レポ:11/18 草加市立青柳小(尾城杏奈Pf・髙木凛々子Vn/動画あり)

草加市立青柳小学校
日時:2021年11月18日(木)
会場:音楽室
参加人数:5年生 63名
出演:尾城杏奈(ピアノ)、髙木凛々子(ヴァイオリン)
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11月18日、草加市立青柳小学校のもとへ2020特級グランプリの尾城杏奈さんと、ヴァイオリニストの髙木凛々子さんが演奏を届けに訪れました。
「どんなことが起こるんだろう?」とザワザワしていた子どもたちも、2人がエルガー「愛の挨拶」を演奏し始めると、吸い込まれるように聴き入っていました。モンティの「チャールダーシュ」や葉加瀬太郎の「情熱大陸」ではノリよく繰り広げられる超絶技巧に、体を揺らしながら聴く子も。ヴァイオリンとピアノの伸びやかな音や繊細な音が、音楽室いっぱいに広がり子どもたちを包みました。

髙木さんは子どもたちの前に出ると、子どもの視線を遮っていた譜面台をすっと背後に下げたり、曲の説明を聞きながら「モンキー?」と首をかしげる子のつぶやきをキャッチした尾城さんが「モンキーじゃないよ、モンティだよ!」と優しく教えてあげたり、子どもたちと作り上げる小さな空間を大切にコンサートを進めてくださいました。

尾城さんはピアノという楽器の音が出る仕組みや鍵盤の数などをお話した後、ペダルの実験クイズを出してみました。「この音楽室のペダルは2本ありますね。右側のペダルと左側のペダル、それぞれ踏んだらどうなるでしょう?」と考えてもらってから、ペダルなしとペダルありのバージョンで音階を聴いてもらいました。注意して聴いていた子たちは、「あ!!すっごい響いてる!」「なんか音が小さくなった」と発見。我先にと答えてくれました。

ジャズ風にアレンジされたモーツァルトの「トルコ行進曲」を尾城さんが弾く間に、数名ずつピアノのそばに寄り、触ったり、下にもぐったり、ハンマーや指の動きを見たりしてもらうと、「頭がおかしくなるくらい音が大きい!」「指がめちゃくちゃ速かった!」と大興奮。

「じゃあ、このヴァイオリンは何歳だと思う?」と今度は髙木さん。実は1702年生まれの320歳、モーツァルトが生きていた時代からあるもので、テレビでも耳にするストラディバリウスという名前を聞いてざわつく子どもたち。「そんな楽器の音をみんなこんな近い距離で聴いているんですよ。」と言うと、「えぇーっ。そんな楽器がうちの音楽室に…」とみんな驚き、その後に奏でられた本格的なフランクのヴァイオリン・ソナタにも、真剣に耳を傾けていました。最後には、青柳小学校の校歌を、子どもたちの元気な声と共演しました。

質問コーナーでは、「300年前の楽器と、2年前の楽器では、弾いていて違うんですか?」という質問も。「とてもいい質問ですね!弾いていても聴いていても、全然違うんです。特によく分かるのは、大きなホールで弾いている時。300年前のいい楽器は、2000席のホールの一番後ろまでも、音がきれいによく届きます。興味があったらぜひホールで聴いてみてくださいね。」と高木さん。「いつもはどこで演奏しているのですか?」との質問には、「普段はホールや色々な施設、海外でも演奏しているのだけれど、今はコロナで遠くに演奏に行けないので、YouTubeでも活動しています」と、このご時世ならではのアーティスト事情も垣間見ることができました。

尾城杏奈さんより

学校クラスコンサートに出演させていただきありがとうございました。 みなさんからの感想文も、楽しく読ませていただきました

音楽室での学校クラスコンサートは初めてでしたが、距離が近い事でより一体感があり、私にとってもとても実りある時間になりました。 感染対策に気をつけながら、生徒さん達にピアノの周りに集まってもらって色々な角度から見てもらった時、生徒さんがキラキラとした瞳で見てくれていたのが印象的でした。 髙木さんの素晴らしいヴァイオリン演奏とトークで盛り上げていただき、音楽の魅力が伝わったのではないかと思います。皆さんが、より音楽を好きになるきっかけになっていたら幸いです。

髙木凜々子さんより

クラスコンサートに出演させていただきました、ヴァイオリニストの髙木凜々子です!子どもたちの前で演奏させていただき、とても幸せな気持ちになりました!音楽をダイレクトに、そして身近に感じていただけた気がします。引き続き音楽の魅力を伝えていきたいと強く思いました。素晴らしい機会をありがとうございました。

児童の皆さんの感想より
  • バイオリンは、手で持つと思っていたけれど、肩で持っていたのでびっくりしました。
  • ピアノはよくきくけれど、ピアノの下へもぐったり、ハンマーでたたいているところをはじめて体験してみた!いつものピアノとは別の感覚を味わえたのがとても楽しかったです。
  • バイオリンの音がひびいて、近くで聞くとこんなにすごいのか、と思いました。
  • 私は「情熱大陸」が心にのこっています。もともと少しくらいなら知っていましたが、演奏を聴いてすごくいい曲だなと思いました。家に帰っても曲を忘れることができずに、YouTubeで曲をけんさくして、ずっと聴きながら宿題を進めています。
  • クラスコンサートで演奏を聞いて、ピアノやバイオリンを習いたいなと思いました。習いたいなと思うきっかけを作ってくれてありがとうございました。
  • 2人とも楽しそうに演奏していてすてきだなと思いました。
  • 演奏はもちろん、楽器の仕組みやひみつも、クイズ感覚で楽しく知れました。
  • 「チャルダッシュ」は最後の所で細かい指使いをしていたけど、指はいたくないのかなと思いました。そして、ピアノも指が踊っているような感じで、低い音から高い音まで全部聞こえました。
  • ピアノの中やピアノの下がどうなっているのか気になっていたので、ピアノの中、下を見れてとてもうれしかったです。とくにぼくは「トルコ行進曲」が心に残っています。いつもCDなどで音楽を聞いていたけれど、生で音楽を聞いてこんなにもちがうんだなと、とてもびっくりしました。
2人の演奏音源はこちらでも聴けます!

尾城杏奈さん
ピティナピアノ曲事典「尾城杏奈」(下方、「演奏音源一覧」より)

髙木凜々子さん
髙木凜々子YouTubeチャンネル

音楽の先生と
学校クラスコンサート
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