級ファイナリスト全員が集い、「オール・ショパンプログラム」をコンセプトにリレー形式で進行する3部構成のコンサート。グランプリ・オンライン聴衆賞の野村友里愛さん、銀賞・聴衆賞の進藤実優さん、銅賞の今泉響平さん、入選の五条玲緒さん、それぞれの個性を発揮しながらも、まるで同窓会のような温かい雰囲気のコンサートとなりました。

第1部「4人が贈る珠玉のショパン名曲集」は、ショパンの代表的なジャンルを網羅し、特によく知られた小品を集め、静から動へ序章のような流れで構成。冒頭、今泉響平さんがノクターン2曲(第20番 嬰ハ短調 (遺作)と変ニ長調Op.27-2)で始め、ショパン国際コンクールで活躍した進藤実優さんがワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2と幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66、五条玲緒さんが、スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31、最後にグランプリの野村友里愛さんが、ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」を華やかに奏でました。
前半のメインとなる第2部「リレー競演!バラード全曲」は、ショパンのバラード1番から4番まで、4人のピアニストによる密度の濃い全曲演奏となりました。

今泉響平(p)
進藤実優(p)
五条玲緒(p)
野村友里愛(p)

休憩中のライブ配信では夏の特級ファイナルの懐かしい場面がダイジェストで紹介され、また、会場の休憩明けには、加藤哲礼(ピティナ育英・広報室長)による、4名へのショートインタビューが行われました。

「全国どこでも椅子が注目されます(笑)。空気の違う4人で、それぞれ空気の違うバラード全曲というおもしろい企画になりました」(今泉)
「激動の半年でした・・。ポーランドの美しい自然が現れている曲だと思います(協奏曲第1番)」(進藤)
「あっという間の半年でした。将来は自分の音を通じて世界中の人と交流できたらいいなと思います」(野村)
「複数人でテーマがつながっているコンサートは初めて。気持ちもつくりやすく楽しかったです」(五条)

第3部「コンチェルト(ピアノと弦楽四重奏)」では、城戸かれんさん(vn)福留史紘さん(vn)今川結さん(va)福崎茉莉子さん(vc)による弦楽四重奏をオーケストラパートに、ショパンのコンチェルトを共演。オーケストラでも活躍する弦楽奏者のみなさんによる緻密なカルテットからはいろいろな楽器の音が聴こえてきます。今泉さんによるアンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22に続き、進藤さん( 第1楽章)・野村さん(第2・3楽章)によるピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11は、会場の拍手喝采を浴びて終了。2時間50分に渡る長丁場のコンサートをお客様とともに完走しました。

今回の特級ガラコンサートはチケット発売2か月で完売。コロナ禍による座席制限もある中でも301名のお客様が来場(有効座席数の着席率90%)し、リアルタイム配信での最大同時接続数は758名が視聴。さらに初の試みとして裏配信で「鍵盤限定アングル」の配信も平行して行われ、こちらも最大同時接続数89名が訪れました。本来のキャパシティの3倍近くの聴衆が同じ時間を過ごすことになった当夜は、会場と配信双方からの熱い声援に支えられて終了しました。

ピアノ・調律
  • 使用ピアノ:スタインウェイ
  • 調律:小谷幸永(調律会員)
  • 椅子協力(今泉響平):名陽木工
舞台袖からカーテンコールへ!

アーカイブも引き続きお楽しみください。

今回の特級ガラコンサートは、昨年夏の特級クラウドファンディングより、出演者の旅費への支援をいただきました。
終演後に行われた寄付者交流会の模様はこちら

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